大いなる母性

老子の言葉

何か混沌として混じり合ったモノが宇宙の始まりに存在した

それは、天地が始まる以前から存在している

それは、静寂として独自に存在しており

新しく変わるということもなく

遍くすべてに浸透して存在している

それは、この世界を生み出した大いなる「母」と呼ぶべき存在

しかし私たちはその正体を知ることができない

だから私はこの存在を「道」と名づける

この大いなる存在は、どこまでも拡大していく

拡大していけばどこまでも遠くに達っする

そして、本当の遥か遠くに達しきれば、また縮小して戻ってくる

だから、道は大である

天も大でもある

地も大であり、人間も大である

この世には四つの大きな存在がある

人間もその重要な一つを占めている

人間は大地に沿って存在し

大地は天に沿って存在し

その天は道(大いなる母性)に沿っている

道(大いなる母性)は自然のあるがままに沿って存在している

[解釈]

二千五百年前に生きた老子が、現代宇宙物理学における宇宙誕生の仮設

「ビッグバン」を描写して説明していることは驚嘆するしかない

つまり、現代に生まれた人間にしか老子の言っている内容は理解できなかった

「無限に拡大して、達しきれば縮小に転ずる」

 陰陽論の原点がそこにある

「陽極まれば陰に転じ」「陰極まれば陽に転ずる」

この東洋医学の基本原則がそこには書かれている

老子の思想と東洋医学は深いつながりを持っている

合谷一本の効果

40代男性

主訴:1年前から左肩関節痛、頸部痛、両側手指DIP関節痛・手指知覚過敏

   問診中に椅子に座っているのが苦痛なほど頸部痛、肩関節痛は酷く

   手指はこわばり握ることができない、肩関節は上に挙げられない

   総合病院を転々とし、他で鍼灸治療を受けるも変化なく悪化するので

   心配された会社の社長が知人の紹介で車に乗せて来院

   ご自分で車の運転が全くできない状態

   1時間の問診と詳細な体表観察により

弁証:気滞血瘀・陽明大腸経の経気不利

処置:左合谷に3番鍼で15分置鍼、ベッドで15分休憩

経過:治療後には一年間毎日続いていた酷い痛みが、驚くことにほぼすべて消失

   手指の知覚過敏消失、手を握ることが可能、肩関節可動域正常、頸部痛消失

   第2診の今日も経過はよくご自分で車を運転して来院された

   患者さん、同伴者、担当した小生を含め誰もが目を見張る回復を示し

   たった一本の鍼の効果、北辰会式体表観察の素晴らしさに改めて敬服した症例

   

                           

