がん患者さんの症例検討会をしました

毎週月曜日は、スタッフ全員で集まり勉強会を行っています。

本日は「がん患者さんの症例検討」をテーマにディスカッションを行いました。

ある進行したがん患者の症例をみんなで共有しました。

さまざまな治療を試したが、がんの勢いは抑えられず、現在は治療による副作用で苦しまれていました。

患者さん一人ひとりのがんの進行度や、治療内容を深く理解することは、治療者としてもっとも基本です。

それ以上に重要なのは、患者さんの「苦しみを少しでも緩和するために何ができるか」を考えることです。

今回の症例では、鍼灸治療を通じて、がん治療に伴う吐き気の軽減や精神的苦痛の緩和が認められました。

東洋医学の視点は、西洋医学の治療を補完する役割を果たし、生活の質(QOL)向上に貢献できる可能性を改めて実感しました。

しかし、がんが進行するにつれ、鍼灸の効果が次第に薄れていく現実にも触れざるを得ませんでした。

それでも、私たちはこの症例を通じて、「患者さんにとって最も良い治療とは何か?」という問いに向き合い、さまざまな視点から検討を重ねることができました。

多くの苦しみを抱える患者さんに対し、何ができるかを模索し続けることが、治療者としての使命だと改めて感じた時間でした。

中部大学CAACでの東洋医学講義がスタート!

昨日は、中部大学のCAAC(中部大学アクティブアゲインカレッジ)で、非常勤講師として東洋医学の授業を行いました。

今年もお声掛けいただき、16名の参加者の皆さんとともに東洋医学の魅力について学ぶ時間を共有できました。

今回のテーマは「東洋医学で考える健康と養生」。

健康意識の高い方々が多く、皆さん熱心に耳を傾けてくださり、講義の途中では多くの質問が飛び交いました。

参加者の皆さんが興味を持ってくださっているのが伝わり、とても嬉しかったです!

東洋医学の考え方が、日頃のケアに役立つきっかけになればと思います。

そして来週はいよいよ実技編に入ります。

鍼灸治療を実際に体験し、東洋医学の「未病を防ぐ」という考え方が、どのように体に影響を与えるのか、

みんなで観察していきます。

実際の施術を通して、体の変化を感じてもらえる内容にしたいと思っています。

これからも、東洋医学を通じて皆さんの健康に貢献できるよう努めてまいります!

足三里(あしさんり)の効果はすごい!

足三里(あしさんり)は、胃腸の調整や体力回復に効果があるツボとして知られています。

ツボのことはよく知らないけど、なんとなく名前は聞いたことあるというかたは多いのではないでしょうか。

先日放送された、NHK「トリセツショー」でも取り上げられていましたね。

足三里は「副腎」という、ホルモンを分泌する器官を介した抗炎症効果があり、今とても注目されています。

足三里を鍼や灸で刺激すると、副腎から「コルチゾール」という抗炎症作用ホルモンが分泌されることが研究で明らかになっています。

コルチゾールは、炎症の原因となる物質を抑える働きをし、組織の炎症を和らげてくれるのです。

これにより、リウマチによる関節痛、アレルギー、アトピーなどの自己免疫疾患の緩和に期待できます。

また他にも、足三里は「オキシトシン」という、通称「幸せホルモン」の分泌を促し、ストレスを緩和させる効果があります。

これにより、ストレスによる痛みや不安、抑うつ症状の改善にも期待されます。

このように足三里のツボを使った鍼灸治療は、身体の自然な力を活かして炎症やストレス反応を整え、体調を安定させるサポートをするのです。

NHKで鍼灸の特番やります

ことし5月に放送し、大好評だったトリセツショー「ツボ」。
さらに内容をパワーアップした「改訂版」が今週放送になるそうです!

ぜひご覧ください!!

肩こり・腰痛・冷え症・美容SP 

– あしたが変わるトリセツショー

10月31日(木) 

午後7:30〜午後8:15

▼「肩こり」・「腰痛」・「疲労」・「美容」に加えて、

「冷え性」・「ストレス」のお勧めツボもご案内!

▼東洋医学の神秘“ツボ”を大解明!

驚きの正体とメカニズムとは?

改訂版ツボ★肩こり・腰痛・冷え症・美容SP – あしたが変わるトリセツショー

がん薬物療法における鍼灸の役割

がんの薬物療法には、患者さんの病状やがんの種類に応じてさまざまな種類があります。

一般的な薬物療法には、以下のようなものがあります。

・化学療法:

がん細胞を殺すための薬を使う治療法です。がんの種類によって異なる薬が使われ、全身に広がるがんに有効です。

・ホルモン療法

がんの成長を促すホルモンを抑える薬です。乳がんや前立腺がんなど、ホルモンの影響を受けるがんに使われます。

・免疫療法

免疫細胞を活性化させてがん細胞を攻撃する治療法です。最近では「キイトルーダ」のような免疫チェックポイント阻害薬が話題になっています。

・標的治療

がん細胞の特定の遺伝子やタンパク質を狙って攻撃する薬で、副作用が少なくなることを期待されています。


これらの治療法は、がんを抑える効果が期待できる一方で、さまざまな副作用が伴います。

そこで、支持療法が重要になります。

支持療法とは、がんの治療に伴う症状や副作用を和らげ、生活の質を維持・向上させるための治療やケアのことです。鍼灸治療もこの支持療法の一環として、注目されています。

鍼灸治療の役割

鍼灸治療は、薬物療法の副作用を軽減し、患者さんの身体的・精神的な負担を減らすために用いられます。

具体的な効果として、以下の症状に対する緩和が期待されています。

・末梢神経障害(しびれ)

