ケニア渡航日記 -ものづくりと、ものがたり-
私達が最後に訪れたのは、首都ナイロビから20kmほど離れた小さな村にある
「マトマイニ・チルドレンズ・ホーム」という孤児院でした。
この孤児院をつくったのは、日本人女性の菊本照子さんです。
「ケニアの孤児や困窮状態におかれた子供の救護と保護養育」を目指し、1987年に設立されました。
30年間で約150名ほどの子供が卒園したそうですが、現在は孤児院としての役割としてではなく、
シングルマザーのお母さんたちに「ものづくり」を通して就労の機会を与える場所になっているそうです。
ここでの「ものづくり」とは、フェルトをつかったアニマルや、アクセサリーのことです。
職業訓練を受けた母親たちは、自分の作った工芸品の売上の一部を収入にして、子供の学費や生活費にあてています。
羊毛からつくられたフェルトは鮮やかに染められていて、ひとつひとつ針で突いてスポンジに馴染ませるそうです。
どの作品も違った表情でとてもかわいらしいです。
アニマルひとつひとつにお母さんの名前が書かれたタグがつけられています。
母さんたちの人生の「ものがたり」がタグを通して浮かんでくるようで、大切にしたいと思いました。
僕はいくつかのアニマルを購入して治療院の受付、待合に飾ることにしました。
機会があれば、アニマルの表情とそこに書かれたネームタグをみて
「ものづくり」を通したシングルマザーたちの「ものがたり」に思いを傾けてみてください。
マトマイニ・チルドレンズ・ホーム
フェルト工房や、それをつくるお母さん達のものがたりが紹介されています。
https://scckenya.xsrv.jp