ある僧侶の不思議な体験

今日は少しテイストを変えて、とある僧侶のお話をしたいと思います。

その僧侶は僕の先輩にあたる方で、鍼灸師の資格を持つT先生です。

T先生は、僧侶になるために出雲へ修行に出ました。

T先生の入った道場は日本で最も厳しいといわれる道場で、

修行中、存在しないものが見えたり、錯乱状態に至ったりと

尋常では無い環境に身をおいていたようです。

そんな中、とても不思議な体験をしました。

修行では、正座やあぐらを長時間するため、膝への負担がとても大きく、

炎症を起こして、水がパンパンに溜まってきてしまったそうです。

膝がほとんど曲がらなくなってしまい、修行を諦めようかとおもったほどでした。

修行中は薬を服用したりや、鍼をうつことはできないため、

どうすることもできない状況から浮かんだアイデアは

「人のためになることを精一杯しよう」ということでした。

その日から、T先生は朝一番におきてトイレの掃除をしたり、

草むしりをしたり、とにかく人の為になることを全力で取り組んだそうです。

すると3日後からパンパンに腫れていたはずの膝の水がみるみる抜けて、

すっかり膝が曲げれるようになったといいます。

T先生が極限状態から浮かんだアイデアは、「自分を犠牲にしても人のために尽くす」という

仏教の教えに従い、行動することでした。

その結果、医学では説明のできない現象を引き起こしたのだろう

とT先生はいっていました。

人のために何かをすること、犠牲を払うことは

仏教の世界だけでなく、私達の身の回りのことにも通じると思います。

ボランティアをしたり、人との繋がりを大切にする人は長生きであるというデータもあります。

科学では解明できないT先生の不思議な体験は、人間としてとても大事なことを教えてくれました。