愛西市健康祭りボランティア

昨日は愛西市健康まつりの東洋医学コーナーでボランティア治療

愛専会会員9名のスタッフで170数名の来場者で大盛況だった

地元の先生のご尽力で毎年恒例の行事となり7年目

ウチのスタッフ2名は3回目の参加となっった

脈診・舌診・数分間の問診で一本の鍼で

その場で痛みや愁訴を改善させるという

応急処置のトレーニングになった

形成陰茎硬化症早期治癒

40代男性

半年前に急性前立腺炎発症

抗生剤などで治癒したが

陰茎の先端は常に赤く腫れて

ピリピリした痛みが間歇的に感じるという

電話での相談を受け診させていただくことになった

西洋医学的には形成陰茎硬化症の疑いとの診断で

すぐには治らないとも言われて

新婚さんでもありかなり深刻な様子

仕事でかなりストレスフルな状態とみた

弁証は肝経鬱熱

8番鍼で右蠡溝(実側)に30分置鍼

3診目で陰茎先端の発赤を伴う腫れの範囲が縮小

痛みの頻度も少なくなった

4診目の今日で主訴は消失

夫婦生活も可能になって治癒とした

蠡溝(れいこう)は足厥陰肝経の流中が全部生殖器に関与しているので

陰部に関わる疾患を治す非常に重要な穴処である

※藤本連風先生著経穴解説より引用

半年間続いた陰茎の腫れと痛みが早期治癒に至った症例

不安神経症治癒

20代女性

主訴:常に不安感が強く、眠れない、抜け毛が多い

心療内科では不安神経症と言われ

抗不安薬や漢方薬を処方されるも変化なく当院受診

弁証は心肝不和

処置は主に心兪穴に鍼と施灸で心神の安定を図った

初診時より寝つきが良くなり

8診目頃から調子が良くなり気持ちが前向きに変化

16診目の今日で治癒とした

健康管理として継続を希望されたがすっかり不安感は消失し

睡眠もよく食欲もあってすこぶる元気

途中で抗不安薬と漢方薬はご自分で中止された

薬だけでは治らないのが不安神経症

鍼灸治療で根治ができる疾患だ

尿管結石治癒

40代女性

今まで感じたことのない腰の激痛で救急車で搬送され

尿管結石で腎臓が腫れているとの診断

体外衝撃波結石破砕治療「ESWL」が治療の第一選択

患側の腎兪付近の鈍痛を訴える

患側章門穴に8番鍼で横刺20分置鍼

腎兪の鈍痛が徐々に消えていき

2週間後の体外衝撃波結石破砕治療の予約日

腎臓の腫れは引き、尿管結石は消失していた

担当医師は首をひねって

「石がなくなっているねー」と不思議がっていたとのこと

章門穴は気滞によって形成された邪気を散らすことができる

※藤本連風先生著「経穴解説」より抜粋

医療連携

開業鍼灸師と医師との医療連携は不可欠の時代

レントゲンやMRI検査の依頼

重篤な内科疾患が疑われる場合の医師への紹介

西洋医学による投薬と並行した鍼灸治療

医師・歯科医師からの患者さんの紹介

患者さんにとってベストの選択ができるように

サポートすることが我々の大切な役割でもある

[当院と医療連携ができる医療機関一覧]

名古屋大学附属病院総合診療科

野々村クリニック(脳神経外科・MRI検査)

葉山歯科医院・小松矯正科(噛み合せのチェックとスプリント治療)

江崎外科(レントゲン検査)

安江内科クリニック(胃十二指腸内視鏡検査)

クリニックそれいゆ(甲状腺機能検査)

本山クリニック藤原内科(漢方薬の処方依頼)

相曳の鍼

北辰会方式で使う打診の技術に

相曳の鍼がある

腹診で深在の邪を認めた際に

銀の提鍼を深在の邪に当てて

呼吸に合わせて邪を浮かせる技

症例:卵巣嚢腫摘出後の腹腔内癒着によるひきつるような下腹部痛

無理をして疲れると発症するが

相曳の鍼で即効的にひきつる痛みは消失する

北辰会の夏季研修会で学ばせた頂いた技術

気滞血瘀のモートン病

モートン病とは

足の第3-4足趾間(第3趾と4趾の向かい合う側)のしびれ、

疼痛、灼熱痛などの多彩な神経症状が出現する疾患

足趾の骨折がきっかけで発症した40代の女性の患者さん

患側の足趾は底屈・背屈とも痛みが強く

足趾は色素沈着で黒ずみ、爪は白く色抜け

足の冷えは(+++)

詳細な体表観察のうえで

気滞血瘀と診たて

患側に足臨泣に1番鍼で置鍼し赤外線で足を温めた

直後に4か月続いた歩行痛は殆ど消失した

足趾の底屈。背屈痛も消失

患者さんはエーと声を上げ

たった一本の鍼治療による劇的な変化におおいに喜ぶ

小趾基節骨骨折の不適切なシーネ固定によって

足趾のアライメントが歪み、気滞血瘀に至った症例

気逆に神門穴

K先生の症例

耳の神門穴に0.3㎜のパイオネックスを貼ると

気逆あるいは肝火上炎によるのぼせや不眠にとてもよく効く

ピンポイントで神門穴の圧痛を求め

パイオネックスを片耳に貼り、週に一度張り替える

気逆や肝火上炎は降気清熱の処置で通常寛解するが

少しのことで”イライラしやすい気質”の人には

耳の神門穴への鍼の添付で効果が持続することが解ってきた

イライラすることはエネルギーの浪費

百害あって一利なしだ

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