ノロウイルスに注意!

こんばんは、長岡哲輝です。

ノロウイルスは感染性腸炎の原因菌のひとつで、

冬季(11月~1月)に発生しやすいことが分かっています。

症状としては、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などです。

ノロウイルスはインフルエンザなどと違い、ワクチンがないので感染予防が重要です。

感染経路として、最も多いのは経口感染(口からウイルスが侵入すること)です。

感染の原因となる食品はカキ、しじみ、ほたてなどの二枚貝が最も多いといわれています。

特に、加熱処理されていないカキなどが原因となることが多いです。

二枚貝を食べる場合は、85~90℃以上で90秒以上加熱することが必要です。

また、感染した人の便や吐物には、大量のウイルスが含まれているため、

便や吐物を処理した手などを介して2次感染してしまいます。

食品を直接取り扱う場合は、手洗い、エタノール消毒が大切です。

つづく・・・

愛知県鍼灸師会研修会に参加

画像は日本統合医学協会より引用

こんにちは、長岡哲輝です。

昨日は、愛知県鍼灸師会が主催する研修会に参加しました。

その中でも、特に伊藤京子先生(名古屋大学医学部 総合診療科)の

「統合医療」に関する講義が印象的だったので紹介します。

伊藤先生は総合診療医であり、名大病院では統合医療を行っています。

(統合医療=西洋医学に鍼灸を始めとした補完代替医療を組み合わせておこなう医療のこと)

伊藤先生がコーディネーターを務める名大病院の「統合ヘルスケアチーム」には当院の院長が所属しており、

西洋医学的な病名がつかず、治療に苦渋するケースに対して、

鍼灸師やヨーガ療法士、運動療法士などの多職種が補完代替医療を介入して治療します。

西洋医学でてがつけられないから、鍼灸でなんとかしてください。

という並行的視点ではなく、チーム全体で患者に最善の医療を考えるのが「統合ヘルスケアチーム」です。

患者は、「みんなで自分のことを考えてもらっている」という安心感があるそうで、

それだけで治療効果が高まっているといいます。

慢性疾患の増大にともない“治癒が困難”な患者がこれから日本で増え続けます。

慢性疾患は西洋医学的な治療に苦渋する場合が多く、患者のQOLは低下しています。

統合医療は、これから需要の高まる医療で鍼灸の活躍できる場でもあります。

しかし、補完代替医療に対する医師の認知が低いため、日本ではまだまだ浸透していません。

名古屋大学附属病院で行われている統合医療の取り組みは、最先端の医療と言えるでしょう。

インフルエンザ集団感染

今年に入ってからインフルエンザの感染が全国で拡大しており、

現在患者数は300万人以上と言われています。

その中でも、特別養護老人ホームなど介護施設での集団感染が問題となっています。

特に寝たきりの高齢者は感染後の重症化が進みやすく、命を落とすケースが多くなっています。

なくなる方の殆どは、インフルエンザが直接の原因ではなく、感染が重症化し、

肺炎を合併することが原因と言われています。

フレイルになると、筋力の低下や活動量の低下に伴い、

食事の摂取量が減少し、やがて低栄養状態となってしまいます。

低栄養状態では、“アルブミン”という血中のタンパク質が減少します。

アルブミンは免疫を司るリンパ球の働きに重要であるため、

低栄養状態の人は免疫機能が低下しており、感染が重症しやすいのです。

介護施設に入所されているかたは、フレイル~寝たきりのかたが多く、

このような重症化が進みやすいという背景があります。

介護施設の感染防止策にも問題はありそうですが….

フレイルについて5

一人で食事をとることが当たり前、というかたは多いと思います。

柏市が行った調査によると、一人で食事をとるかたは栄養状態が悪く、

フレイルになりやすいという結果が出ています。

高齢者の孤食(ひとりでとる食事)は非常に問題になっています。

同じ調査で、「同居者がいるのに孤食」の方は低栄養、抑うつなどのリスクが高いと言われています。

つまり、一人暮らしかどうかではなく、孤食かどうかが問題なのです。

一人暮らしでも、友人や家族と食事の機会をつくることで

食欲がでて、様々な食品をとることに繋がり栄養状態の改善になります。

一人の食事より、みんなでわいわい食べる食事は美味しく感じますよね?

意外と普通のことが、高齢者の低栄養やフレイルの予防には重要です!

NHKで鍼灸特集!

