最善を尽くす

こんばんは、長岡哲輝です。

突然ですが、皆さんは鍼灸に何を求めますか?

ある研究で、鍼灸治療を受けたことのある人を対象に、

「鍼灸をどのような目的で利用したか」ということに関する調査が行われました。

結果は、80%以上が筋肉や関節の痛みなど、運動器系に関わる“症状の軽減”が目的でした。

そのほかには、“疲労回復”、“健康増進”などが挙げられています。

別の調査では、鍼灸師に求めることとして「治療の技術が高いこと」が最も多く挙げられています。

当院へ受診される方の主訴で最も多いのは、研究結果と同じく腰痛、肩こり、膝痛などの症状です。

当然患者さんは、「腰痛を治してもらいたい」と思って受診されます。

では、痛みが鍼で取れればそれでOKでしょうか? 

スキルが高いことが重要でしょうか?

前置きが長くなりましたが、

本当に鍼灸師に必要なのは、「技術を売ること」ではなく「生活を支えること」だと思います。

苦痛を抱える患者さんの“生活”、その先の“目標”を支えることが必要なのです。

柔軟な視点を持って、ひとり患者さんに「最善を尽くすこと」が鍼灸師の役割だと思っています。

この症状にこのツボが効いた!

というのは、あくまで“施術”という鍼灸治療の一面を切り取っただけです。

セルフケア、運動療法、食事、社会参加、地域連携、在宅医療、養生、予防….

鍼灸治療以外にも、ひとりの鍼灸師としてできることは非常に多くあります。

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慢性前立腺炎の症例

院長の症例です

主訴:慢性前立腺炎に伴う陰部のジンジンする痛み

20代男性

現病歴:中学生のころから尿勢弱く、尿切れが悪く、残尿感があり

4年前から陰部のジンジンする自発痛発症

弁証:肝経湿熱

処置:右蠡溝穴に30mm5番鍼、15分置鍼

経過:3回の治療で4年間毎日続く陰部の自発痛は消失する

※陰部疾患に蠡溝は素早く効果を表す経穴で、肝鬱(ストレス)がらみの場合は特に効果的

今日の症例:小便不利、尿量減少、排尿頻度現症、残尿感を訴える女性に蠡溝を使って1回で治癒

しもやけについて

こんにちは、長岡哲輝です。

寒さが本格化してきて、室内と屋外の気温差が激しい時期になってきました。

みなさんも一度はしもやけになった経験があるのではないでしょうか。

しもやけは、手足末端、頬、耳などに起こりやすく、

皮膚が赤く腫れたり、痛み、かゆみなどを引き起こします。

原因としては、寒い風にあたったり、冷たい水に触れたりする「寒冷刺激」により起こります。

寒冷刺激を受けると、血管が収縮して血流が悪くなります。

収縮した血管は元に戻ろうとするため、今度は逆に血管が広がり過ぎてしまい

皮膚が赤くなったり、痛みが起こり、ひどいと水ぶくれのようになります。

しもやけには、血流を改善させるビタミン剤や塗り薬が一般的ですが、

鍼治療でも効果が期待できます。

しもやけの患者さんには「刺絡」という、指先から血を抜く治療を行います。

末端に滞っている血液を抜くことで、血流を回復させ、すみやかにしもやけを解消してくれます。

予防としては、冷たいものに触れない、手袋、耳あてなどで末端部を外に出さないことが大事です。

インフルエンザ流行中2

インフルエンザはまず“予防接種”が重要です。

インフルエンザワクチンは、「インフルエンザの感染を防ぐ」効果と、

「重症化を予防する」効果が期待できます。

インフルエンザワクチンを接種しなかった人とした人を比べると、

発症するリスクが60%減少すると言われています。

ワクチンを接種したから必ずインフルエンザを防げるという意味ではありません。

しかし、肺炎や脳症など重篤な合併症を防ぐ効果が期待できます。

予防法として、基本的な手洗いうがいはもちろんですが、

空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下するのでウイルスが侵入しやすくなります。

部屋の湿度は50~60%を目安に、加湿器などで調節するといいでしょう。

前回も書きましたが、インフルエンザは飛沫感染です。

1m以内の範囲での咳やくしゃみなどから感染するので、

人混み、繁華街に出るときのマスク着用はとても重要です。

基本的なことがとても重要なので、これを機会に予防を心がけましょう!

