問診と医療面接

当院に初めて来院された初診患者さんには

トレーニングを受けたスタッフ(鍼灸師)が

問診室で約1時間程度問診させていただく

この問診は所属する勉強会の「北辰会」専用カルテの内容に基づいて行われ

主訴・現病歴・既往歴・負荷試験・職場家庭環境・七情・飲食二便・睡眠等々多岐にわたる

例えば「頭痛」が主訴の場合、頭痛が起きる根本的な原因や

病の背景を捉えることに重きを置くので、様々な側面から問診を進めていく

患者さんが訴える苦しみに耳を傾け病苦をもたらした原因を探ること

病苦がその人にどのような意味を持っているかを確かめるために交わされる

患者さんとの対話、これこそが問診ではなく実は「医療面接」というのである

医療面接はある特定の話題について突っ込んで話し合うこと(対話)で

患者さんを主人公として物語にまとめ上げていく作業が含まれる

ここでいう物語とは”ナラティブ”という

西洋医学で解決しない慢性の主訴に対して、我々がアプローチする

医療面接は「患者さんという”人生の私小説”を一冊読もうとする行為」であり

個人情報も多分に含まれる為、信頼関係を築きながら対話を進めるといった

高いコミュニケーション能力が不可欠となる

信頼されて対話を進めるためには幅広い知識と人生経験が必要でもある