逆流性食道炎

逆流性食道炎

【西洋医学的な解説】

逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や、胃で消化される途中の食物が食道に逆流して、

そこにとどまるために、食道が炎症を起こし、胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状を引き起こす

逆流性食道炎は、もともと日本人には少ない病気でしたが、食生活の変化などによって、

最近、診断される患者さんが増えている

【東洋医学による解説】

肝気犯胃:ストレスによって肝気が上逆し、胃を犯すと発症する

脈は浮弦脈、舌診は舌尖が紅、または紅刺

腹診は心下から胃土、肝の相火に邪が認められる事が多い

治法:平肝清胃

経穴:内関・公孫・太衝・行間など

この疾患には鍼灸治療がよく効くので知っていただきたい

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎

60代♀

数年間2ヶ月に一度内耳に滲出液が溜まり

耳鼻科でその都度穿刺し水を抜いている状態で

西洋医学では溜まったら水を抜く以外の治療は現状ではできないと

大変困っておられた、旅行がお好きで飛行機に搭乗した後に悪化するとのこと

今回は飛行機搭乗前に患側の「関衝」から刺絡をした結果経過が良好であったと

大変喜ばれたので効果について検証してみたい

耳をまとう経絡は手の少陽三焦経である

三焦は水穀の精緻の気、津液を肌肉に出入せしめ

肌肉は三焦の通道を得て水穀の精気によって温陽せられる事となる

三焦は水穀の精気を輸送するばかりでなく気化作用を合わせ持っており

津液を気化し、汗として排出し、尿として排出する

三焦は体内における水液の流通と排泄の器官であり

又、流通と排泄の通路でもあり、肺・腎・膀胱・ò]理などと密接なかかわりを持って

水分代謝の全過程に関わっている・・・と古典に記述がある

手の少陰三焦経の井穴である「関衝」から刺絡をすることにより

津液の気化作用が高まって滲出液の貯留がなくなったと考えられる

このように中医学の理論によって検証し弁証した治療は普遍性があるので

今後多くの滲出性中耳炎の治療に役立てることができると期待できる

インフルエンザ

インフルエンザ対策

大寒を過ぎて寒さも極まり、季節はインフルエンザの流行期に入ったようだ

鍼治療を継続して受けていると「体調が良い」「よく眠れるようになる」

「食事が美味しく感じる」「食欲がでる」等の主訴の改善以外にも

体調が良くなることを実感される方が多い

なかでも「風邪をひきにくくなった」「風邪をひいても早く治る」等

明らかに免疫力がアップしたことが証明される事実はよく知られている

このことはインフルエンザの予防にも当然効果的である

通院中の患者さんでインフルエンザに罹患する方は非常に少ない

万一罹患してもやはり早く治るケースがほとんどだ

付け加えるなら梅干を一日一個食することはお勧めできる

ちなみに私は受験生がいた一昨年以外はワクチンを打ったこともないし

インフルエンザにかかったこともない

細絡刺絡

細絡の写真

「細絡」とは皮膚の極めて表層に現われる毛細血管で

形状は多種多様で、網状。放射線状・線状・点状である

色は赤色・暗紅色・紫色・暗紫色等を呈する

効果のある細絡を見つけるには細絡を細い棒などで圧迫して

血液の移動が認められるかどうかを確認すればよい

写真の右側の鍼で示した部位が効果の出そうな「細絡」である

鍼で刺激して指で絞ったり、吸玉をかけてり吸引して

勢いよく血液が放出すると様々な疾患に著効を示す

[hrrp://www.n-acp.com]