明治国際医療大学がNHKに!

番外編です!

僕が以前所属していた明治国際医療大学がNHKワールドで取材を受けました!

NHKワールドは、民放ではありませんが世界各国でネット配信される国際放送です。

番組の中では、明治国際医療大学附属病院で行われている、がん患者への鍼灸治療や、

附属鍼灸センターで行われている臨床の様子などが取材されました。

外科の回診の様子です。

回診では、医師、看護師、鍼灸師、大学院生が病棟患者のもとへ回診へ伺います。

番組の前半は、胃がん術後の患者に対する鍼灸治療についてです。

後半は、明治国際医療大学の福田教授による、抗がん剤の副作用に対する研究や

うつ病患者への鍼灸治療について解説があります。

全編通して英語ですが、興味のある方は一度御覧ください!

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/vod/medicalfrontiers/2050065/

インフルエンザ流行中

こんにちは、長岡哲輝です。

最近、インフルエンザが非常に流行しています。

皆様の周りにもインフルエンザを発症されている方が多いのではないでしょうか。

国立感染症研究所が出している情報によると、

愛知県は全国で最も患者数が多い県になっています。(2018年12月26日の記録)

県内では全域にインフルエンザ警報がでており、

特に南区、豊田市、岡崎市、春日井市、瀬戸市などは患者数が多い地域です。

県内は、A型インフルエンザ(AH1pdm09)が最も多く検出されています。

インフルエンザは毎年冬~春先に流行する感染症で、

発熱(38℃以上)、悪寒戦慄、筋肉痛、関節痛などの全身症状が急速に出現するのが特徴です。

インフルエンザは飛沫(ひまつ)感染ですので、感染者の咳、くしゃみなどを吸い込むことで感染します。

飛沫感染は1m以内の距離で最も感染力が強いため、マスクを着用は必須です。

インフルエンザの予防や対策については、また明日です!

2019年診療スタート!

新年あけましておめでとうございます、長岡哲輝です。

今日から2019年の診療がスタートいたしました。

お陰様で予約は全て埋まっており、忙しい1日になりました。

お正月休み中ということもあり、穏やかに過ごせている方が多い印象でした。

私も年末年始は穏やかに過ごすはず、でしたが….

恥ずかしながらインフルエンザを発症してしまいました(泣)

休みになり気が抜けたのでしょうか、医者の不養生とはこのことです(笑)

ということで、今年の目標は

体調管理!!!

患者様とともに健康な一年でありたいと思います!

仕事の目標は、”地域とのつながり”を強めること。

特に在宅医療を行なっているクリニックや訪問看護ステーションとの連携を図り、

地域医療に貢献できる治療院をつくるため、地盤づくりの一年にしたいと思います。

去年は、往診患者さん2名をお看取りする(亡くなる直前まで治療する)件がありました。

鍼灸師としてできる最善は何か?改めて考え直すきっかけとなりました。

私たちにできることは非常に微々たるものです。

しかし、チーム医療の中では時に大きな力となって、患者様の支えとなります。

鍼灸師一人では解決できない問題は、多職種と協力する体制が必要になります。

課題は山積み、ひとつひとつ問題をクリアして大きな目標に向かって頑張りたいです。

今年も長岡治療院をよろしくお願いいたします!

今年を振り返って

久しぶりの院長の投稿です

本日午前6人の急患さんの治療を終わり今年の診療が終了

12月に入って猛烈に忙しくスタッフもフル稼働

10人のスタッフ全員が元気でいてくれたのがなにより

今年のトピックス

①春からフレッシュな新人2人がスタッフに加わった

 どちらも開業目標がありとても優秀で教えがいがある

②9月から長男の長岡哲輝がスタッフに

 明治国際医療大学修士課程を修了後附属病院で

 外科手術後や、がん化学療法の副作用について臨床と研究を深め
 
 多職種医療連携の在宅医療にも携わった経験を活かして

 将来の院長候補として頑張ってます

③全日本鍼灸学会学術大会が来年5月に名古屋市で開催されるこの機会に

 「リベド血管症の一症例」の症例報告の抄録を慌ただしく作成し投稿完了

 この疾患についての学会発表は過去一度もないので参加者の反応が楽しみ

 今後は多数ある有効症例について来年以降の学会発表の為の資料作りを進めたい

④9月に胆囊結石の手術で入院

 スタッフたちの勧めで長期間休養させていただきました(感謝!)

