空間論による身体の診方
「空間論」とは人の体を一つの空間物体と考える氣のバランス論である
提唱したのは師匠の藤本蓮風先生で、2008年に「上下左右前後の法則」が発刊されている
現代の数学でいうトポロジー(topology)位相幾何学に関わる
空間的な物体というのはます、上と下、前と後ろ、右と左、
このバランスが取れていれば空間物体として安定する
人間の体を3次元における空間物体と捉えて診ると
どこかに痛みがあるとそのバランスが崩れて不安定な状態になります
どのようにアンバランスを捉えるかと言うと
まず臍(へそ)の周囲の緊張のアンバランスを診ます
経穴では「滑肉門」「天枢」「大巨」
頭のてっぺんの「百会」の左右の反応も重要です
右の腰痛があると左の天枢に邪(緊張)が現われることがあり
そこに鍼を打つと腰の緊張が緩み腰痛が早く治ることを多く経験しています
右の肩関節の痛みで左の陽陵泉に鍼を打って即座に痛みが消失した症例もあります
ぎっくり腰で百会を使って著効を示した例や
右中指のつき指を百会右で治した例等々
書ききれないほどの症例を「空間論」による
上下前後左右のバランスを整えることで治療しております
この治療法はまだまだ研究する余地があり
痛みの疾患のみならず、様々な治しにくい症例に対しての可能性を感じています