吸角刺絡

吸角刺絡の器具

「吸角刺絡」とはお血症の患者さんに対して

通常の鍼治療で改善が見られない場合に

頑固な肩こり、背部痛、腰痛などに対して

局所的に鍼で刺激したうえで写真のような

器具を用いて皮膚から血液を吸い上げる治療法である

頑固で慢性的なお血症のひとは一度の処置で充分な血液が

吸引できないこともあるが、ほとんどの患者さんでは

治療直後に今までなかった爽快感、軽さを実感し

自覚症状が消失、或いは著しく軽減するといった劇的な効果をもたらす

但し、この治療を選択するか否かはあくまで体表観察や

虚実の鑑別を慎重にしたうえで決めることが大切である

http://wwwn.n-acp.com

井穴刺絡

井穴刺絡の実際

井穴刺絡の臨床応用

井穴刺絡は弁証が正しければ治療直後に著効を示す

指先にわずかに鍼を打って出血させたのが上の写真

【非常によく効く適応症】

ものもらい・扁桃腺炎・喉の閉塞感・風邪による発熱

咽頭痛・結膜下出血・中耳炎・軽度の狭心症・しもやけ

以上」の疾患にはほとんど1回の処置で著効を示す

この治法は「清熱」熱を冷ます治療である

刺絡について

刺絡(しらく)とは経穴(ツボ)に対して

少量の出血をせしめる手技である

井穴刺絡:指の末端の爪の根元の経穴を井穴という

吸角刺絡:お血が停滞している体幹の経穴に対して使う手技

細絡刺絡:細絡という暗紅色の非常に細い毛細血管が皮膚表面に浮いているところ

以上3種の手技があり、症状や治法によって使い分けるが

症としては「熱・お血」に対して使う治法で「清熱・駆お血」となる

適応症は多く症例も非常に多いので次に解説したい

妊娠しました!

33才 ♀

月経不順と不妊症で鍼治療始める

腎気虚症と診たて「太谿」「腎兪」を使って通院8回

基礎体温が低温期から高温期に移行したが、月経来朝せず

2週間高温期が続き、脈診で初診時「沈虚細」が「浮滑実」に変化

妊娠の可能性があり検査を勧めた翌日

「産婦人科で妊娠7週目と言われました!」とお喜びのお電話

つわりが始まったので今後は出産までの身体のケアをすることに

不妊治療でご懐妊のお知らせは、この仕事をしていて最もうれしい瞬間だ(^^)/

花粉症予防10カ条

イルデパンの西洋スギ

今までは花粉症になる原因を東洋医学の診たてによる解説をした

今回は自分でできる予防法と、花粉症になってしまった方には

悪化しないような養生法を解説したい

 【花粉症を予防する10カ条】

1・ストレスをためない(最も重要)

2・イライラしない(これも重要)

3・飲食不摂生で胃腸に負担をかけない(食べ過ぎ・飲みすぎにご注意)

4・水分特に冷たい飲み物を飲みすぎない(意外と知られていないが重要)

5・花粉が飛び始める前の今のうちから「ゆっくり散歩」を毎日20分~40分
  
  各自の体力に合わせて行う(気の滞りを改善する)

6・下半身を冷やさない

7・肩までつかる長湯をしてのぼせないようにする

8・辛いものの食事を控えめに(激辛料理はダメ)

9・規則正しい生活・睡眠

10・早めの鍼灸治療

花粉症対策その3

花粉症はなぜ発症するのか?

西洋医学ではアレルギー性鼻炎という

アレルギーとは特定の物質、食品等に対して体内の免疫系が過敏に反応して

様々な症状を引き起こすことである

ではなぜそのような体質が形成されるのか?

こういった疑問に西洋医学は残炎ながら答えがない

東洋医学では以下のように説明できる(少し難しい東洋医学用語で恐縮)

1.立春を境に季節は春に向かう
陰陽五行説では春は(木、火、土、金、水)の木にあたる季節
樹木には太陽に向かって上に上に伸びる性質があるために、木気が高まると
自然界の気は伸びやかになり陽気が亢進する

2.人体の体内を巡っている気も体の上の方に昇りやすくなり陽気が亢進する

3.肺気の機能に粛降作用がある(気を全身に散布する作用)が
この肺気の虚がある人は体の陽気の亢進を制御しにくくなる

4.胃腸が虚弱な体質(脾虚)は水の代謝が悪く体に水が停滞しやすくなる

5.飲食不摂生(特に水分の取り過ぎ)により胃腸に負担がかかって水の代謝が悪く 脾虚湿盛となる

5.これに加えストレスフルな状態が長引くと肝陽上亢といい、陽気が体の上
に昇ろうとする

6.ストレスがもっとひどくなると肝火上炎といい、火がついたように体の上に
気が突き上げる

【症状による分類】

1.水のような鼻水とくしゃみの症状
肺気虚や脾虚湿盛による水の停滞と肝気の上亢によって発症する

2.鼻詰まりや目のかゆみの症状
ストレスフルがきつくなり肝火上炎となって熱が鼻や目に突き上げて発症する

続きは次回に解説します

[]