慢性頭痛の著効例

症 例:24歳♂

主 訴:6年間続く慢性頭痛、背中のコリ、倦怠感

現病歴:18歳に「肺胞低換気症候群」と診断されて、ステロイド剤を内服を始める。
    以降慢性の頭痛発症。主治医はステロイドの副作用ではないかという意見。
    ほとんど毎日頭頂部の頭痛があり、時々拍動性の偏頭痛に悩まされている。
    週に2~3日はロキソニン(消炎鎮痛剤)を内服してしのいでいる。

治 療:脈診、舌診、腹診、望診、等により中医学で”肝腎陰虚症”と診たて、
    1寸の3番鍼で右照海、太衝に置鍼10分、火曳の鍼を関元に当てて、
    渋脈が緩んだのを確認して、風池、肩井、霊台に置鍼10分。
    という処置を2回して、本日来院時には毎日の頭痛がなくなり、
    ロキソニンも治療を始めてから1回内服しただけとのことでした。

考 察:虚熱(陰陽のアンバランスで発生する熱)が上亢(頭に熱が上る)して、
    頭痛が慢性化していたようです。
    頭の内熱を冷まし、内熱を体の下へ引き下げる処置がうまくいって、
    2回の治療で6年間続いていた頭痛が緩解してきたと考えております。
    これからも、経過観察する必要がありますが。
    僕たち臨床家の最大の喜びは患者さまの「楽になりました!」という言葉と、
    心からの笑顔を見させて頂くことです。
    仕事の疲れがその一言で吹っ飛び、あ~鍼灸師になってよかったな~・・・と
    しみじみと思います。
    19年臨床していてもやはり”初心忘るるべからず”ですね。

    治療院の前の八重桜は早くも満開になりました!
    明日写真をアップしますね。