乳がん術後のケアに鍼灸を
乳がんの手術後には、さまざまな合併症が生じることがあります。
代表的な術式には、乳房部分切除術、乳房切除術、リンパ節郭清などがあり、それぞれの術式に応じて術後のケアが異なります。
術後の合併症としては以下のようなものが挙げられます。
・創部痛(術後疼痛)
手術後に慢性的な痛みや違和感が残ることがあり、生活の質に影響を与えることがあります。
・可動域制限
手術や放射線治療後に肩や腕の動きが制限されることがあります。
・リンパ浮腫
リンパ節郭清を行った場合、腕や手の腫れ(リンパ浮腫)が生じるリスクがあります。
鍼灸治療は、このような術後におこる合併症のケアとして効果的です。
術後は積極的に患側を動かすように指導されますが、痛みがあったり、こわばりがあると思うようにリハビリが進まないこともあります。
鍼治療により、創部の皮膚の緊張を緩めたり、筋肉の痛みを改善することで術後のQOL向上が見込めます。
ただし、リンパ節郭清を受けた患者さんは、リンパ浮腫のリスクがあるため、患側への直接的な鍼治療は避け、リスクを軽減するために全身の調整や非患側への治療を行います。
がん治療によるケアは、病気のしっかりとした知識と、リスク管理が重要です。