解釈モデル

時に、治療者と患者の間で意思の食い違いや、考えに齟齬がある場合があります。

たとえば、患者側の「本当はもっと話を聞いてほしい」や

「他にも症状があるけど言い出せない」など、

あるいは、治療者側の「この患者は〇〇に違いない」や「あなたはもっと〇〇するべきです」など

一方的に価値観を押し付けたり、決めつけたりする。

このようなことは、治療者と患者の信頼関係を築く上で、妨げとなります。

治療者と患者の齟齬を少なくするために、「解釈モデル」という考えがあります。

患者が病気をどのように考えているか。

また、心理社会的背景を考慮しながら、「患者中心の医療」を行うための手法です。

Label   :何を一番問題と考えているか

Etiology :なにか思い当たる原因があるか

Timing :どのくらいの期間、問題を抱えているのか

Severity :その問題はどのくらいひどいのか

History  :何もしないとどうなりそうか

Effects   :その症状でなにが一番困っているか

Affect  :今、何が一番心配か

Rx   :どんな治療を希望しているか

これらの頭文字をとって「LET’S HEAR」とおぼえます。

これらの問いを中心に、患者と医療者の考えを一致させながら治療を行うことで、

良好な関係を築くことができ、トラブルを防ぐ事ができます。

反復、傾聴、支持・共感などの医療面接の基本を踏まえた上で、

「解釈モデル」を意識して問いかけることが、

「患者中心の医療」を実現させるためには必要です。

n-acp.com