ハードル選手の腰痛
【難治性の腰痛と生理不順が一ヶ月の鍼灸治療で治癒した症例】
患 者:17才女性
主 訴:慢性腰痛
現病歴:小学校4年生でクラシックバレエをして腰痛発症、中学高校は陸上部に所属し、
高校2年の8月に練習中に腰痛再発する。
整形外科受診し、レントゲン、MRI検査で第4腰椎と第5腰椎の間隔が狭くなっている、
と言われ、他の鍼灸院に通院したがあまり改善せず、1時間の授業中も痛みで苦痛を訴える。
陸上部は休んでいる。
月経は小6から始まるが、不順で2~3ヶ月ないときもある。
脈 診:中位で滑脈
舌 診:淡紅色、胖大、舌裏静脈の怒張
腹 診:右脾募、左肝の相火、左大巨に邪を認める
弁 証:湿困脾土・気滞血お
処 置:右三陰交に10分置鍼、腹臥位で左脾兪に10分置鍼
経 過:初診は’0911月25日、週に2回の治療を開始する
第4診目で授業中の辛い腰痛が消失、第5診目から軽いジョギングができるようになり、
第7診目以降からは1500m走っても腰痛は感じなくなり、月経も再開する。
月経があってからさらに腰の状態もよくなり。
3月のインターハイ予選に向けて練習を再開するようにアドバイスする。
考 察:飲食不摂により脾の機能低下によって月経が停止、お血が生じて腰痛が悪化したと考える。
局所の治療のみでは治らなかった腰痛、生理不順が1本の鍼治療で治癒した。
弁証が正しくなされ、五臓の脾のバランスが整ったことが治癒にいたったと考えます。