糖尿病とHbA1c

厚労省の平成19年の国民健康・栄養調査によると

「糖尿病が強く疑われる人」は890万人

「糖尿病の可能性を否定できない人」は1,320万人

合わせて全国に2,210万人もの糖尿病の罹患が推定されている

しかも、糖尿病が疑われる人の約4割はほとんど治療を受けたことがない人だ。

糖尿病の約95%は2型糖尿病で、このタイプが鍼灸治療の適応患者と考える

50代♀

主訴:足底のしびれ・糖尿病

脈診・沈虚・一息4至

舌診:淡紅・白膩苔

腹診:脾募の邪

背候診:脾兪の虚

弁 証:脾虚

治 則:健脾

治 法:三陰交・脾兪等への少数鍼治療

経 過:足底のしびれは消失

    HbA1c 初診時10.0 第11診目でHbA1cが7.9に低下し、主治医が驚いたとのこと

    血糖値は検査中

考 察:2型糖尿病に対して脾虚を補う鍼治療により、糖代謝が改善しHbA1cの低下につながった

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この季節の眩暈

最近眩暈を訴える患者さんが多い

大暑を過ぎても太平洋高気圧の勢力が弱く

日本列島は気圧の谷に長らくおかれている

寒湿邪によって上熱下寒で上焦に気が昇ることが多いが

発症のきっかけは”ストレス”が最も多い

詳しく問診すると大きなストレスにさらされていることを知る

問診するだけで治療になるので真摯な”傾聴”を心がけている

鍼治療は百会、太衝、後谿、滑肉門、等を選択して取穴する

効果は多くは速効性があるが、数回の治療が必要な場合もある

眩暈の症例は非常に多く、得意としているので発作が治まり

外来受診できるようであれば早期の治療をお勧めする

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卒後教育

鍼灸学校は増えても,治療ができない鍼灸師が生徒に教え

臨床経験がない若い鍼灸師が増えている

学校教育の問題については以前にも述べたが

厚労省が昨年発足させた≪漢方鍼灸を活用した日本型医療の創生≫

という命題への答えはいまだ得られていない

日本の鍼灸は世界標準で見渡しても「匠の技」である

非常に繊細な技術を持っている「腕の良い鍼灸師は」市井に沢山いるはず

しかし、その匠の技を若い鍼灸師に伝えるシステムがない

卒後教育もシステム化されていない

免許の更新制度や、専門鍼灸師のデザインを業団で創生する必要に迫られている

夏バテ対策

今日は二四節気の”大暑”

昨日までの低温から平年並みの気温に上昇し”暑邪”への注意が必要

この時期から”冷飲”冷たい飲み物の摂取過剰は

胃腸の機能低下を招き

食欲低下、体のだるさ(特に下半身)に繋がる

空調の効いた部屋に一日いる人が

夜キリリと冷えたビールを一気に飲むと胃腸が冷えて動きが鈍くなる

火照った体を冷やすのは、旬の食品(夏野菜や果物)の摂取がよい

くれぐれも冷蔵庫の冷たい飲み物、氷の入った飲み物、アイスクリーム

ビール、水割り、Etc・・・は控えめにすることだ

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台風の影響

台風6号はどうやら南の海上に抜けていくのか

名古屋では今夜は風雨もおさまってやれやれである

7月に大型の台風が日本に上陸することはめったになく

台風の卵が発生する赤道付近の海水温の上昇が影響しているのかもしれない

さて、台風が接近すると体にどういった影響が現われるのか

気圧の変化は関節腔内や脊髄、サイナス(鼻と耳の間の空間)などの閉鎖された体内の空間において

内外の気圧差が大きくなる(台風の非常に低い気圧に対して内圧が上がる)

こういった急激な変化によって、リウマチや神経痛が悪化したり

耳鳴り難聴と言った耳鼻科疾患にも影響が認められる

東洋医学による病因病機では、南の湿った暖かい気流をもたらす台風は

”風熱湿邪”という邪気を生じ、気温の上昇によって”肝気上逆”がおきやすい

頭痛、頭重、のぼせ、耳鳴り、めまい、アトピーなどの皮膚病の悪化etc・・・

気候の急変に応じた取穴が臨機応変に必要になってくる

明日は台風一過で掃除と洗車でもしようか・・・

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休みがない!

今月は毎週日曜日(社)愛知県鍼灸専門師会の会議や勉強会で一日つぶれている

明日は朝から月に一度の保険指導会

午後からは夕方まで理事会

会長がかつての師匠であるので

”執行部”というポジションにあって

何かと会務に追われる毎日で結構大変だ

ただでさえ超多忙な臨床に追われる毎日

自分は臨床の仕事は楽しくできるが

会務という名のもとに時間をとられることは苦痛だ

とはいえ、若いころお世話になった師匠の立ち上げた専門師会

頼まれて断るのも憚れるのである

明日は前向きに考えて頑張ろう!!

冷えと熱

40代♀

素体としては冷え症

根菜類や生姜などで温補のために食養生をされている

しかし、夏至を過ぎてこの猛暑

内熱をこもらせている

この時期に体を温める食品は逆効果

夏は旬の夏野菜で体の内熱を冷ます必要がある

季節の陰陽に合わせた食養生が必要なのは言うまでもない

介護予防運動指導員

5年前に介護予防指導員という資格を取得した

東京都老人総合研究所が主催する研修会で

講習を受けたのが資格取得のきっかけ

この資格は様々な教育機関でも行われているが

東京都老人総合研究所の認定した認定証が最も信頼性があるらしい

高齢者の筋力の低下によって

転倒→大腿骨頸部骨折→入院手術→車いすor寝たきり

という要介護に至る図式を元から絶つ為には

原因として最も多いふらつき、つまずき、転倒を予防する為の

下肢の筋力増強運動を指導することが必要

通院中の患者さんでリスクの高そう方には個別に運動指導をしている

将来は院内でマシントレーニング、マット運動等を指導して

要介護者を増やさないように社会貢献したいと考えている

しかし今の院内でどこでするの?という声があるのでどうしたものか思案中です

熱中症の鍼治療

このところの熱さで熱中症の患者さんが増えている

本人は熱中症の自覚はないが

体表観察すると舌は紅舌或るいは舌先紅刺、百会に熱

脈は浮弦数、主に中焦から上焦にかけて体表の熱、顔面紅潮

頭痛や体のだるさ、などを訴える

微熱程度でも所謂熱中症の所見

合谷、身柱、百会等で清熱の処置

百会や少商、少沢などに刺絡

即効性があり治療後にはすっきりして帰宅できる

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東京出張

今日は一日東京で(公益社団)日本鍼灸師会の全国保険部長会議があり

愛知県から代表として出席した

北海道から九州まで全国の各県鍼灸師会の保険部長が集結

日本鍼灸師会保険局から最新情報が収集できる

また、保険取り扱いについての各県の状況を知ることで

愛知県で保険取り扱いの円滑な運営に活用される

鍼灸の保険を取ります状況は10年前と比べると

取り扱い高の右肩上がりである反面

厚労省や保険者からは注視されるようになり

当然のことながら適正な保険運営を求められている

しかし、最も大切なことは、患者さんの利益に繋がるように

今の鍼灸保健医療の改革を進めることだ