アラン幸福論

今夜の院内勉強会は

哲学者アランの『幸福論』の勉強

NHKのEテレ(教育TV)で放映中の

100分de名著で放映された

フランスの哲学者アランの『幸福論』の

放映内容がネットで取り込めたので皆で視聴した

”幸せ”だから笑うのではない

”笑う”から幸せなのだ

よい天気をつくり出すのも

悪い天気をつくり出すのも

私自身なのだ

悲観主義は感情で

楽観主義は意志の力による

アランは生涯で5,000を超えるこれらの

「プロポ」という幸福になるための格言を執筆し

今でも我々のココロに響く言葉で語りかけています

このブログでも更にご紹介してきたいと思います

季節の遅れ

今年の春の訪れは遅く桜の開花は例年より1~2週間遅れた

今日は久しぶりに汗ばむ陽気になり春本番を思わせた

≪黄帝内経・素問≫霊蘭秘典論篇 第八 第二章の六

季節の日時が至っているのに租の気候がやって来ない、これを遅れという

この時は、肝木の春が弱いと、肝木が脾土を制御できないので

長夏が盛んとなり、土克水によって、腎水の冬の気候が弱く、暖冬になる

このために腎水の冬は心火を克することができないので、夏の陽気が盛んになり

高温による病が生ずる。

そして、肝木が弱いので、これを克制する肺金の秋の気候が何時までも続いて

春の訪れが遅くなって寒い春となるのである

この様な状況を気迫すなわち前の気候が引き続いて切迫するという

少し難しい内容であるが四季の変調を理解し、治療に生かすのが東洋医学だ

ヒノキ花粉症

スギの花粉の飛散は収束し

最近はヒノキが飛散しているようで

スギよりも飛散量が多い日が増えている

結膜炎や上眼瞼の皮膚炎が認められる症例では

れい兌(陽明胃経の井穴)の刺絡が速効性がある

治療直後に瞼の発赤・痒みが軽減する

ドライアイ

ドライアイ(角膜乾燥症)

涙の量が少なくなったり、成分が変化する事により、

眼球の表面が乾燥し、傷や障害が生じる病気。(Wikipediaより)

【病態と発生】

角膜上の涙液は、油層、水層、粘液(ムチン)層で構成され、

いずれかの要素が欠乏しても安定性が崩れドライアイとなる

主にテレビ、コンピュータの画面を見る行為等による目の酷使

冷暖房による空気の乾燥化、コンタクトレンズの装着により発生が増加する

コンピュータ作業(VDT作業)によるドライアイは

画面を凝視し瞬きの回数が減少することによると考えられている

また、コンタクト装着によるドライアイのうち

ソフトコンタクトでは表面から涙液の蒸発量が増すため症状を引き起こす

現代人は目を酷使する事が多く、一般的なオフィスでは約30%がドライアイと言われる

コンタクトレンズを装着していると、その率は約40%と更に上がる。

【病因】

油層の異常:マイボーム腺機能不全

水層の異常:シェーグレン症候群

粘液(ムチン)層の異常:スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡

レーシック術後3ヶ月位は、起きるとされる。

【症状】
目がゴロゴロする
光がまぶしい
目の痛み
視界がかすむ
10秒間以上目をあけていられない
目の乾き
目が重たくなる
視力の低下
結膜炎など、目の感染症にかかりやすくなる

【東洋医学による分類】
1・肝血虚
 疲労や、ストレスにより肝血不足になる

2・肝鬱化火
 感情の乱れ(七情の気の乱れ)により肝気が上逆する

3・肝腎陰虚
 陰液不足により眼を栄養できなくなる

4・お血症
 血液の滞りにより眼を栄養できなくなる

鍼治療は上記の弁証により治法が異なるが

ほとんど速効性がある

VDTの過重労働とコンタクトレンズが原因の

ドライアイについては継続治療が必要

透析患者さんへの鍼治療

50代♀

腎不全による人工透析を始めてから

透析を受けた日に、頭痛・身体のだるさ・吐き気・食欲低下を感じ始める

血液検査は肝機能・腎機能の低下、血糖値・血小板・赤血球数等々

15項目で異常値を示していた

腎陰虚症・肝気上逆と診たて鍼治療開始

7回(3週間)の治療で驚くことなかれ

全ての血液検査が正常値に戻ったのだ

自覚症状も緩和

弁証が正しければたった一本の鍼で

西洋医学的な検査数値も良くなるという症例である

小児のアレルギー性鼻炎

5才♀

慢性的な鼻炎による鼻づまり

望診すると右外鼻道の奥に発赤腫脹が認められた

足が冷え百会に熱

肺気不宣・気逆と診たて

しん会から刺絡

直後に鼻腔の発赤は消失し右の鼻の通りが良くなる

お子さんの慢性鼻炎に鍼灸はとても有効

人に優しい鍼灸医療

(公益社団)日本鍼灸師会の学術講演会60周年記念公演

関 隆志先生(東北大学大学院 先進漢方治療医学講座講師 医学博士)

御自分のクリニックで鍼灸と漢方をされてる医師です。以下はの講演の要約です

「私の原点。それは、医療は”あきない”だということです。患者さんを大切にしない医

療というのは成り立ちません」

「家の中にツララができている!?なんてこと・・・病院の診察室ではわかりっこな

い。患者さんが真ん中の医療とはそういうことです」

「鍼灸はまぜ人に優しいのか。ココロとカラダにふれあう鍼灸は、人と人をつないでくれ

る医療。だからこそ、人に優しいんだと思うのです」

「医学全体が統合医療に向かっているのは間違いありません。目的は勿論、患者さんの”

全体”を診るためです」

「鍼灸医療を活用した統合医療が日本にないのはおかしい。今こそ新しい日本の医療のモ

デルを、鍼灸を使うことによって提言できるのではないか」

こういった発言をされる医師が最近増えてきているのを実感する

西洋医学に偏った今迄の医療から、新しい医療の時代の潮流を感じる講演だった。

空間診によるジストニア治療

30代♀

頚部ジストニアによる頸の不随意運動

発症後4カ月経過

他院にて鍼灸マッサージ治療を受け悪化し来院

空間弁証にて「左上の気の偏在」

右天枢・右腎兪に蓮風鍼3番で10分置鍼

初診の治療後に症状緩解

難治性のこの疾患であるが、極めて経過は良好

ジストニアの空間論による症例が増えてきた

慢性副鼻腔炎

60代♂

幼少時からの慢性的な左上顎洞の副鼻腔炎による鼻づまり

左外関に置鍼

しん会より刺絡

翌日より4日間左鼻から緑色の鼻汁が出続けて

5日目に鼻づまりが治癒

慢性副鼻腔炎も時として驚くような効果を示す

シンポジウム

昨日はスタッフ4人と友人3人で「北辰会臨床コース」の研修会に参加した

特別シンポジウム

「鍼灸医学は如何にあるべきか」~ドクターからみた鍼と将来の展望~

4名の若きドクターがシンポジストで座長が藤本蓮風先生

3時間の非常に有意義な内容だった

北辰会の会員には最近若い(20~30代)ドクターが増えており

鍼灸師と共に東洋医学の真髄を学んでいる

入会のきっかけは全ての医師が藤本蓮風先生の治療を受けて

西洋医学の治療にない”衝撃を受けた”ことが共通する

ジェネラリスト(総合診療家)としての患者さんに寄り添う

総合診療医師と同次元で評価されるよう

「北辰会方式」の伝統中医学理論に基づく、高度な鍼治療家が求められている