後谿穴の効果

飛騨の里 

後谿穴の効果

心神不安、抑うつ、不眠、うつ病などの精神科疾患に

後谿(こうけい)という手のツボをよく使う

安神作用として非常に優れた効果がある

7月21日のブログに

23種の薬を処方されているうつ病患者さんのことを書いた

鍼治療で体調がよいので薬の減量を主治医に頼んだが拒まれた

ところが、治療を始めて一ヶ月で

なんと22種類の薬を自分で減らしたのだ

それから3カ月、催眠剤を1種内服するのみで

体調はすこぶるよい

来院時にはいつも私にVサインをしてくれる(^^)/

この患者さんにも後谿穴を使った

矯正歯科との連携

スイセンの花

矯正歯科との連携

昨日解説した頭痛の原因が(西洋医学的に)

歯列の乱れによる噛み合わせの不良という事例は少なくない

歯列の乱れや、顎関節症が疑われた場合には

緑区のH矯正歯科医院に紹介状を書いている

H矯正歯科医院の先生は矯正歯科学会の”指導医”の資格を取得した

名古屋市内でも数少ない矯正歯科医で、その高い技術には定評がある

矯正歯科を標榜していても、登録医、認定医、専門医、指導医に分けられ

経験年数と試験によりランクがあるので、よく調べ受診することが肝要

顎関節症は、顎関節の関節円板の炎症や変形によって

顎関節の痛みのみならず、随伴症として頭痛や肩こり

その他のまざまな不定愁訴が発症することがある

機質的に歯の噛み合わせの不良が疑われる場合

歯列の矯正が欠かせないのである

しかし、多くの場合はスプリントの装着と鍼灸治療で解決できる

当院より紹介してOpeに至った症例は今のところ皆無である

顎関節症に至る前のごく初期の噛み合わせの

異常をよく調べることで、病気の芽を摘み取ることができる

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頭痛と中医学

頭痛と中医学

今夜は院内勉強会

主訴で多い「頭痛」をテーマとした

中医学による頭痛の弁証論治のトレーニングをした

頭痛を中医学により分類すると

ヾ陵枉縊供Υ硫仂絮

肝腎陰虚

5し賣承

い血症

メ眤兊譱

多くはこの5種に分類できる

それぞれ治法が異なるので

多面的観察と、詳細な問診が必要なのは言うまでもない

慢性頭痛で治りにくいものには

頭痛ダイアリーをつけていただく

頭痛の芽が日常生活のなかに潜んでいることは多い

胃の気の診方

金閣寺の紅葉 筆者撮影

胃の気の診方

昨日解説した「胃の気」の続きです

臨床では「脈診」で胃の気をうかがう

末期がん患者、急性期の脳梗塞、心筋梗塞など

治療に耐えうる状態か否かの判断

予後不良か否かの判断

治療が適切か否かの判断

「胃の気」の盛衰が大いに関わっている

 【症 例】

①抗がん剤で衰弱し骨転移したがん患者70代♂

 初診で脈診は胃の気が触れないが
 
 数回の鍼治療で脈有力になり

 胃の気旺盛になる

 結果食欲がでてきて、一ヶ月で3㎏体重が増えた

 今では食事が美味しく、食欲旺盛、排便正常

 「生きる希望が見えてきた」と本人家族より大いに感謝される

②脳梗塞で意識不明の95才の♀

 医師からあと2週間もたないと言われた

 脈をとる

 浮いて弦脈、胃の気おおいに有力

 意識はなくても当分大丈夫ですと伝える

 3ヶ月後に退院

 発症後4か月経過し、老健に入所となった

 現在胃瘻での栄養摂取であるが

 時折呼びかけに答えるようになった

 95才の年齢である、親族の気持ちは複雑な様子

③左脳梗塞60代♂

 医師からは半年は職場復帰はできないと言われた

 当初より胃の気旺盛

 井穴(指先の経穴)からの刺絡(血を抜く治療)を数回

 発症して1ヶ月後に退院、右の片麻痺なし、言語障害なし
 
 職場復帰を果たした

  
 胃の気を正確に知ることができると

 生命予後さえも知ることができる貴重な症例です

 

 