化学療法の副作用である手足のしびれに対して、鍼灸は症状を軽減する効果があるとされています。末梢神経への刺激を通じて、感覚の正常化を促します。

・吐き気・嘔吐

化学療法による吐き気や嘔吐に対して、鍼灸は胃腸の働きを整えることで、症状を和らげる効果が報告されています。

・ホットフラッシュ:

ホルモン療法の副作用であるホットフラッシュ(突然の体温上昇や発汗)も、鍼灸により自律神経のバランスを整え、症状を軽減することが期待されています。

・口腔乾燥

放射線療法による口腔乾燥にも鍼灸が有効とされており、唾液分泌の促進をサポートします。


これらの効果は、がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)により有効であるとされています。また、当院においてもこれまでの治療実績から有効性が確認されています。

問診票の重要性

当院では、来院前にあらかじめ「問診票」を送っていただいております。
患者様のお困りの症状だけでなく、体質を分析するために重要な情報源となります。

東洋医学では、「五臓」といって内臓働きや、自律神経のバランスを重要視します。
これは、一回の問診だけでは把握しきれないこともあります。

そこで、当院の問診票を使っていただくことであらかじめ、体質の傾向、五臓のアンバランスなどを把握することができます。

問診票をおっくていただくと初診料が2,000円→1,500円に割引になります。
初診をご予約されたかたにはみなさんにご協力いただいておりますので、よろしくお願いいたします。

難しい病気への鍼灸治療

以前から当院では、パーキンソン病などの神経難病、がん、精神病、慢性疼痛など、難病への治療に取り組んでいます。

最近では、多発性硬化症、進行性の乳がん、難治性の三叉神経痛、リベド血管症などの患者さんが来院されております。

難しい病気ですが、いずれも鍼灸治療が相対的に適応な症例です。

もっとも重要なのは、鍼灸の適応と限界をきちんと把握することです。

難しい病気を治療するのは簡単ではありませんし、どこでも治療してもらえるわけではありません。

当院は35年間のなかで、難病への鍼灸治療を積み上げた経験があります。

西洋医学では治らないと言われた病気でも、当院ではお断りすることはありません。

患者さんの症状、生活背景、心理状態、社会的背景まで含めてトータルでみさせてもらいます。

そのうえで、鍼灸で助けられること、またこれ以上は難しいところ、真摯に向き合いお伝えします。

下記のフォームからなんでも気軽にご相談ください、院長が対応させていただきます。

当院の治療実績

長岡治療院は開設して35年になります。

患者数はのべ40万人にものぼります。

これほど多くの実績を重ねている鍼灸院は決して多くありません。

前院長による努力の結晶です。

トップページの「検索」から病名や症状を入力していただくと、ブログにリンクするようになっています。

また、治療実績のページでは、診療科別に病気を検索できるようになっています。

ここに記載されている病名は、すべて当院で実績がありますのでご安心ください。

ご自分の病気に対する鍼灸治療についてお調べするのにぜひお役立てください。

https://www.n-acp.com/jisseki

秋の養生だより

お待たせしました!秋の養生だよりが完成しました!

秋を快適に過ごすコツ、裏面は楽しいコンテンツを集めました!

待合に設置してあるので、ぜひお手にとってご覧ください。

秋の花粉症に注意

秋の花粉症がそろそろ始まってきています。

主にブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどの秋の草木が原因となりアレルギー症状が起こります。

東洋医学の視点からは、秋は「肺」が影響を受けやすい季節であり、花粉症も肺の機能低下と関わりがあると考えられています。

養生法:花粉症の予防と対策

東洋医学に基づく養生法は、肺を養い、免疫力を高めることに重点を置きます。秋の花粉症対策として以下の方法が有効です。

1. 食養生

  • 白い食材を取り入れる
    東洋医学では、白い食材が肺を補うとされています。大根、レンコン、梨、豆腐などが肺を潤し、乾燥から守る働きがあります。
  • 潤いを与える食品
    ハチミツ、黒ごま、クコの実なども肺を潤す効果があり、乾燥による症状を緩和します。

2. ツボ療法

  • 合谷(ごうこく)
    手の甲にあるこのツボは、風邪を追い払う効果があり、くしゃみや鼻水の症状を和らげます。
  • 迎香(げいこう)
    鼻の両脇に位置するこのツボは、鼻詰まりや鼻の炎症を軽減します。
  • 肺兪(はいゆ)
    背中の肺に対応するツボで、肺の機能を高め、免疫力を向上させる効果があります。

またこれ以外にも、当院では行なっている「耳鍼(みみばり)」は花粉症に対して有効です。

お悩みの方はぜひ気軽にご相談くさださい。