医療におけるICTの活用

こんにちは、長岡哲輝です。

厚生労働省が、2036年の医師不足は2.4万人と言われており、

人口の少ない地方や、医療過疎地では特に医師の数が不足しています。

そんな中、ICTを活用した医療が徐々に普及し始めています。

 ICT(インフォメーション・コミュニケーションテクノロジー)

ヒトとヒト、ヒトとモノをつなぐ情報の共有技術のこと。

医療においては、オンライン遠隔診療があります。

僻地や医療過疎地など医療供給が行き届かないところに、

オンライン上で診察、検査、処方を行うのが「遠隔診療」です。

在宅医療の現場では多職種との情報共有ツールとして、医療介護専用SNSなどがあります。

また、高齢者の生活状況や活動状態をインターネットを通して見守るシステムもあります。

医療の担い手が不足する日本の現状において、ICTの普及により業務を効率化し、

人員不足の解消につながるのではないかと思います。

水曜勉強会

こんばんは、長岡哲輝です。

今日の水曜勉強会は「骨、筋、経穴の触診」を行いました。

我々鍼灸師は、体表から骨や筋肉を触診したり経穴の反応を見て、治療する部位を選択します。

その上で重要なのは、正確な部位に治療を行うことです。

鍼治療は、位置、深さ、手技によって治療の効果に大きく差が出ます。

高い効果を得るためには、まず正確な筋肉や骨、経穴(ツボ)の位置を理解しておく必要があります。

今回は3人ペアになり、ベテランの先生が新人の先生にアドバイスしながら正しい位置を確認しました。

お互い新たな発見があり、明日の臨床に生きるいい勉強会になったのではないかと思います。

今日も22:30までみなさんお疲れ様でした!

鍼灸学科設立40周年を祝う会 参加報告

画像は明治国際医療大学facebookより引用

昨日は、明治国際医療大学の鍼灸学部設立40周年を祝う会に参加してきました。

明治国際医療大学は、1978年に日本で初めて鍼灸の短期大学が設立されました。

その後4年生の鍼灸大学になり、大学院も開設されたことから、日本一の鍼灸大学となりました。

私が参加した記念講座は「かけ算で鍼灸の未来を考える」というテーマで、

明治国際医療大学のOBの先輩方に、今鍼灸師に必要なことや

これからの医療のありかたについて熱くご講演いただきました。

その中でも、私がとても共感したのは豊明医療センターの寺澤佳洋先生のご講義でした。

寺澤先生は、明治国際医療大学をご卒業後、医師免許を取得し現在は総合診療医として、

地域医療や在宅医療の分野でご活躍されています。

寺澤先生は、「地域で活躍する鍼灸師と医師をつなぐ役割を担うことが今後の目標」とお話しされました。

私自身も、地域医療に携わるクリニックや病院との連携を図っていくことは、

大きな目標であり、可能性を感じている領域のひとつです。

さらに、寺澤先生の義理の妹は、明治国際医療大学の29期で僕と同級生なのです!

まさにセレンディピティと呼べるめぐり合わせに感動しました笑

この業界にいると、不思議と同じ価値観を持つ人との出会いがあり、それが歯車となって

様々なことが回り始めるという経験は少なくありません。

この不思議な出会いを機に、少しずつ目標に向かって前進していきたいです!

明日は母校へ

明日は、母校の明治国際医療大学で「鍼灸学科の設立40週年を祝う会」があります。

大学OBの記念講演があるので今からワクワクしています。

恩師の先生方とお会いするのもとても楽しみです。

お世話になった方々へのご挨拶と近況報告も兼ねて、久しぶりに京都へ行ってきます。

報告はまた月曜日に!

過活動膀胱の症例

過活動膀胱とは、膀胱が過剰に収縮してしまうことにより、

頻尿・尿意切迫感(尿意を我慢できない)、切迫性尿失禁(我慢しきれず漏れてしまう)

などの症状を呈する泌尿器疾患です。

30代 男性

主訴:尿意切迫感、頻尿

現病歴:X年1月頃から、早朝や就寝前に5分おきに尿意を催すようになる。

睡眠にも支障が出てきため、当院受診される。

現症:OABSS(過活動膀胱の評価表)7点/15点(中等症) 

尿回数は10回/日以上、腰痛や下肢の冷えを自覚している。

弁証:下焦における寒湿邪の停滞

治療:関元(鍼/灸)

経過:3回の治療で尿意切迫感はほぼ消失、相対的に排尿回数も減少

OABSSは7点(中等症)→3点(軽症)へ改善

患者は日頃からコーヒーや冷たい飲み物をを多飲していたため、

下焦(腎を含めた下半身全体)に冷えが停滞していました。

鍼と灸により、冷えと湿邪の停滞が解消したことが症状軽減に繋がりました。

西洋医学的には、膀胱を過剰に収縮させている副交感神経の働きを抑制したと考えます。

神経学的診察

今日は、水曜定例の勉強会を行いました。

今日のテーマは運動器疾患の診察に欠かせない

「神経学的診察」について理解を深めました。

神経学的診察とは、筋肉を動かす運動神経や、知覚を司る感覚神経の障害を調べる診察方法です。

我々鍼灸師は、画像診断ができないため、実際に患者さんの体を触ったり、

動かしたりして、どこに問題があるかを調べます。

神経学的診察が必要な患者は、脊柱管狭窄症、頚椎症、椎間板ヘルニアなどにより痛みやしびれがある場合です。

専門的な内容になりますが、

例えば頚椎の4番/5番の椎間板ヘルニアの場合

・上腕二頭筋、三角筋の筋力低下

・上腕外側の感覚障害

・上腕二頭筋腱反射の減弱

などの異常を認めます。

このように神経学的診察を行えば、ある程度の障害を特定することができます。

患者さんにとっては「なんのこっちゃ!」といった感じですが、

診断・治療の上でとても重要な検査になります。

・・・気づけばもうこんな時間!

