頚肩こりといえども

アンデス山脈

70代の男性患者さん、慢性的な頚肩こりで苦しみ、整形外科、接骨院、鍼灸院、指圧、マッサージ
何をしても治療直後だけ良くなるが、すぐ戻って治らない
今までの鍼治療は鍼灸師が本人が訴える局所(頚肩)に鍼を打っていた
少し楽になっても翌日はまた凝ってくるという

1時間かけて問診、20分かけて体表観察、そして弁証(東洋医学の病名を決めるプロセス)
症は「肝陽上亢」と診たてた。左太衝に一本打ち、左肝兪に一本打った(頚肩のツボは使っていない)
頚肩こりを訴える部位の皮膚は発赤し、熱をこもらせていた。”清熱”の処置をしただけである

翌日から毎日続いてどんな鍼治療をしても治らなかった頚肩こりが治った
頚肩こりは患者さんが自分で思いこんでいただけで
実際には頚肩の筋肉は全く硬くなく、他覚的にも凝りはないのである
患者さんが訴えるから治療家まで頚肩こりと思い込み
局所に鍼をたくさん打つ、そこには医学的な検証も何もない
それを医学とはいわない

なぜ頚肩こりを自覚するのかを、東洋医学による診察をしっかりおこない
弁証論治(病名を決め、治療方針を立てること)ができれば、病を救うことができる

患者さんはとても喜び、痛みで苦しんでいる知人を紹介してくださった