胃の気とは

京都・龍安寺「気通」の書 

「胃の気」とは・・・

我が師匠、藤本蓮風先生著「胃の気の脈診」より抜粋させていただきました

≪黄帝内経≫素問 平人気象論

胃の気の有無は生死にかかわる

≪黄帝内経≫霊枢 五味

五臓六腑はみな気を胃の腑から受け取る

≪蘭室秘蔵≫脾胃論 

胃の気の不足こそ百病の大元

≪医宗必読≫

身体を健全に養うには胃の気は不可欠

≪医方考≫脾胃論

脾胃、即ち胃の気は身体の大元

≪景岳全書≫

人身における胃の気のかかわりは大きく、先天の気すら補うことができる

≪医門法律≫

胃の気は身体の大元にして、腎の臓の先天の気も、これに従う

≪中国医学大辞典≫

胃の気とは胃の腑の働きであり、どのような疾病でも第一に大事とされねばならない

≪鍼道秘訣集≫

胃の気の有無は生死を決定する

≪脈法手引草≫

胃の気の有無は生死を決す

以上中国や日本の古典にみる「胃の気」の内容を集約すると

^澆竜い聾淆]紫ァ身体の大元である

胃の気の有無は生死を決定し、かつその盛衰は元気の消長でもある、
 それ故、胃の気とは生命力そのものである

0澆竜い鯀?させることが治療の基本である

た与箸砲論菘掘Ω綸靴瞭鷂亀い存するが、これらは相補性、相互依存性があって統一される
 だが、胃の気を増すことは、そのまま後天の元気、腎を強化することである

グ澆竜い箸蓮胃の腑(脾胃)の働きである

続きは、明日臨床例から平易に解説します

パーキンソン病

せせらぎ街道の紅葉 筆者撮影

パーキンソン病

パーキンソン病の日本における有病率は

10万人当たり100~150人といわれる

特定疾患(難病)指定である

特徴的なのは安静時の震戦(ふるえ)

関節のこわばり

仮面様の顔貌

動作が緩慢

進行すると突進歩行(歩き始めは足が出にくく、止まれない)

抑うつ、自律神経症状

よく似た症状のパーキンソン症候群との鑑別が必要である

以上は西洋医学の情報

東洋医学では

多くの場合”肝気の上亢”によっておきる

”肝風内動”と弁証する

発病して初期には鍼治療が非常に有効

腰痛が主訴で来院された70代の♂

問診、望診でおおよそパーキンソン病による腰痛と診たてた

後で伺うとなんと1年以上前から発症していたが、病院では診断がつかず

つい最近やっとパーキンソン病と診断されネオドパストンが処方された

初診時の舌診では、舌と口唇が激しい震戦を見せていた

第2診目では腰痛消失、言葉も明瞭、緩慢動作も改善

関節のこわばりなし、舌・口唇の震戦なし

腰痛を治しにきたのに全身症状が改善した

病気を治すのではなく、”ヒトを治す”東洋医学の原点である

ランナーズハイ

朝焼け

ランナーズハイ

5年前にうつ病発症した男性患者さん

鍼治療を2年前から始める

徐々に薬が減ってきた

数ヶ月前から”自分の意思で”ジョギングを始めた

5㎞を30分で走れるようになる

マラソン大会の参加をお勧めした

完走できるか不安を覚えながらエントリーした

10㎞ハーフで名古屋アドベンチャーマラソンに出走

1時間で完走した結果は

”ランナーズハイ”を経験したようだ

「みんなで走ることがこんなに楽しいとは思わなかった!」

と感動した様子、ランナーズハイという”特効薬”である

完走したことで持久力・忍耐力もついたはずである

職場復帰の強い追い風になることを期待している

風邪の予防

風邪の予防

風邪の邪気には”寒邪””燥邪”が多いことは既に述べた

冬至を過ぎて、気温が下がり北風が吹く季節

皮毛は閉じて”寒邪”から身を守る準備をしている

そのような季節に大量に汗をかき汗腺が開くと、

一気に寒邪が衛気を破って裏に侵入する

所謂”邪生闘争”では寒邪の奇襲を受け、

生気が破られる、負け戦である

体は悪寒し、発熱、節々が痛み、激しい咳、喉の痛み

という急性症状が現れる

故に先人は冬は体力を消耗するようなことは避けるべし

と言っているのである

一見体が頑丈そうな若いスポーツ選手が

冬にひどい風邪を引くことが多いのはこの為である

汗腺が開いている時にはくれぐれもお気をつけ下さい

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風邪の治療

MIHO MUSEUMにて筆者撮影

風邪の治療

風邪の初期症状に鍼治療は速効性を示す

40代♀

寒気と鼻水(透明)咳、じっとりとした発汗、体のだるさ、熱はない

中医学では風邪がどの位置(病位)にあるかを弁別する

風邪の初期は体表で邪気と生気が”邪生闘争”をする

言葉を換えれば病は”戦い”なのだ

生気が勝てば邪気(風邪)が負けて病は癒える

この患者さんの場合は”風熱表症”と診たてた

左合谷に一本鍼を打つ

浮いていた脈は落ち着き舌苔も薄くなる

10分後寒気とじっとりとした汗はすぐ引いた

治療した夜は咳も出ずにぐっすり眠ってスッキリしたと元気な様子

今日は左外関に一本鍼を打つ、肺兪にお灸をすえた

鼻水が止まった

あとは、生気がしっかりしているので自然に治る

”勝ち戦”となったわけである

一本の鍼

可児市バラ園にて筆者撮影

一本の鍼とは

最近の新患さんにはほとんど鍼一本で治療をする

たった一本の鍼ゆえによく気を動かすことができる

アラユル疾患に有効

先日8年ぶりに来院された患者さん

前回は不眠症が鍼治療で治った

今回は高血圧で頭がふらふらする

血圧は180/100

充分な問診と体表観察

鍼を一本うつ

10分後に血圧は132/60に下がった

患者さんはもっと沢山鍼を打ってという

8年前は4~5本の鍼を打っていた

その印象が強く残っている

しかし、血圧を下げたくて来院された

一本の鍼で上は48下は40も下がったのである

これ以上の治療は必要ないことを説明して

やっと納得された様子

なにより血圧が安定し気分も良くなった

何故血圧が上がったのかを説明した

患者さんはココロの問題だと気づいたようである

心身一如

ココロとカラダはひとつである