1本鍼により著効を得た症例その1帯状疱疹後神経痛
「1本鍼により著効を得た症例その1帯状疱疹後神経痛」
患 者:39歳女性
主 訴:帯状疱疹後神経痛による左半身の痛み
現病歴:32歳のときに下腹部の帯状疱疹を発症、水胞は一時治ったように思えたが一年後ぐらいから疲れたり、寒暖の差によって頭部顔面から足の先までの左側半身のヒリヒリする痛みを感じるようになる。VAS法による痛みの程度は発症時を10とすると現在は5、体力もなくなり仕事の継続が困難。
脈 診:沈墟細
舌 診:淡紅色、薄白苔、胖大、歯痕
腹 診:肝の相火、胃土に邪を認める
弁 証:肝鬱気滞・腎気虚症
処 置:30㎜3番鍼で百会左に10分間置鍼、腹臥位で右肝兪に10分間置鍼。
経 過:脈が少し浮いて有力になり、治療中は眠くなって気持ちが良かったとのこと。週に2回の治療を始め、第4診目より左半身のヒリヒリする痛みを感じなくなって、日常生活でも疲れにくくなってくる。眼の下にあったクマがなくなる。
考 察:帯状疱疹後神経痛の慢性化した症例は西洋医学では治りにくいものですが、中医学の弁証論治によって、1本の鍼だけで早期に著効を示した。
気の流れの偏りによって半身の痛みが慢性化していたが、百会左と右肝兪の鍼治療によって、左右の気の流れのバランスが整ったと考えます。