明日の午後7時30分からNHKの「ためしてガッテン」で鍼灸が特集されます。

ここ最近NHKでは東洋医学の特集が組まれることが増えてきてます。

話によるとNHKのディレクターが鍼灸にとても関心を持っているそうです。

民放で鍼灸が紹介されることはあまりなかったので、これを機に認知が高まることと思います。

ちなみに、番組に出演される伊藤和憲先生は明治国際医療大学の教授で、僕の上司にあたる先生です。

痛み(慢性疼痛、線維筋痛症、トリガーポイント)に関する研究をされており、

尊敬する先生のひとりです。

お時間のあるかたは是非ご覧下さい。

慢性痛しびれが改善!逆子も治る!?東洋の神秘「はり治療」
http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20190123/index.html

追記 
本日の放送は錦織選手の試合のため2月20日の午後7時半に変更となりました。

フレイルについて4

フレイルには必ず筋肉の弱りが関係します。

筋力、筋肉の量が減少することを「サルコペニア」といって、

フレイルから寝たきりとなるかたに多い病態です。

サルコペニアの危険度を調べる方法があります。

「輪っかテスト」といって、自分で簡単にチェックすることができます。

「輪っかテスト」のやり方

まず、利き足では無いほうのふくらはぎの一番太いところを親指と人差指で囲みます。

この時ふくらはぎをちょうど掴める人や、隙間ができる人はサルコペニアの危険度が高いです。

隙間ができるひとは、転倒しやすく、うつ傾向にもなりやすいとも言われています。

つづく・・・

フレイルについて3

フレイルには社会的、精神的、身体的フレイルがあり、

これらはお互いに関連しあっており、

フレイル悪循環(フレイルサイクル)と言われています。(画像参照)

フレイルの悪循環を予防するためには、3つの重要な要素があります。

1.食事  2.運動 3.社会参加 です。

まず食事は、タンパク質を含んだ食事を摂ることが重要です。

特に65歳以上は、しっかりとカロリーを取ることが必要です。

高齢者は太っている(BMI28.5以上)より、痩せている(BMI19以下)ほうが

死亡率が高いと言われています。

つまり、65歳以上の方は過剰な塩分制限や、カロリー制限は必ずしも必要ではありません。

しっかりとタンパク質を摂取しながら、3食バランスよく食べることが重要です。

つづく・・・

フレイルについて2

活力や体力が衰えてきた高齢者のことを「フレイル」といいます。

フレイルの診断基準として

1.体重減少(1年間で3~4kg減少) 2.活動量低下 3.疲労感 4.移動能力の低下  5.筋力低下

のうち3つ以上当てはまる場合をフレイル、1~2つ当てはまる場合をフレイル前段階と診断します。

また身体的な問題だけでなく、認知症や抑うつ、意欲の低下など精神的な「メンタルフレイル」、

外出や地域交流の減少、閉じこもりなどを「ソーシャル(社会的)フレイル」

これらの要素が絡み合って、要介護や寝たきりとなり心身の自立が保てなくなります。

フレイルによる、寝たきり、要介護、入院などの患者が増加することで、

医療費の増大に繋がり社会的な問題となっています。

そこで、フレイルの予防には3つの大事な要素があります。

つづく・・・

水曜勉強会

こんばんは、長岡哲輝です。

現在新人スタッフ3名は、2020年度の臨床デビューに向けて、猛勉強中!

今年の勉強会の目標は、新人スタッフの「臨床能力向上!」がテーマです。

臨床では、1.問診 2.診断 3.治療 が基本となります。

新人スタッフは、まず徹底的に“問診”を鍛えられますが、実際の治療の現場では

“診断”を行い、“治療方針”を決めなければ患者さんを治療することはできません。

新人スタッフは、去年だけでも、おそらく50名以上は問診を担当しました。

これからは次のステップへと進むために、診断・治療スキルの向上が必須です!

今日は、その第一弾として「首の痛み」をテーマに、

考えらる疾患や病態についてみんなで理解を深めました。

今日の資料を作るなかで、自分自身も知識の整理や新たな発見があり、

非常に充実した勉強会になりました。

一人前の鍼灸師になるためにインプット、アウトプットの繰り返しです!

フレイルについて

こんばんは、長岡哲輝です。

フレイルという言葉をご存知でしょうか。

フレイルは「虚弱」という意味のFrailtyから作られた造語で、2014年に老年医学会から提唱されました。

筋力や活力が低下している高齢者をフレイルといいます。

日本は超高齢者社会で・・・という話は退屈だと思いますが、

日本の平均寿命がどんどん上がり、元気に長生きする高齢者が増えてくる時代になります。

それと同時に、寝たきりとなり介護が必要になる高齢者も当然増え続けます。

では、元気で長生きする、いわゆる“ピンピンコロリ”な人はどれぐらいいると思いますか?

実は10%程度しかいません。

残りの70%はだんだん体が衰え、最終的に要介護状態となり死を迎えます。

元気で健康な高齢者は、やがて「フレイル」という段階を経て要介護状態に至ると考えられています。

つづく・・・