新型コロナウイルスの正しい情報

現在、日本でも新型コロナウイルスが流行していることはすでに周知の事実だと思います。
 
しかし、ネットやSNSでは間違った情報が錯綜しており、正しい情報を吟味するのは
 
感染症や医学知識の無い人は、むずかしいかもしれません。
 
 
僕も個人的にSNSをよく利用していますが、科学的根拠のない情報や、
 
感情論で他人を攻撃して、自分の意見を押し通す人間もいるようです。
 
 
そこで、信頼できる情報源や、感染症専門医が情報発信しているサイトをいくつかピックアップします。
 
 
【厚生労働省】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
まずこのサイトを見てください。
毎日、政府の感染対策の動きが更新されているので、随時チェックしておくことをおすすめします。
 
 
【COVIDと対峙するために日本社会が変わるべきこと】

神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎先生が書かれているブログです。
COVID(新型コロナウイルス)への最善の予防策、取るべき行動が書かれています。
 
 
【新型コロナウイルスに我々はどう退治すべきなのか】
https://www.med.tohoku.ac.jp/feature/pages/topics_214.html
東北大学大学院のTpicsに掲載されているコラムです。
日本の対応の問題点や、今後取るべき政策について詳しくまとめられています。
 
 

ラムゼイハント症候群経過良好

院長症例

50代女性

主訴:顔面神経麻痺と眼痛、頭痛

5週前に主訴発症、救急搬送され大学病院でラムゼイハント症候群の診断

来院前まで毎日ロキソニン内服

弁証:陽明胃経経気不利

処置:患側の衝陽に10分間置鍼

2診目以降眼痛、頭痛軽減しロキソニン不要になる

顔面神経麻痺の評価法、柳原法で現在32点(38点以上は正常)

西洋医学では難治のこの疾患、完全治癒を目指している

新型コロナウイルスについての行動指針

facebookでの高山先生のフィードをブログにもシェアします。
 

「いつもの風邪と同じだと感じておられるなら、いつもの風邪のように行動してください。あわてて救急を受診したり、原因ウイルスの種類を知る必要もありません。水分をしっかりとりながら、ゆっくり自宅で休んでいてください。」このことを住民に分かりや…

高山義浩さんの投稿 2020年2月12日水曜日

 
 
 
「いつもの風邪と同じだと感じておられるなら、いつもの風邪のように行動してください。
 
あわてて救急を受診したり、原因ウイルスの種類を知る必要もありません。
 
水分をしっかりとりながら、ゆっくり自宅で休んでいてください。」
 
このことを住民に分かりやすく伝えることができるか・・・、
 
 
これが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行期における分水嶺となるでしょう。
 
重症者のみならず、軽症者や家族までもが医療機関に殺到すれば、そこで感染してしまうリスクも高まります。
 
いわば、武漢の二の舞ですね。
 
医療現場で使える診断キットが開発されることは、必ずしも朗報ではありません。
 
確定診断を求める患者が集まり、あるいは非感染や治癒証明を求める患者たちを集めてしまうマグネット効果があるからです。
 
そして、検査結果が出るまでのあいだに、待合室で感染を広げるかもしれません。
 
診断キットがあることによって医療機関は過密になり、院内感染のリスクも高まることでしょう。
 
そもそも、インフルエンザのような特異的な治療薬もないわけですから、あえて受診する理由などなかったはずです。
 
むしろ、高齢者や持病のある人を守るためにも、救急医療の機能を保つことに協力していただければと思います。
 
 
もちろん、息苦しさや高熱など、いつもの風邪とは違うと感じたときには、迷わずに病院を受診するようにしてください。
 
診断キットの意義があるとすれば、こうした重症者のなかから新型コロナウイルス感染を見抜いて、
 
カレトラなどの重症者向けの治療薬を選択することにあるのです。
 
このあたりのこと、理解できている政策決定者が少ないような気がします。
 
 
地域における医療者の説明能力が問われていますね。

イギリスの家庭医制度について

https://gedokunosusume.com/2015/01/19/uk-medical-system-and-mental-health/より転載
 
 
イギリスではプライマリ・ケアを基盤とした医療システムが確立されています。
 
プライマリ・ケアとは・・?
https://ameblo.jp/n-harikyu/entry-12510995997.html
 
 
 
