診断のつかない身体の不調:MUS

今回は、最近注目を集めているMUS(Medically Unexplained Symptoms)についてお話ししたいと思います。

MUSとは、医学的には診断のつかない病気や症状のことを指します。

つまり、画像診断や血液検査などをしても異常がみつからない「原因不明の不調」のことを指します。

例えば、からだがだるい、動悸、お腹の不調、めまい、ふらつきなど・・・

このような状態にお悩みの方も多いのではないでしょうか。

まず第一に、MUSは単なるからだの不調だけでなく、こころの問題や、社会的背景が影響していると言われています。

過去のトラウマ、ストレス、または社会的な状況が、身体的な不調を引き起こす可能性があるのです。

したがって、MUSの治療においては、からだの症状だけでなく、患者のこころの状態や生活環境も含めて、

そのひとを「まるごとみる」という視点が必要なのです。


当院では、MUSに対するアプローチを重要視しています。

鍼灸治療で単に症状をなくすことが目的ではありません。

もちろん、症状が楽になることはとても重要です。

しかし一番大切なのは、患者さまがWell-Beingな状態になることです。

(自分のからだとお付き合いしながら、日常を楽しく過ごせている状態ともいえます。)

Well-beingはひとりひとり違うので、目標に向けて、私たちと患者さまが互いに歩み寄る関係性が大切だと考えています。

お互いにコミュニケーションを取りながら、症状や心身の状態をじっくりと理解し、最適な治療法やケアを提供していきたいと思います。

MUSにお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。私たちがお手伝いさせていただきます。

腎虚とインナーマッスルの関連性

腎虚は、東洋医学においてとても重要です。

まず、腎虚の症状としては、もっとも多いのは「慢性腰痛」です。

繰り返す腰痛に悩まされる人は東洋医学的には「腎虚」であることが多いです。

そのほかにも、おしっこのトラブル、疲れやすさ、四肢の冷え、代謝の低下などが挙げられます。

筋力低下により代謝が低下するため、手足が冷えやすくなったり、疲れやすくなります。

さらに、腎虚の身体的特徴として、「小腹不仁(しょうふくふじん)」という状態があります。

これは、下腹部に力がなくなり、その部位を触ると知覚が鈍くなっている状態を指します。

慢性腰痛の患者さんの多くは、インナーマッスルが弱化しており、小腹不仁を呈することが多くあります。

したがって、腎虚の状態では、特に体幹部の筋力や安定性を強化することが重要です。

適切なエクササイズやストレッチを行い、腹横筋や骨盤底筋群、横隔膜などのインナーマッスルを鍛えることで、腎の健康をサポートし、全体的な健康を改善することができます。

つづく・・・

みなさまのおかげで!

長岡治療院は、令和6年6月に開設35周年を迎えることができました!

これもいつも通っていただいている患者様みなさんや、スタッフ一同のおかげです。

開設記念日には毎年恒例うなぎが定番。

日頃の頑張りを労いつつ、みんで精をつけることができました!

これからも長岡治療院をよろしくお願いします!

長岡亨先生の1周忌

5月22日、長岡亨先生が亡くなり今日で1年。
平成元年に開設した長岡治療院は今年で35周年を迎えることができました。

待合にある父の遺影の前には、いつのまにかお供えものがたくさん。
ワインやお餅や車などなど…好きだったものばかり。さぞ喜んでいることでしょう。



長年院長が担当していた患者さんから、こんなことを言われました。
「先生はほんとうによく話を聞いてくれた。わたしの性格とか、趣味、生き方すべて理解してくれた。だから何でも気兼ねなく話せました。」
きっと性格とか趣味を理解しようとしていたのは先生だけでなく、患者さんみなさんもまた、先生ことを理解してくれていたのだなぁとしみじみ感じました。

そういう関係性をなんというんでしょうね。

父親もまたひとりの患者であったにも関わらず、ひとりひとりの患者を理解しようとし、最後まで治療を提供しつづけました。
そういう姿に、鍼灸師としてのプロフェッショナリズムを感じずにはいられません。

わたしも長岡治療院の新院長として、地域のみなさまに愛される、なんでも相談できる、すてきな街の鍼灸院をつくっていきたいです!

東洋医学の可能性

昨日のNHKスペシャルはご覧になりましたか?

