陰陽と二進数:東洋哲学とデジタルの意外なつながり

「陰陽」という言葉、聞いたことありますか?

東洋医学では「寒い」「静か」などの性質が陰、

「熱い」「動く」などが陽とされ、

世の中はこの2つのバランスで成り立っていると考えます。

実はこれ、私たちが毎日使うスマホやパソコンの仕組みとそっくりなんです。

コンピュータは「0」と「1」だけを使って情報を処理していますが、

この「0=陰」「1=陽」と考えると、陰陽の世界観とつながります。

例えば、東洋の占いに使われる「易経(えききょう)」には、

「乾(けん)」☰(陽陽陽)=111、

「坤(こん)」☷(陰陰陰)=000という形があり、

まさにコンピュータのデータの組み合わせと同じです。

コンピュータは「0と1の組み合わせ」であらゆる情報を処理していますが、

日常生活でも、電気のスイッチは「オン(1)」「オフ(0)」、

太陽が「昇る(陽)」「沈む(陰)」といったように、私たちは自然と陰陽的な二択の世界で生きています

さらに、最先端の量子コンピュータでは「0と1を同時に持つ」という仕組みがあり、

これは陰陽が混ざる「太極(たいきょく)」の考え方と似ています。

こうして見ると、古代中国の哲学と現代のデジタル技術が不思議な形でつながっているのがわかります。

私たちの身近なコンピュータの仕組みも、実は何千年も前から考えられていた陰陽の法則と共通しているのかもしれません。

腎兪とCOPDの関係について

腎兪(じんゆ)は、腰に位置する重要なツボであり、特に喘息や肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状緩和に利用されることが多いです。

腎兪は第2腰椎棘突起の両側にあり、深部には腰方形筋という筋肉が存在します。

この腰方形筋は肋骨の動きに関与し、**呼吸をサポートする筋肉(呼吸補助筋)**の一部でもあります。

腎兪に鍼をすると以下のような効果が得られます

  • 肋骨の動きが改善され、肺の膨張がスムーズになる
  • 呼吸筋の緊張が和らぎ、呼吸が楽になる
  • 呼吸困難感や慢性的な咳の軽減

COPDの患者は長期間にわたり呼吸困難や慢性的な咳に悩まされることが多く、呼吸筋に大きな負担がかかっています。

疲労した呼吸筋に対して、腎兪などのツボへ鍼治療を行うことで、筋肉の緊張を緩和し、呼吸が楽になることがあります。

慢性的な呼吸器疾患に悩む方は、腎兪を含むツボへの鍼治療が有効なアプローチとなります。

高額療養費が引き上げ:自分でできる対処法は?

高額療養費の引き上げについて

高額療養費制度の自己負担額が引き上げられる見通しが話題になっています。

特に、がんや難病の治療費は非常に高額で、患者さんやそのご家族にとって経済的な負担が大きいのが現状です。

高額療養費制度は、こうした方々にとって治療を続けるための命綱とも言える重要な支えです。

しかし、この制度の引き上げによりさらなる負担増が予想される中、自分の健康を守り、医療費を減らす工夫として

「セルフメディケーション」の実践がますます重要になります。


セルフメディケーションをもっと積極的に

セルフメディケーションとは、生活習慣を整えたり、市販薬を上手に使ったりして、自分で健康管理をすることです。

ちょっとした体調不良の際には、すぐに医療機関を受診するのではなく、自分で対処できる方法を知っておくことが大切です。


具体的には:

  • バランスの良い食事と適度な運動で、日頃から健康を維持する
  • 市販薬を積極的に活用して、初期の症状に対応する
  • 必要に応じて、セルフケアに役立つ知識を学ぶ

さらに、健康に関することを「ちょっと相談できる人」を持つことも大事です。

健康に関する困りごとを気軽に話せる相手がいると、病院に行く前に冷静に判断できる場面も増えるかもしれません。


鍼灸師ができること

健康相談の相手として、鍼灸師を頼ってみるのもいいかもしれません。

鍼灸師は、鍼やお灸を使ったケアだけでなく、日常生活での健康管理のアドバイスも行っています。

  • 症状を和らげて通院や服薬の頻度を減らす
  • 初期の体調不良に対処する方法を教える
  • 体調を整えることで、病気の予防や健康維持をサポートする

私たち鍼灸師は、皆さんが健康でいられるよう、一緒に考えサポートする存在です!