健康に関する問題の約90%は病院ではなく、
 
General Practitionar(GP)と呼ばれる地域の家庭医が対応しています。
 
国民ひとりひとりに地域の家庭医が登録されるシステムがとられます。
 
これにより、健康上の問題が起こった場合はまず家庭医に相談し、
 
家庭医が精密検査が必要と判断した場合のみ2次医療に繋げるため、
 
過剰な検査や投薬が避けられ、医療費が削減されます。
 
 
対して、日本の医療はフリーアクセスなので
 
患者が病院を選ぶことができる反面、ドクターショッピングが増え
 
不必要な検査や投薬が医療費の増大に影響しています。
 
 
イギリスでは原則、医療費の自己負担額はゼロです。
 
処方は1つの薬剤で約8ポンド(約1100円)かかるので、
 
薬局で同じ効能の薬を約1ポンドで買ったほうが安く済みます。
 
 
日本では、薬局の薬は高いので、医療機関を受診して処方箋をもらったほうが
 
安くて、薬効の高い薬がもらえるので、イギリスとは真逆なのですね。
 
つづく・・・
 

「あなたの一番の困りごとはなんですか?」

鍼灸OSAKA;: Vol35. No.3; p.107より転載 
 
 
鍼灸OSAKAという鍼灸専門雑誌で、大学の恩師の和辻教授と、以前ご紹介した寺澤Dr.の対談が掲載されていました。
 
内容は、「問診と患者中心の医療」について。
 
日頃から大切だな〜と感じて、実践していることのひとつです。
 
「患者中心の医療」について症例を踏まえて紹介したいと思います。(健忘録的な内容です。)
 
 
先日、「長時間座っていると尾てい骨が痛くなる」と訴え当院を受診された方がいました。
 
お話を伺うと、その症状について友人に話していたら「それだったら、長岡治療院に行きなさい!」
 
と紹介され、「じゃあ鍼灸治療を受けてみようかな・・・」といった経緯で来院。
 
 
しかし、この患者さんからは、「なんとしてもこの症状を改善してほしい!」
 
という雰囲気を感じませんでした。
 
そこで、「尾てい骨の痛み以外に、なにか困っていることはありませんか?」と尋ねると
 
・・・・5秒ほど沈黙し、
 
「実は、三ヶ月まえに旅行先で足をくじいて、骨折してしまったことがとてもショックで・・・」
 
問診では、骨折の既往ついては触れられていましたが、それ以上は聴取していませんでした。
 
「骨折してからは、あまり動く気になれなくてほとんど外には出られなかったです。」
 
「もう少し足が思いどうりに動くようになればなぁ・・・」とのこと。
 
 
これが何を意味しているか。それは「主訴=来院理由」ではないということです。
 
たまたま尾てい骨の痛みが来院のきかっけになったかもしれませんが、実は患者さんが本当に困っていたのは
 
「骨折により足が思うように動かなくて辛い」ことでした。
 
僕がこの方に「尾骨の痛み」を優先して治療していいたら、おそらく患者さんは来なくなっていたでしょう。
 
 
このプロセスは「患者中心の医療」と呼ばれ、患者-医療者間の信頼関係を構築する上で非常に重要です。
 
つまり、鍼灸師と患者の間で「なにが問題なのか」「目標やゴールはどこか」「ゴールに到達するには何ができるか」
 
についてよく話し合って、共通認識を持つことが必要なのです。
 
 
 
つづく・・・

NHKの影響力はすごい!

https://www4.nhk.or.jp/toyoigaku-honto/より転載
 
 
 
先日、NHKで東洋医学の特集番組「東洋医学ホントのチカラ」が放送されました。
 
 
翌日、患者さんから「NHKで鍼やってましたよ!」と反響の声。
 
新患の電話予約はいつもより増えている印象。
 
 
やはり、NHKの影響力は偉大ですね。
 
 
以前、この番組のディレクターが鍼灸学会のパネルディスカッションに登壇し、
 
東洋医学への熱い想いを語られていました。
 
今後も、東洋医学に関する特集が放送されると思います。
 
 
 
