老荘思想その2

「他人と比較する心」

世の人々は多くは、美しいものは美しいと認識している”つもり”

だが、これは正しくはない

世の皆が善は良いものだと認識しているが

これも正しくない

その理由は、善と悪、難しいとやさしい、長いと短い、高いと低い

強いと弱い、金持ちと貧乏、美人と不美人・・・・・

このようにすべてを「他人と比較する心」から人は認識している

ゆえに真理(道)を知った聖人は、このような「比較する」区別をせずに

無言のままで自分の生活態度により正しいことを実行して人に見せるのである

聖人は万物の自然のままの状態を尊重して自分の手を加えることをしない

万物を育成しても縛り付けず、悪いことをしても見返りを求めない

物事を達成しても、その名声や評価を求めない

そもそもその必要がないという

なぜならば、他人も含めてこの世の全ての物事が聖人の「持ち物」

であることを知っているから

<解説>
老子の視点はとてつもなく巨大で、

まるで宇宙から無数の星の中の一つである

地球を見ているかのような気持ちの視点である

私たちも小さい視点で生活をしていると

社会生活で嫌なことばかりを感じてしいがちになる

しかし、広い宇宙から地球を眺めるような気持で生活すると

細かいことに執着して悩むことをやめていくことができる

”他人も自分自身である”という、愛情をもって人が生きていれば

この世はもっと良くなると説いている