天地に於ける陰陽の法則

≪黄帝内経・素問≫陰陽離合論篇 第六 第一章より

天地に於ける陰陽の法則、原理とは、

太陽と月の運行によって地上に起こる陰陽の盛衰とその推移である

一日なら昼夜、明暗の交替、一か月なら月齢の変遷

一年なら四季の寒暖の推移である

この天地における陰陽の推移は地上にある全てのものに影響を与える

人体もその例外ではない

之を人体の方から言えば、人体が天地の陰陽の変化に反応する

即ち「人亦之に応ず」である

空間論による急性腰痛の症例

40代♂

以前腰椎椎間板ヘルニアを患って

当院の治療で治癒した患者さん

数年ぶりに来院され

昨日ぎっくり腰をして仕事もできない状態

腰の前屈(+++)

FFD(指と床の距離)が45cmで痛みで曲げられない

急性症なので問診は簡単に済ませ

体表観察を手早くする(とても込み合っていたこともあり)

空間論による診察法で”右天井”(右肘関節の経穴)に熱を認める

1寸3番のステンレス鍼で、右天井に10分置鍼

治療直後にもう一度腰を前屈して・・・

痛みは消失!!

10分ほどベッドで休んでいただき

ぎっくり腰の痛みを右肘のツボで治すという

患者さんにとっては驚きの治療が終了した

空間論による痛みの治療は日々進化していると実感している

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舌の表裏

上の写真は”寒”

舌の写真は”熱”

患者さんが寒いと言っても

舌の色が赤ければ身体は”熱”なので

”清熱”の処置が必要

舌の表面が白い苔で覆われていても

舌の裏の色が赤ければ”熱”である

寒熱(陰陽)の偏りの判別に舌診は欠かせない診断法である

寒邪への対策

立冬が過ぎ

移動性高気圧に覆われる日

太平洋側は日中は暖かさを感じる

西高東低の冬の気圧配置になると

北西の風が強く空気は乾燥し気温が下がる

温暖な気候から急変して寒くなると

六淫の邪気(風・寒・湿・熱・燥・火)の

”寒邪”の影響で”風邪”をひきやすくなる

早めに部屋を暖め、背中を冷やさないこと

胃腸が虚弱で、冷え症の方で

寒気がして、透明な粘り気のない痰や鼻水を伴う

風邪の初期には”生姜湯”が良く効く

【作り方】

生姜、ねぎ白部、を10gとお茶6gを煎じ、黒砂糖15gを溶かして飲む

体が温まり発汗すると早く治ります

滑肉門著効

臍の上方1寸から外側2寸

“滑肉門”という経穴がある

空間論による体の歪を整えるのによく用いる

時に驚くような効果を見せる経穴でもある

40代♀

主訴

中学校の時からの分離辷り症による腰痛

慢性的な頚肩部痛、右の外反母趾の痛み

右上下の気の偏在と診たて

右滑肉門に1本鍼を打った

10分後抜鍼した直後

右外反母趾の痛みが消失

頚肩部痛、腰痛もほとんど消失

患者さんはたったこれだけの治療ですか?と唖然とした表情

痛みが消失した事実に徐々に気付くと

驚きの表情から満面の笑みに変化した

さもありなん

数年以上続いた痛みがたった1本の小さな鍼を

お腹に打っただけで改善したのだ

大変遠方からの患者さんだったので

近くの北辰会所属の鍼灸院を紹介して終了した

〔〕

発達障害の治療

2歳の男の子

言葉が遅く、運動機能も発育が遅いと心配していたが

驚くことに小児鍼を2回治療してから言葉が明瞭になり

語彙も増えてきたと喜ばれる

小児の反応の良さはこちらも驚かされることも多い

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副鼻腔炎

副鼻腔炎の患者さんが最近多い

ちょっとした風邪から続発する事が多い

風邪をひいた後に痰が絡み

痰を喀出すると色の濃く(黄色~緑色)粘り気がある

仰向けに寝たときに”後鼻漏”という、鼻汁が喉に流れる症状を伴い

痰が絡み、湿性の咳が続くようなら”副鼻腔炎”の疑いが濃厚である

当院ではをBi Digital O ring test で確認しているが

ほぼ100%の確率で診断可能である

急性副鼻腔炎ならほとんど1~3回の治療で治癒する

最近は治療成績が上がっているので

耳鼻科での抗生剤の服用が不要なケースがほとんどである

治癒したか否かもOring Testでチェックできる

四気五味説

「四気」とは(温・涼・寒・熱)

「五味」とは(酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味)

私たちの食生活はこの「四気五味」によって成り立っている

白米は温涼乾熱の平(中間)だが

玄米は体を冷やす働きをする

体の冷えて弱い人がいつも玄米ばかり食べていたら

よけいに体を冷やしてしまうので逆効果になる

なんでも「玄米菜食」は間違っている

陰陽のバランスと自分の体質・食品の四気を考慮して

食生活を送ることが大切である

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自然界の陰陽

地上の水気が陽気(太陽の熱)によって熱せられて気化する

陽は上に上がる

上がっていくと今度は徐々に冷やされて陰に転嫁する

陽になって上がっていった極点が雲になる

そして、雲から雨になって完全な陰の形をとって地上に降りてくる

雨の大本は地上にあるという

陽極まって陰になり陰極まって陽に転嫁する

季節の変化は、冬から春、春から夏へと陽気が盛んになるが

夏を過ぎると秋風が吹いて冬が来る

まさに、極点に達すると異極に移行するということだ

これが自然界における陰陽の法則である

ヒトはこの陰陽の移り変わりの中で生かされてる

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多発性関節炎による歩行困難の症例

67才♀

‘10年12月、両肩関節の激痛発症

以降両下肢・膝関節の激痛で歩行困難に

消炎鎮痛剤や痛み止めの注射は無効

夜間痛により寝返りも困難な状態で来院

全身の関節が腫れて熱を持つ”熱痹”である

後谿・巨闕兪を使い少数鍼の治療を始める

初回の治療で夜間痛は消失

以降すこぶる経過はよく

1ヶ月後から散歩を始め

今では毎日2時間の散歩と体操が日課となった