まとめ

セルフメディケーションや鍼灸を上手に活用することで、医療費の負担を減らしながら健康を保つことができます。

健康管理の不安や疑問を抱えたときには、ぜひ鍼灸師にご相談ください。

一緒に健康で豊かな生活を目指していきましょう!

寒暖差に注意!

1月24日まで全国的に春のような暖かさが続きますが、25日から再び寒中の寒さが戻る予報が出ています。

また、27日から28日にかけては全国的に荒天が予想され、その後は西日本から強烈な寒波が襲来するとのこと。

こうした急激な寒暖差が身体に与える影響と、その対策について考えてみます!

暖かい日の影響

暖かい日が続くと、東洋医学でいうところの「陽気」が高まります。

そのため、冷えによる症状、例えば関節痛や神経痛などは一時的に寛解する傾向にあります。

一方で、陽気が高まることで「気」が上昇しやすくなり、花粉症や頭痛、目の症状が悪化する可能性があります。

春先の花粉症に悩まされる方は、この時期特に要注意!

寒の戻りとその影響

再び寒さが戻ると、暖かさによって開いた腠理(毛穴)から寒邪が侵入しやすくなります。

このため、感冒(風邪)、神経痛、ぎっくり腰、帯状疱疹などの症状が悪化する可能性大!

この時期は特に冷えの影響を受けやすく、免疫力の低下が気になるところ。

対策

寒暖差の激しい季節を健康に乗り越えるためには、以下の対策が有効です:

  • 防寒対策を徹底する 朝晩の外出時には、マフラーや厚めの靴下を着用し、首元や足元を冷やさないようにしましょう。これにより、寒邪の侵入を防ぎ、免疫力の低下を防ぐことができます。
  • お風呂で身体を温める 冷えで悪化する症状には、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かり、全身をしっかり温めることが効果的です。特に痛みのある部位については、お灸やカイロを使用してピンポイントで温めるとGOOD!
  • 生活習慣を整える 睡眠不足や過度なストレスは免疫力を低下させる要因になります。十分な休息をとり、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

早めのケアで寒暖差を乗り切りましょう!

アトピー性皮膚炎による手のかゆみ:刺絡のすばらしい効果

今回は、慢性的なアトピー性皮膚炎に悩む60代女性患者さんの症例です。
この患者様は、長年ステロイドと抗アレルギー薬を服用しながら症状を管理していました。
しかし、2024年11月頃より症状が悪化し、特に両手のかゆみで夜間の睡眠が妨げられる状態になりました。


症状の背景と西洋医学的アプローチ

皮膚科での診察では、新たにデュピクセント(デュピルマブ)を勧められました。

デュピクセントはアトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤で、IL-4およびIL-13という炎症性サイトカインを抑制することで炎症を軽減する薬です。

しかし、副作用への懸念もあり、鍼灸治療を希望され来院されました。

東洋医学的見立て

東洋医学的には、この患者様の状態を”血熱”と考えました。

血熱とは、血液に熱がこもることでかゆみや炎症を引き起こす状態のこと。

特に両手に熱感があり、かゆみが強いため、この血熱を取り除くことを目標にしました。

治療経過

3診目に、 両手の井穴に刺絡を数カ所行いました。

刺絡は東洋医学における出血療法の一つで、熱や滞りを取り除く治療です。

4診目、 刺絡の効果が顕著に現れ、両手のかゆみが劇的に軽減しました。また、手の熱感も大幅に減少しました。

5診目、 両手のかゆみはほぼ消失。患者様は夜間の睡眠が回復し、日常生活におけるストレスも軽減されました。

初診時

5診目

考察

今回のケースでは、井穴刺絡がアトピー性皮膚炎による両手のかゆみ改善に有効でした。

完全な寛解には至っていないものの、患者様のQOL(生活の質)は大幅に向上しました。

また、刺絡はアトピー性皮膚炎以外にも、主婦湿疹、汗疱性湿疹、掌蹠膿疱症など、

手に関連する湿疹に対しても効果的な場合があります。

アトピー性皮膚炎、や手湿疹にお困りのかたは一度ご相談ください。

今年の鍼灸学会で発表します

毎年一度開催される、全国の鍼灸師が一堂に会する最大規模の学術大会が、今年は愛知県で行われます。

わたしは全日本鍼灸学会の会員であり、学会が認定する「認定鍼灸師」を持っています。

認定鍼灸師には、5年に1度の資格更新が必要となります。

更新には、学会参加、研修会の出席、レポート提出などなど…

さまざまあるのでコツコツ準備しておかなければいけません。

もちろん学会出席・学会発表は単位が大きいのでなんとしてもGETしたいところ。

今年の鍼灸学会は地元開催ということもあり、わたしも学会発表を頑張ろうと思います!

