中枢感作とは

顎関節症、線維筋痛症、慢性疲労症候群、原発性月経困難症、過敏性大腸炎・・・

これらの疾患では、普通は痛みと感じない程度の体の異常でも

強い痛みと感じられるようになる

痛みの感覚は命を維持する上でとても重要な感覚で

緊急時には生命の維持に不必要な痛みの信号はカットされ

微細でも危険な信号は増強される

不安な精神状態でも痛みは増強される

このような中枢の機能は、下降性疼痛抑制系と呼ばれている・・・

中枢感作とは

この現象はtemporal summation of second pain

または簡単にwind upと呼ばれ

中枢が疼痛の感度を増大する機能を持っていること示す

健康な人でもこのwind upは起きるが

顎関節症、線維筋痛症、慢性疲労症候群

原発性月経困難症、過敏性大腸炎等では

異常な痛み感度の増大が起きることが報告されている

そして、この異常なwind upを中枢感作と呼ぶ・・・

中枢感作とは

西洋医学では原因不明の慢性疼痛で

「痛みを感じる中枢神経が過敏な状態」

という症例に遭遇することは少なくない

これを「中枢感作」という

通常は痛みと感じない程度の刺激を皮膚に連続的に加えると

徐々に痛みを感じるという現象を研究していた

MendellとWallは

皮膚の感覚受容器から脊髄に送られる信号は増加しないにもかかわらず

脳に送られる信号は増加していることを見いだした・・・

顎関節症と随伴症状

ほとんどの大学病院や歯科医院で

顎の症状と全身の症状は別個の疾患と考えられ

整形外科、心療内科などに紹介される傾向がある

あごに関係した症状だという訴えは無視され

統計的には顎関節症患者の10%に

肩の痛み、首の痛み、腰痛、睡眠障害などの随伴症状があるので

多くの患者さんたちが行き場を無くしている・・・

線維筋痛症と顎関節症

近年の研究によって

腰痛、肩こり、顎関節症、緊張型頭痛などの筋・筋膜痛は

Fibromyalgia(線維筋痛症、FMS)と関係が深いこと

筋・筋膜痛と線維筋痛症(FMS)が連続した疾患であること

大胆にわかりやすく言えば極端に悪化した筋筋膜痛が

線維筋痛症(FMS)であると考えられるようになってきた・・・

顎関節と体調不良との関係

顎関節症は顎が痛み、口が開きにくくなる病気

顎の症状から肩や首や背中、腰痛、頭痛等

全身の慢性疼痛に移行することがある

こういった全身症状や不定愁訴と顎関節症の関係について

歯科でも多くのの研究が行われているが

現在のところ、関係性と治療法に関しての

歯科医の間でのコンセンサスは形成されていない

以下続く

外側翼突筋への刺鍼

難治性の慢性の痛みは

心身の複合的な要因が重なっていることが多い

難渋する痛みの疾患に対して

外側翼突筋への刺鍼が奏功することがわかってきた

刺入を工夫して筋膜に当て響きを得ると

数十秒で難治性の痛みが寛解していく

適応症と治効理論は徐々に明かしていきたい・・・

鍼灸学会行ってきました

鍼灸学会行ってきました

大阪ハイアットリージェンシーホテルと森之宮医療大学の2会場

5題の基調講演

5題のシンポジウム

7題の鍼灸実技セッション

6題の教育セミナー

その他ワークショップ、臨床トレーニング

ランチョンセミナー、イブニングセミナー

ポスターセッション280・・・

という膨大な内容が複数会場で同時進行

最も期待していたセミナーは期待通りだった・・・

明日は鍼灸学会学術大会

明日は大阪で

第67回全日本鍼灸学会学術大会に参加

鍼灸の学会で最も規模が大きく

毎年楽しみにしている学会のひとつ

宝探しをするつもりで

最新情報を集めてきます

病気にならない努力

病気になったら病院に行って薬をもらえば良くなる・・・

そう信じて健康に生きる努力をしない人がいる

多くの人は健康で長生きしたいと思うが

そのために努力をしなければいけないと思う人は多くはない

長年心臓外科医として患者と向き合ってきた

北関東循環器病院院長の南和友医師が

「なぜもっと早く病気にならない努力をしてこなかったのか」

と思わされることがしばしばあるそうだ・・・続く