日本における鍼灸の受療率は5~6%と言われています。
 
鍼灸がメディアで取り上げられる機会が増えるのはいいことですが、
 
あくまで一時的なブームのようなもの。
 
 
日本の医療に鍼灸が定着して、根付いていくためには
 
鍼灸師の積極的で、外向的な活動が必要でしょう。

腹痛・食欲不振・便秘の症例

腹痛、食欲不振、便秘などの機能性消化管障害に対して、
 
鍼灸治療が有効だった症例を紹介します。
 
 
症例 70代 女性
 
1年前ごろから徐々に胃腸の不調が強くなる。
 
内科で検査をうけるも、原因を特定できる疾患は見つからず。
 
食欲が低下してきて、半年で体重が10kg減。
 
現在の症状として、お腹の張り、すぐにお腹いっぱいになる、
 
便秘、排便すると楽になる腹痛、食欲不振がありました。
 
 
機能性消化管障害について その1
https://ameblo.jp/n-harikyu/entry-12571552169.html?frm_src=thumb_module
 
これらの症状から、患者さんは機能性ディスペプシアと、過敏性腸症候群の2つが併存している状態でした。
 
 
治療は、合谷、足三里を基本穴として
 
理気、健脾、活血化瘀など中医学的に見立てて、配穴しました。
 
 
経過
 
3診目で食欲がでてくる、お腹の張り、胃痛、便秘は変わらず。
 
6〜8診目、排便回数が増えて、硬かった便が柔らかくなってくる。
 
9診目 活動量が増えてお腹の痛みが気にならなくなるように。
 
11診目 今までは腹痛が起きるとロキソニンを服用していたが、服薬なしでもダイジョブ。
 
 
現在も通院中で、非常に経過は良好です。
 
 
 
食欲がでて、「美味しく食べられた!」ということが好循環になり、
 
排便、腹痛、お腹の張りなども徐々に軽減したと考えます。
 
 

 

機能性消化管障害について その2

機能性消化管障害は、
 
「腹痛、下痢、腹部膨満感などの消化器症状があるにもかかわらず、
 
原因になる疾患が見つからない症候群」の総称です。
 
代表的なのは、機能性ディスペプシア(FD)や過敏性腸症候群(IBS)です。
 
一般的な健康成人のなかに占める割合は10~15%と言われており、
 
とても身近な病気ですので、長いあいだ消化器系の不調に悩まされている方は少なくありません。
 
 
また、機能性ディスペプシア(FD)や過敏性腸症候群(IBS)は併発しやすく
 
患者さんのQOL(生活の質)を大きく低下させる原因になります。
 
 
 
次回は、機能性ディスペプシア(FD)や過敏性腸症候群(IBS)を併発している
 
患者さんの症例を紹介します。
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

アレルギー性皮膚炎著効!

院長症例

30代女性

時々突発的に顔が真っ赤に腫れ上がる

海外旅行中にアナフィラキシー発症し顔がパンパンに真っ赤になり腫れ

現地の病院に入院、抗ヒスタミン剤点滴するも無効

帰国後大病院にて精査中

肝腎陰虚と診たて右照海置鍼20分

百会少商から刺絡

処置後その日のうちに顔の腫れと発赤消失

もともととてもきれいな肌の方で

本日来院時には美肌を取り戻す

西洋医学的には今までアレルギー性皮膚炎といわれていたが

現在再度精査中

今後は疲れが溜まらないように鍼で予防が重要

機能性消化管障害について その1

機能性消化管障害(以下FGID)とは・・・?
 
簡単に言うと、消化器症状(胃もたれ、腹部膨満感、心窩部痛、便秘、下痢)などが
 
続いているにも関わらず、「症状を説明できる原因が見つからない」症候群のこと。
 
 
FGIDの代表的な疾患として、「過敏性腸症候群」や「機能性ディスペプシア」があります。
 
 
 
過敏性腸症候群と機能性ディスペプシアの違い
 
 
過敏性腸症候群の症状は「排便で軽快する腹痛や腹部不快感」が特徴です。
 
20〜40代の若い女性に多いと言われています。
 
一方、機能性ディスペプシアは「食後の胃もたれ、心窩部痛、早期腹満感」が、
 
「排便や放屁で軽減しない。」という特徴があります。
 
 
この両者の共通点は、「脳と腸がお互いに関係しあっている」ということです。
つまり、強いストレスがかかると、自律神経やホルモンを介して消化管が反応して様々な症状を引き起こす。
 
ということです。
 
これを「脳腸相関」といって、FGIDの大きな原因のひとつと考えられています。
 

 
http://nochosokan.jp/brain.htmlより転載
 
 
つづく・・・