肝と疲労

≪黄帝内経・素問≫第六節第九

身体の中心にあって植物の幹に相当する位置を占める”肝”は

エネルギー(血)の貯蔵と供給を通して

身体の活動と疲労を担当する器官で、魂の宿るところである

その機能が外に華やかに映えるところは爪である

その充実した力が現われる場所は筋である

また血気の働きを育成する

肝は腹部にあり、血の貯蔵、育成、罷極(ひきょく)に関係する

注)罷極(ひきょく)

  罷は疲と同じ意味で”疲労”のこと

  極は全身を緊張させて頑張ること

  罷極とは人の活動における弛緩と緊張を意味する

  肝は血を貯え、血は栄養素としての栄気が含まれている

  これを必要に応じて放出する

  そして”極”(活動)を起こす

  過度となると疲労困憊する、これが”罷”である

※ 疲労は全ての病に影響する重要な要素で

  極まると臓腑病、難病、癌などにも発展すると

  藤本蓮風先生は述べている