 担当患者様には大変ご迷惑ををおかけしました(陳謝!)

⑤あらゆる疾患、特に難病に於ける神魂の関わりについての理解を深める

 正しく病態を分析する上で七情の過不足の問題は非常に重要

 患者自身が気づいていないことが多く

 信頼関係を深めながら、ご自身で気づいていただくことがキモ

※今年を振り返る最後にいち天文ファンとしてこの動画を贈ります

(wikipediaより)
ペイル・ブルー・ドット(英語: the Pale Blue Dot)とは

1990年に約60億キロメートルのかなたからボイジャー1号によって撮影された地球の写真である

太陽系家族写真の1枚として撮影されたこの写真では、広大な宇宙に対して

地球は0.12ピクセルの小さな点でしかない

ボイジャー1号は当初の目的を達成して太陽系を離れるところであったが

カール・セーガンの依頼を受けたアメリカ航空宇宙局 (NASA) の指令によってカメラを地球に向け、

この写真を撮影した。撮影された地球が淡く青い点(a pale blue dot)であったことから

この写真自体が「ペイル・ブルー・ドット」(Pale Blue Dot)と名付けられた

2013年現在、地球から最遠の場所で撮影された地球の写真である

このブログを見ていただいた全ての方に深く御礼申し上げます

皆さま健やかで素晴らしい新年をお迎えください

今年も残り2日

こんにちは、長岡哲輝です。

今年の診療も残すところ今日と明日の2日となりました。

みなさん今年はどんな一年でしたか?

私は、京都の明治国際医療大学から長岡治療院にきて早4ヶ月が経ちました。

今年の漢字は「災」という漢字ですが、

私自身、今年の1年を漢字で表すなら「繋」ではないかと思います。

京都の大学では、研修指導生という新制度に1年目で入ることができたのは

私の恩師である教授からのお声掛けがあったからです。

また、この一年で病院内や学会などで医師、看護師、理学療法士など様々な医療職種と関わることができ、

人と人との繋がりを強く感じました。

ブログで紹介させて頂いたアサンテナゴヤの方々との繋がりも、偶然のきっかけがあったからです。

これまで「点」として認識していた自分の中で経験が、

長岡治療院で臨床に携わるなかで、それが「線」として繋がっていると感じます。

残り2日、みっちりとつまった予約。

皆さまが穏やかな年末を過ごせるよう、心をこめて治療させていただきます!

風邪にショウガ

こんにちは、長岡哲輝です。

ココ最近、風邪が主訴の患者さんが増えています。

50代、女性の1例です。

風邪をひき、喀出しにくい痰と咳が持続している状態。

脈は浮、やや数(早い脈)、舌の赤みが強く、苔が無い。

東洋医学的には、風熱証、肺陰虚と考えました。

問診していると、風邪のひきはじめにショウガとにんにくを大量に摂取したとのこと。

一般的には、ショウガやにんにくは風邪に効く!という印象がありますが、

内熱タイプ(体に熱がこもっている)の方は、ショウガ、にんにく、ねぎ、にら、などは

内熱をさらに悪化させ、風邪をこじらせてしまう危険があります。

患者さんは、もともと内熱タイプ。

風邪をひいて熱がこもったところに、更に食材の過剰摂取から内熱が悪化してしまいました。

対処法としては、体を冷やす野菜(白菜やトマト)や、果物(梨や柿)を摂取すること。

治療は、肺にこもった熱を取る“尺沢”や“魚際”、清熱作用のある“風池”や“大椎”に鍼をしました。

食材もそれぞれツボと同じように、性質があります。

ショウガやにんにくは体を温め、発汗させるため、

内熱(体に熱がこもっている)、陰虚(体の水分が不足している)体質の方は要注意です!