ことばは絶対ではない

「道」は本来無限定なものである

したがって、ことば=概念による区分も、一時的なものに過ぎない

にもかかわらず、ことばを絶対視するからこそ

事物を差別と対立の相においてのみ捉えることになるので

例えば「左」ということば=概念に対しては「右」という対立概念が生まれる

こういった相対的な分類に基づいて「秩序」と「等級」が形成され

「差別」と「紛争」をもたらした

これこそ人間が知によって得た八つのものなのである

だからこそ聖人はいっさいの現象をあるがままにまかせて論じようとしない

一般の人びとは、ことばを絶対視してたがいに是非を争いあう

つまり、ことばを絶対視し、是非を論じるのは

「道」を理解していない証拠なのである

≪荘子より抜粋≫

天枢の効果

先日名古屋駅で遭遇したN700系のドクターイエロー

慢性化した三叉神経痛に対して

患側の天枢穴に25分置鍼

激しい疼痛が消失して経過良好

臍(へそ)周囲のツボの反応を良く調べることで

空間的歪を整えることができるのだ

痛みとココロ

病の根本原因を探るために

患者さんの心理社会的背景を把握することは重要

生育環境、家庭環境、家族構成、夫婦関係、親子関係

会社員であれば、社内での人間関係等々

初診の問診で聴取できず

話して頂ける時期まで不明な事もよくある

しかし、経験を積めば体表観察と直感で

心理社会低背景の問題がありそうであるかを

読み取ることができるようになる

初診時にプライバシーにかかわる内容を

いきなり聞き取る必要はない

訴える痛みの裏側には自分で気づかない問題が潜んでいることは実は多い

第41回伝統鍼灸学会

京都洛西の地で第41回伝統鍼灸学会学術大会が開催され

スタッフ等5人で参加してきた

総括すると、西洋医学寄りの鍼灸治療ではない

伝統医学としての鍼灸治療にフォーカスされた

学会としての魅力を感じた

北辰会の存在はこの学会にとても大きな刺激になっている

経絡治療中心であった伝統医学に北辰会(中医学)が加わり

日本伝統鍼灸におけるグローバルスタンダードを

将来海外に発信することは

この学会の重要な役割であるはずだ

頚椎後縦靭帯骨化症

頚椎後縦靭帯骨化症

手術後の後遺症に悩んでいた患者さんより

治療効果に対してお慶びの声を頂いたので掲載させていただく

■頚椎後縦靭帯骨化症、頚椎損傷
64歳 男性
 七年前、スキーで滑走中に発症、四肢麻痺となり、停止出来ずに上り斜面で停止転倒、山麓の病院へ搬送された後、自宅近くの病院へ転院、症状進行防止措置としてセラミックのくさびを入れる手術を受け退院しました。
 
 手術は成功し、骨化症の進行は抑えられ、四肢麻痺は回避されましたが、頚椎が傷ついたことによる症状は治ること無く、全体に機能障害と知覚異常が残りました。

リハビリも受けられなくなり、ハリ治療等を検討していたある日、勤務先のフェンス下の雑草を刈り込み挟みで刈っていたところ、右腕が動かなくなりました。
 勤務先の郵便受けに入っていたミニコミ誌に検討中だった長岡治療院が掲載されており、すぐ電話をし、ハリ治療を受け始めました。
 右手は数回のハリ治療で動くようになり、他の症状にも効果ありと判断し、6年が経ちました。

 退院直後は、ナイフ・フォークはもちろん、箸も満足に使えず、食事も苦労しました。現在、痛みもあり指先の感覚は鈍いのですが、右手は普通に動かすことが出来、箸は若者より器用に使えるようになりました。

 便秘にも苦労しました。退院時に「この病気の人にはかなりの確率で排便・排尿障害が残ります。」と言われました。厚着をすると和式では排尿が出来ず、大は洗浄便座でなければ出来ません。外出には大変苦労しましたが、ハリ治療(特に木槌による打鍼)の効果でこのところ、快便で外出が気楽です。

 バスを降りて勤務先までの数百メートルが、足裏に激痛を感じて途中で休憩しないとたどり着けませんでしたが、痛み感覚が緩和し、現在は数時間歩き続けることが出来る様になりました。

 症状が良くなって欲が出てきて、今はフルマラソンを完走することが夢です。

脊髄の術後の後遺症で苦しんでいる方に朗報だ

古(いにしえ)の人

大古の人こそ、最高の知の所有者といえるのではなかろうか

なぜならば、かれらは自然そのままの存在であり

彼らの意識は主客未分化の、いわば混沌状態だったと考えられるからである

この混沌こそ、もっとも望ましい在り方なのではないか

時代が下ると、人びとは自己を取り巻く世界を意識しはじめた

こうして認識作用が生まれたが、客体としての事物に区別は立てなかった

さらに時代が下ると人びとは事物の区別を意識するようになったが

まだ価値概念は発生しなかった

しかし、やがて価値概念が発生するや「道」は虧なわれた

そして「道」が虧なわれると同時に、人間の”執着心”が成ったのである

≪荘子≫より抜粋

http://www.,n-acp.com

失声症への治療

鍼治療の可能性をまた患者さんを通して教えられた

20代♀

失声症に百会に20分置鍼しはじめてから

言葉が連続して発生できるようになった

まだ途切れることはあるが

数回の治療で難治性の失声症が改善し始めた

治癒を目指して患者さんの希望の光も見えて

少数鍼の力を改めて感じている

保険指導会

明日は月に一度の保険指導会

県内保険取り扱い会員から送られてくる数千枚のレセプトを

記入漏れや、入力ミス、適正な保険取り扱いがされているかを

チェックし、審査済みのスタンプを押したうえで

各保検者に郵送するといった作業

鍼灸専門師会審査済のスタンプは

水戸黄門の印籠のように保検者にとって担保となる

業界団体に加入していない個人請求については

同意書の発行をしないように指導している医師会が増えているので

今後取り扱いが益々厳しくなるだろう

道枢の境地

全ての存在は「あれ」と「これ」に区分される

しかしながら、あれの側からいえば、これは「あれ」であり

あれは「これ」である

つまり「あれ」なる概念は「これ」なる概念との対比において初めて成立し

「これ」なる概念は「あれ」なる概念とのはじめて成立するというのが

彼我相対の説である

相対的なものは「あれ」と「これ」に限ったわけではない

例えば生と死、可と不可、是と非、との関係もまた然り

すべて物事は相互に依存しあうと同時に排斥しあう関係にある

だからこそ聖人は、あれかこれかと選択する立場をとらず

生成変化する自然をそのまま受容しようとしたのである

≪荘子≫歳物論より抜粋

荘子の斉物論

万物はすべて斉(ひと)しい

この道理を明らかにすることによってのみ

人間は知の呪縛から解放され

無限の自由を勝ち取ることができる

荘子の語る≪斉物論≫は

人間不在の矛盾に対する苦渋に満ちた省察と

犀利な認識論とによって

荘子哲学の基幹をなすものである

≪荘子・斉物論≫より抜粋

『荘子』は紀元前4世紀の思想家「荘周」の著作とされる書である

彼は『老子』とともに”荘老”と称され

儒家、墨家と鼎立(ていりつ)する道家の中心的思想家とされている

弱肉強食の乱世に生きて、人間存在の深淵を凝視した

この思想家のことばに魅了され語り継がれてきた

荘子の魅力について解釈を加えて伝えていきたい