気逆咳
こんにちは、長岡哲輝です。
慢性的な咳が主訴の30代女性。
先週から風邪をひき、咳が増悪したとのこと。
風邪(外感病)の場合、咳、咽頭痛、鼻汁、悪寒などの症状が同時期に起こった場合を指します。
体表観察では、脈が浮いてきたり、ツボが発汗したりする反応を示します。
患者さんの訴えは「咳」のみ、体表観察では脈は沈んでおり、太衝や行間は実の反応。
よく問診を行うと、家庭でのストレスが長引いていて、精神的にとても落ち込んでいるとのこと。
この患者さんの咳は、東洋医学的に「気逆咳」といいます。
長期的なストレスは、気が滞るだけでなく、上に突き上げてしまう「気逆」という状態になります。
突き上げた気は、肺の機能を阻害して「咳」が出現します。
治療は、突き上げた気を引き下げる「行間」というツボに鍼をしました。
置鍼後、咳はピタッと落ち着き、気分もリラックスしたとのこと。
気逆咳に対して鍼治療は、即時的な効果を期待できそうです。