スタッフの皆さん、遅くまでご苦労様でした(笑)

「All for the patient」の精神でこれからも頑張ります!

脊髄損傷(?)の症例

こんばんは、長岡哲輝です。

今日の印象的だった症例を紹介します。

50代 女性

主訴 両膝と肩の痛み

母指の動かしづらさを感じ、X-2年にK病院で脊髄損傷の診断を受けました。

その後、肩痛や膝痛が出現しましたが、医師から

「脊髄損傷は色んなところが痛くなる病気だから仕方ない。」

と言われたことから、「薬を飲んでも治らないだろう。」と思い、

服薬もせずに辛い痛みに耐えていました。

患者さんは、自分の症状を「脊髄損傷からきている」と思っていましたが、

診察をすると肩は「五十肩」膝は「変形性関節症」でした。

このように医師の言葉はとても影響力が大きいですが、

ときに医療に対する不信感や、不安を煽ることも少なくありません。

私達、鍼灸師はしっかりと患者の病態を見極め、適切な説明をすることも大切です。

「病を診て、人を診ず」という典型的な一症例でした。

マッサージについて

まちなかでは「手もみ」「リラクゼーション」「タイ式マッサージ」などの名前で

マッサージを提供する店舗を見たことがあると思います。

今や「コンビニより多いマッサージ店」などと言われているほどに、その数は増えています。

マッサージは、もともと中国伝統医学がルーツになっており、

あん摩や推拿と呼ばれ、江戸時代には漢方、鍼灸と並び医療の中心でした。

現在日本でマッサージを行うことができるのは、「あん摩・マッサージ指圧師」のみです。

しかし、「リラクゼーション」などの名前で、ストレス解消やリラックスが目的として

無資格でマッサージを提供する店は多くみられます。

マッサージも、カイロプラクティックと同様、規制があまく非常にグレーな領域です。

正しい医学知識を持たなくても施術が行えるので、症状の悪化につながる恐れもあります。

マッサージを受ける際は、「あん摩・マッサージ指圧師」の資格を持つ

治療者に行ってもらうのが賢明でしょう。

下のURLは厚生労働省が作成した、あん摩・マッサージ指圧師や鍼灸師などの“資格者”と

“無資格者”を見分けるポイントがまとめられたものです。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000118514.pdf

鍼灸と整体

こんにちは、長岡哲輝です。

今日、診療中患者さんにこんなことを聞かれました。

「先生、鍼灸と整体は違うんですか?」

鍼灸、マッサージ、整体、整骨院は一般の方からすると、

混合されがちで、これらはすべて一括りになっている印象を受けます。

前回、ブログで統合医療のお話をした、続編として

民間療法や補完代替医療について、それぞれの違いや特徴をご紹介したいと思います。

そもそも、整体という言葉は、大正時代にアメリカで誕生した「オステオパシー」や

「カイロプラクティック」という療法を「整体」と訳したのが始まりと言われています。

「オステオパシー」や「カイロプラクティック」は、脊椎の歪みを様々な手技により調節する療法です。

米国では、「オステオパシー」「カイロプラクティック」を行うものは、4年制大学で教育を受け、

資格試験に合格しなければ施術をおこなうことはできません。

オステオパシーに関しては、医師と同等に「医療行為」が許されています。

しかし、日本において整体・カイロプラクティック・オステオパシーに関する

公的な資格や教育はなく、各療法の医学的根拠や安全性も確認されていません。

特に頚椎ヘルニア、脊柱管狭窄症、圧迫骨折など器質的に問題がある場合、施術により

症状の増悪が起こる場合があるため、注意が必要です。

つづく・・・

ノロウイルスに注意!2

ノロウイルスを始めとする感染性腸炎を東洋医学的に考えてみましょう。

腸炎の主症状は、激しい下痢や腹痛です。

腸炎を起こす方の多くは、「脾胃」(消化吸収する能力)を弱らせています。

脾胃が弱い場合、体には内湿(ないしつ)といって水分が停滞しやすくなります。

そんな状態のなか、外寒(外からの冷え)が体に侵入して、脾胃の機能をさらに弱らせると

感染性腸炎にかかってしまうのです。

東洋医学的な予防方法は、普段から「脾胃」を元気にしておけばいいのです。

鍼灸では、足三里、太白、陰陵泉といったツボに普段から鍼や灸をしておくといいでしょう。

また、急性の下痢を発症した場合は、「裏内庭」というツボに灸をすることで

腹痛や下痢の症状の軽減が期待できます。

また、ウォーキングや手足のストレッチは気のめぐりを整えてくれるので、

普段から適度に体を動かすことが「脾胃を元気にする」養生になります。