今日が抄録の締め切り期限、なんとか提出完了しました。

「圧迫骨折と医療連携」に関する発表を予定しています。

今年はスタッフみんなで学会参加しようと思います!

麻黄湯がインフルエンザに有効

2025年のインフルエンザはA型が中心に流行しており、過去最大の規模で拡大しているようです。

インフルエンザは、早めに治療を開始することが重要ですが、医療機関のひっ迫や、検査キットの不足など、

適切に治療が行えない場合もあります。

麻黄湯は東洋医学で「発熱、悪寒、頭痛、汗が出ない」などの風邪症状に効く漢方薬で、体力が充実している方に適しています。

じつは、麻黄湯は、西洋医学の研究でもインフルエンザウイルスの増殖を抑制する効果がわかっています。

特に、抗ウイルス薬を使用できない場合の補助治療として有効です。

汗が出るまでしっかり水分を摂取しつつ、麻黄湯を飲むと、辛い症状が緩和することもあります。

ただし、高血圧や妊婦、虚弱体質の方には慎重な使用が求めれるので、

ご心配な方は、お近くの薬局やかかりつけ医に相談してみてください。

また、鍼灸治療でも免疫を調整する効果により、長引く風邪の症状の緩和や、予防に有効です。

新年のごあいさつ:本日より診療開始しました!

新年明けましておめでとうございます。

いつも長岡治療院をご利用いただきありがとうございます。

本日より、2025年の診療がスタートしました。

今日の予約はいっぱいだったのですが、やはりインフルの猛威が影響し、体調を崩される患者様が多くいらっしゃいました。

時節柄、体調管理にはくれぐれもお気をつけください。

スタッフはみんな元気いっぱいで出勤しています!

今年は、新たな予約システムの導入、フタッフ教育の充実、往診事業の拡大など….

よりパワーアップを目指して頑張りたいと思います。

今年も長岡治療院をどうぞよろしくお願いいたします。

顔面神経麻痺(ベル麻痺)が治癒!!

今回は、鍼灸治療と薬物療法の併用により、早期に顔面神経麻痺(ベル麻痺)が改善した症例をご報告します。

症例:60代 男性

症状は右の顔面神経麻痺でした。

11月中旬、朝起きたら右顔の動きが悪いことに気づき、歯磨きで口から水がこぼれる症状があったため、

近くの脳神経外科を受診。MRIでは異常なく、ベル麻痺の診断。

抗ウイルス薬の内服と、ステロイドの点滴を6回行うことになりました。

しかし、治療してもよくなる傾向がないため、当院を受診されました。


40点満点の柳原法(麻痺の評価法)では22点とやや高度の麻痺があり。

右顔面部には熱感あり、衝陽など胃経にも熱の反応。

東洋医学的には風熱による痺証と判断。

まずは、翳風、下関、衝陽、外関に置鍼。

2診目には、翳風-下関を電気鍼で刺激したところ表情筋に収縮がみられたため、予後良好と判断。

5診目から顕著に症状が改善し、柳原法22点から26点に改善。

睡眠の質がよくなり、顎関節症も改善しました。

7診目には顔面麻痺はほぼ改善。柳原法は40点と治癒しました。


11月末に行ったENoG(Electroneurography)では50%でしたので、1ヶ月以内に治癒が見込まれる予後のよい症例でした。

実際に、鍼灸治療においても急速に症状が改善し、後遺症なく治癒することができました。

急性期のベル麻痺は早期に治療を介入することで治癒が見込めます。

慢性期では治療内容がことなりますので、症例にあわせて最適な治療を提供いたします。

顔面神経麻痺でお悩みのかたは一度ご相談ください。

年末年始の診療ご案内

12/29(日)〜1/5(日)までは休診日となります。

この間、メールでのお問い合わせ(病気のご相談)や、ご予約は承れませんのでご了承ください。