鍼灸で尿路結石が排出!40代女性のケース

尿路結石は激痛を伴うことが多く、手術や自然排出を待つしかないと考えられがちです。

しかし、鍼灸治療によって結石が排出されたケースがありました

詳しい経過をご紹介します。

40代女性の症例

  • X年9月、飲酒後に左の腰部から腹部に激痛を感じる
  • 病院で造影CT検査を受けた結果、左尿管に7mmの結石を確認
  • さらに左水腎症を併発していた
  • 医師から「3ヶ月後に排出されていなければ手術」と説明される
  • できれば手術を避けたいと考え、鍼灸治療を希望し来院

当院では、尿路結石に対する鍼治療の前例がありませんでした。

まずは、東洋医学的な視点からアプローチを試みることにしました。

鍼灸治療の実施

東洋医学的に「肝胆湿熱」と弁証し、以下の施術を行いました。

  1. 蠡溝(れいこう)に置鍼15分
  2. 途中で中リョウ(ちゅうりょう)を追加

施術を続けた結果、

  • 3回目:CVA叩打痛(腰部の痛み)が消失し、排尿時に砂のようなものを確認
  • 6回目:エコー検査で水腎症が消失
  • CT検査で結石が下方へ移動し、手術は延期
  • 約5ヶ月後、トイレで結石が排出され、CTで完全消失を確認!

治療成功の考察

  • 患者が毎日3Lの水を飲むことを継続し、尿の流れを促進した
  • 尿管は自律神経によって支配されており、鍼が神経の調整に寄与した可能性
  • 中リョウ(仙髄領域)が尿管のぜん動運動を促進し、排出を助けた

今回のケースで、鍼灸が尿路結石の自然排出をサポートできることを確認できました。

結石による痛みにお悩みの方は、鍼灸治療を選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?