肝鬱と心血不足その2

心神があらゆる病気に関与していく

最終的に痛みは、心で痛みを感受するが

心血不足の度合いが心神の安定に関連するため

心血不足の程度によって感受の仕方が変わってくる

このように、痛みや痒み・精神安定の中枢的働きをするため「神主学説」という

この理論を用いて、安神作用を強めることで、五臓の気の陰陽バランスも整い

気の流れが改善され、痛みを遮断したり緩和することができる

ただし、全てに効果があるわけではなく「心血が不足している」ことが必要条件になる

肝鬱と心血不足

例えば疲労時に、肝鬱気滞(ストレスによって気の滞りが起きること)が起こり、

疲労感を強く感じる人と、その時に疲労感は感じられないが、仕事がひと段落し

ホッと一息ついた時に疲労感を強く感じる人がいる

この二通りの症状の起こる原因を解説すると(少し専門的ですが)

同じ肝鬱気滞を起こしても日頃から心血が弱っている人は、

(心神が不安定で心を栄養できていない状態)

肝鬱による肝血不足をフォローできず、常に疲労感をすぐに自覚してしまう

一方心血がある程度しっかりしていると、肝鬱による肝の陰液不足があっても

肝気の高ぶりに応じて心血がそれを補おうとしてくれるために

肝気が高ぶっている間は、本人の自覚として疲労感を感じないが

ホッとして肝気がゆるむと、心血のフォローも緩慢になり

肝血不足が前面に現われ、強い疲労感を感じるのである

以下次回に続く)

14日~18日(木)休診させていただきます

神主学説

神主学説とは

「心神が不安定だと痛みが増し、心神を安定(安神)させると痛みが軽減する」

と東洋医学の古典理論である

神には3つの意味がある

 /澄mind):心理・意識・直感の精神的な活動

◆/澄spirit)精神そのもの

 神(vitality)生命力そのもの

以下明日に続く

第2頸椎と噛み合せ

頚椎は頭蓋骨の下から7つある

第2頸椎は軸椎といい頚椎の運動に重要な椎骨である

この椎骨が左右にずれることがある

多くは歯の噛み合せの異常で

歯列の乱れ、顎関節の位置異常、等によって

患側の側頸部の筋緊張により第2頸椎が引っ張られて

左右にずれる

主訴は慢性の頭痛、頚肩部痛、肩こり、眩暈、耳鳴りなどが多い

触診で第2頸椎のアライメントはすぐわかる

噛み合せについては矯正歯科への紹介も視野に入れて治療するが

鍼治療とAKA(関節包内運動)で元に戻ることがほとんど

美容鍼の効能

治療で通っていた女性の患者さんの病気が治ってくると

美容鍼に興味を持ち、体のケア+お顔のケアをされる方が

50才以降の方に増えてきている

施術直後に皮膚のたるみは改善

まぶたが良く開き、リフトアップする

嬉しいので表情が明るく豊かになる

ココロのケアにも繋がるので

体の不調の治療+美容鍼は特に女性におススメできる

胃の気の脈診

東洋医学の診察法で最も重要と言えるのは「脈診」である

左右の橈骨動脈の脈の状態を診ることで”生気の虚実”を伺う

脈を診ずして鍼を打ってはならない

脈診については解説すると一冊の本ができるので

ここでは重要なことを記する

”胃の気”を診ることができるのは脈診のみである

≪素問≫平人気象論

胃の気の有無は生死にかかわる

≪蘭室秘蔵≫脾胃論

胃の気の不足こそ百病の大元

≪医宗必読≫

身体を健全に養うには胃の気は不可欠

中国の古典医学書には多くの”胃の気”についての記述がみられる

巧みな鍼の技術は”胃の気を補う”ことで養われるともいえる

95歳の脳梗塞の患者さん

意識はなく医師はもっても2週間と言った

親族は葬儀の準備をしていた

脈診すると”胃の気”大いにあり

当分大丈夫と判断した

驚くことに1年たった今では呼びかけにこたえ、

車いすに座れるほどになった

もうじき96歳を迎えようとしている

糖尿病とHbA1c

厚労省の平成19年の国民健康・栄養調査によると

「糖尿病が強く疑われる人」は890万人

「糖尿病の可能性を否定できない人」は1,320万人

合わせて全国に2,210万人もの糖尿病の罹患が推定されている

しかも、糖尿病が疑われる人の約4割はほとんど治療を受けたことがない人だ。

糖尿病の約95%は2型糖尿病で、このタイプが鍼灸治療の適応患者と考える

50代♀

主訴:足底のしびれ・糖尿病

脈診・沈虚・一息4至

舌診:淡紅・白膩苔

腹診:脾募の邪

背候診:脾兪の虚

弁 証:脾虚

治 則:健脾

治 法:三陰交・脾兪等への少数鍼治療

経 過:足底のしびれは消失

    HbA1c 初診時10.0 第11診目でHbA1cが7.9に低下し、主治医が驚いたとのこと

    血糖値は検査中

考 察:2型糖尿病に対して脾虚を補う鍼治療により、糖代謝が改善しHbA1cの低下につながった

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この季節の眩暈

最近眩暈を訴える患者さんが多い

大暑を過ぎても太平洋高気圧の勢力が弱く

日本列島は気圧の谷に長らくおかれている

寒湿邪によって上熱下寒で上焦に気が昇ることが多いが

発症のきっかけは”ストレス”が最も多い

詳しく問診すると大きなストレスにさらされていることを知る

問診するだけで治療になるので真摯な”傾聴”を心がけている

鍼治療は百会、太衝、後谿、滑肉門、等を選択して取穴する

効果は多くは速効性があるが、数回の治療が必要な場合もある

眩暈の症例は非常に多く、得意としているので発作が治まり

外来受診できるようであれば早期の治療をお勧めする

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卒後教育

鍼灸学校は増えても,治療ができない鍼灸師が生徒に教え

臨床経験がない若い鍼灸師が増えている

学校教育の問題については以前にも述べたが

厚労省が昨年発足させた≪漢方鍼灸を活用した日本型医療の創生≫

という命題への答えはいまだ得られていない

日本の鍼灸は世界標準で見渡しても「匠の技」である

非常に繊細な技術を持っている「腕の良い鍼灸師は」市井に沢山いるはず

しかし、その匠の技を若い鍼灸師に伝えるシステムがない

卒後教育もシステム化されていない

免許の更新制度や、専門鍼灸師のデザインを業団で創生する必要に迫られている

夏バテ対策

今日は二四節気の”大暑”

昨日までの低温から平年並みの気温に上昇し”暑邪”への注意が必要

この時期から”冷飲”冷たい飲み物の摂取過剰は

胃腸の機能低下を招き

食欲低下、体のだるさ(特に下半身)に繋がる

空調の効いた部屋に一日いる人が

夜キリリと冷えたビールを一気に飲むと胃腸が冷えて動きが鈍くなる

火照った体を冷やすのは、旬の食品(夏野菜や果物)の摂取がよい

くれぐれも冷蔵庫の冷たい飲み物、氷の入った飲み物、アイスクリーム

ビール、水割り、Etc・・・は控えめにすることだ

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