慢性硬膜下血腫の症例 -迅速な医療連携の必要性-

https://www.harasanshin.or.jp/medical/nouge/mansei.htmlより引用
 
 
80代 女性
 
もともと、別の愁訴で治療中でしたが、2~3日前から突然ふらつきを自覚されました。
 
当院院長の判断で、迅速に脳神経外科へ紹介したところ、診断は「慢性硬膜下血腫」でした。
 
その後、手術目的で大学病院へと紹介となりました。
 
 
当院では、このような危険な症状(鍼灸治療の不適応症)が疑わる場合には、
 
適切な医療機関へご紹介しています。
 
鍼灸院と診療所の連携は、患者様の病気(危険な状態)を早期に発見したり、
 
適切な医療を受けて頂くためにとても重要です。
 
 
 
硬膜下血腫について
 
軽く頭部をぶつけたり、転倒した際頭部を叩打した際に、
 
少量の出血がおこり、じわじわ、ゆっくりと硬膜下に血腫を形成する病気です。
 
高齢者に多いのが特徴で、外傷のきっかけを覚えていない場合もあります。
 
この症例では、1ヶ月前に転倒し頭部をぶつけていたことがきっかけになったようです。
 
 
血腫が脳を圧迫することで(上図)、認知障害、歩行障害(ふらつき)、尿失禁、頭痛などの症状がおこります。
 
高齢者の場合、認知症と間違えて診断されることもあるそうです。
 
 
この病気は硬膜に溜まった血腫を除去する手術により、完治することができます。
 
 
今回は早期発見・治療に繋がり、医療連携の必要性を改めて実感しました。