呼吸と心その2

心を鎮める呼吸

基本は腹式呼吸が望ましい

臍下丹田に気を収めるように意識して呼吸する

氣を臍下に収めておけば

議論しても怒りで冷静を失うことなく

貴人の前でもあがることなく

スポーツをする時にも実力を発揮できる

道士が気を養い

修行者が坐禅するのも

みなこの気を臍下に収め

本来の元気をじゅうぶんに活かすためなのである

呼吸と心

【安定した呼吸とは】

「氣息」というという言葉がある

「氣息」とは息遣い、呼吸そのもののこと

氣の動きは呼吸の影響を大きく受ける

風という大地の「氣息」の変化で”天氣”も変わるように

人の”氣持ち”も息に表れる

「息」という字は「自」の「心」と書く

「自」は鼻を正面から見た象形文字

つまり心が鼻からの息に表れてしまうことを意味している

自然の風は人には制御できないが

息は自分で制御できるものである

不断は自律神経に任せてばかりの呼吸だが

心のままに息も青色吐息になるのではなく

むしろ息のほうから心をコントロールできないか

お釈迦様はとにかく呼吸を意識せよとおしゃったし

荘子は意識して踵で呼吸していたという

深く静かな呼吸をすることで

心も安らかに整えることができるということ

気の動きと呼吸について

≪七情や寒熱における気の動きについて≫

怒れば気は昇り

喜べば気が緩み

悲しめば気が消える

恐れると気は巡らず

寒ければ気は塞ぎ

暑ければ気は泄れる

驚けば気は乱れ

労すれば気は消耗し

思えば気は結ばれる

いかにも複雑微妙に心の在り方に従って気は変化する

そして気の変化とともに呼吸も変化する

心の在り方で安定した深い呼吸ができなくなるのだ

とあらば安定した呼吸を心がけることで

七情の気の乱れを整えることができるとも云える

次回に続く

寿命についてその3

貝原益軒の「養生訓」には

「長寿ならんも短命ならんも、我が心のままなり」と云う

ここでの心とは心がけのこと

わが身を損なうものは”七情”である

怒り

憂い

悲しみ

恐れ

驚き

喜び

思い

これら七情が”過ぎる”と気血を消耗し

五臓のアンバランスを生じる

何事もほどほどがよろしいようだ

寿命についてその2

全国の100歳以上の高齢者は昨年度5万8820人(厚労省H26年度調査)

50年前と比較すると300倍も増加しているのだ!

貝原益軒氏は「養生訓」のなかで

人の命は自分の心がけによって決まるのであって

天のせいではない

老子もそういっているといる

ちなみに老子は中国の春秋時代

160歳あるいは200余歳までも生きたとされ

道教の始祖とされる人物である(真偽はともかく)

以下続く

ことが12日敬老の日」を前にした厚生労働省の調査で分かった。女性が87.1%を占め、初めて5万人を超えた。前年から4423人増え、44年連続の増加

寿命について

ひとの寿命は何故か生まれつき決まっていて

変更の利かないものだと思い込んでいる人がいる

しかし、これは大きな誤解である

「寿命」とは死んでしまった場合にそれを納得するための言葉であり

考え方であって、決して未来が決まっているというのではない

以下明日に続く

言葉の力で患者を癒す医師

今朝のNHKで共感した番組

北海道・南富良野町にある小さな診療所で

2週間に一度自分で筆を持ち

2千以上の詩をつくり言葉の力で患者を癒やす医師がいる

「嬉しく楽しい時よりも、悲しく辛い時にこそ、人生一つ深まってゆく」

作者は、診療所の医師、下田憲さん67歳

これまで2千以上の詩をつむいできた

地域のかかりつけ医として下田さんが、心がけているのは

どんな時も患者の心に寄り添うことだ

詩は、そんな下田さんが患者に接する中で生まれ

待合室にいつも掲示してあり

患者さんのココロを解きほぐし癒してくれる素晴らしい言葉が並んでいる

こんな医療人になりたいと思わせる真心あふれる医師だった

アットホームな

陰陽と寒熱

≪黄帝内経・素問≫逆調論編 第三四 第一章

黄帝問うて曰く

人の体はいつも温かなわけではない

いつも熱いわけではない

冷たいときも熱いときもある

それがいつも熱くて胸苦しいことがあるのは何故か

岐伯答えて曰く

この人は(体質的に)陰気が少なくて陽気が多いのである

そこで熱がって胸苦しくなるのである

「注釈」 

人には寒がりの人と熱がりの人がいる

それは陰陽のバランスが悪くいずれかに偏っているから

陰は内臓を支配し、エネルギーを生産する

陽は皮膚・筋肉を支配し、エネルギーを消費して

運動・知覚・精神活動などを行う

この時熱を発生する

故に陽気の多い人は熱がりになる

陰気の多い人は熱の産生が少なく寒がりになる

問診について

当院では北辰会カルテを用いており

初診患者さんにはカルテに基づいて

ほぼ一時間程度の問診をさせていただく

但し、患者さんの状態によっては

時間を短く簡潔にし患者さんに負担を与えないようにする判断も必要

慢性疾患の場合は殆どの患者さんから

ここまで詳しい問診をされたことがないと驚かれ

真摯に患者さんに向き合っていることを理解していただいている

信頼関係を築く上で最も重要な診察が問診なのである

患者さんにはどうぞご理解とご協力をお願いします

小児重症筋無力症寛解

2才男の子

重症筋無力症(眼筋型)を一年前に発症

プレドニン5㎎、メスチノン40㎎を処方されている

眼瞼下垂と外斜視が主症状

腎虚証・肝気鬱滞と診たて

小児鍼を始めて初回より良好な反応を示す

数回の施術で眼瞼下垂、外斜視は寛解

今後の目標はプレドニンの中止→メスチノンの減薬

2才という年齢を考えると完治を目指していきたい