胃の気の診方

金閣寺の紅葉 筆者撮影

胃の気の診方

昨日解説した「胃の気」の続きです

臨床では「脈診」で胃の気をうかがう

末期がん患者、急性期の脳梗塞、心筋梗塞など

治療に耐えうる状態か否かの判断

予後不良か否かの判断

治療が適切か否かの判断

「胃の気」の盛衰が大いに関わっている

 【症 例】

①抗がん剤で衰弱し骨転移したがん患者70代♂

 初診で脈診は胃の気が触れないが
 
 数回の鍼治療で脈有力になり

 胃の気旺盛になる

 結果食欲がでてきて、一ヶ月で3㎏体重が増えた

 今では食事が美味しく、食欲旺盛、排便正常

 「生きる希望が見えてきた」と本人家族より大いに感謝される

②脳梗塞で意識不明の95才の♀

 医師からあと2週間もたないと言われた

 脈をとる

 浮いて弦脈、胃の気おおいに有力

 意識はなくても当分大丈夫ですと伝える

 3ヶ月後に退院

 発症後4か月経過し、老健に入所となった

 現在胃瘻での栄養摂取であるが

 時折呼びかけに答えるようになった

 95才の年齢である、親族の気持ちは複雑な様子

③左脳梗塞60代♂

 医師からは半年は職場復帰はできないと言われた

 当初より胃の気旺盛

 井穴(指先の経穴)からの刺絡(血を抜く治療)を数回

 発症して1ヶ月後に退院、右の片麻痺なし、言語障害なし
 
 職場復帰を果たした

  
 胃の気を正確に知ることができると

 生命予後さえも知ることができる貴重な症例です