とても勉強になる内容で、改めて鍼灸の可能性を実感しています。


番組でも紹介されていましたが、近年、鍼灸に関する論文数は急激に増えており、その効果が科学的に証明されつつあります

特に、鍼が迷走神経を刺激することで、副腎や消化器、心臓など様々な臓器に良い影響を与えることが分かってきました。

迷走神経が活性化されると、自律神経のバランスが整い、ストレスが軽減されるだけでなく、免疫力も向上すると言われています。

番組内では、敗血症という重度の感染症の治療に鍼灸が活用されている場面もありました。

しかし、日本ではまだ鍼灸を行える病院が少ないのが現状です。

多くの病院は西洋医学を中心に治療を行っており、鍼灸を取り入れているところはごく一部です。

このため、鍼灸の有効性がもっと広く認識される必要があります。


西洋医学と東洋医学の両方の良いところを活かすことで、より効果的な治療が可能になります。

例えば、慢性的な痛みやストレス関連の病気に対して、薬物療法と鍼灸を併用することで、治療効果が高まることが期待されています。

今後は、東洋医学と西洋医学が協力し合って、より良い医療が提供できるようになることを願っています。

鍼灸師として、鍼灸の効果をもっと広め、東洋医学の可能性を追求していきたいと思っています。

NHKスペシャルで東洋医学の特集があります

先日放送された「トリセツショー」はご覧になりましたか?

わかりやすく、かつ科学的な内容で鍼灸師でも大変勉強になりました。


さて、今回はNHKスペシャルでも鍼灸・漢方の特集があるようです。

東洋医学を“科学”する 〜鍼灸(しんきゅう)・漢方薬の新たな世界〜

モデル・冨永愛さんが専門家に体調や体質を見てもらいながら東洋医学を体感。

世界の最新研究や臨床現場のドキュメントから、西洋医学と東洋医学の融合で広がる新たな医療の可能性に迫っていく。

とのことです。

5月19日(日)21:00~

ぜひご覧ください。

https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/57RRJM47NY

NHKで鍼灸のツボ特集があります

NHKの「明日が変わるトリセツショー」という番組で、鍼灸の特集があります。

▼東洋医学の神秘“ツボ”を大解明!驚きの正体とメカニズムとは?

▼腰痛・肩こり・疲労・美容おすすめツボ大紹介!

などなどツボに関する内容となっているようです。

https://www.nhk.jp/p/torisetsu-show/ts/J6MX7VP885/episode/te/NY268XZKKG


実は以前に、全日本鍼灸学会会員に向けて「よく使うツボは?」というアンケートがありました。

まさかNHKが絡んでいるとは知りませんでした。


「東洋医学ホントのチカラ」という番組をご存知でしょうか。

ディレクターの山本高穂さんは、東洋医学にとても関心のあるかたらしく、

鍼灸の魅力を多くの人に知ってほしいという思いで、番組制作をしているそうです。

こういった番組で鍼灸の効果を正しく広めてもらえるのはとても意義のあることですね。

5月16日(木) 午後7:30〜午後8:15からです。

あなたの肌はウエット?ドライ?

今日は1日雨が降り、ジメジメとした嫌な天気でしたね。

肌にまとわりつくような汗が不快感をよりいっそう高めていました。

患者さんの症状としては、めまい、頭痛、関節痛が多かった印象です。


これからの梅雨時期、実は皮膚の状態をみると色々分かることがあります。

通常湿度が高いとき、皮膚は適度な湿り気のあるウェットな状態が正常ですが、

過剰に発汗しすぎてベトベトしていたり、逆にカサカサなドライな肌のひともいます。


肌がベトベトしやすい人は、東洋医学的には湿熱といいます。

日頃から飲食の不摂生で胃腸に負担をかけているひとや、肌に炎症が起こりやすいタイプ。

アルコールや香辛料、油物は極力控えて、季節の野菜や果物を積極的に摂るといいでしょう。


逆にカサカサしてドライな人は、陰虚といいます。

潤いが足りない状態で、慢性的な睡眠不足、ホルモンバランスの乱れ、水分不足などがあります。

睡眠リズムを整えるのが最優先、水分を1~1.5Lほど摂るようにしましょう。

大豆、豆腐、大根、ゆり根など、白い食べ物はホルモンバランスを調整してくれるのでおすすめ。

また、汗が出過ぎるような激しい運動や、長風呂・サウナなどは体力を消耗してしまうので要注意。

低FODMAP食とは?鍼灸との相乗効果で腸の健康を促進しよう!

今日は「低FODMAP(フォドマップ)食」についてご紹介します。

低FODMAP食は、特定の炭水化物を制限する食事法で、腸のトラブルを抱える人々にとって重要な役割を果たします。

FODMAPとは、発酵しやすい炭水化物の総称で、(果物、野菜、穀物)などに多く含まれています。

この炭水化物を摂取することで、腸内で発酵が進み、ガスや膨満感、下痢などの不快な症状が引き起こされることがあります。

低FODMAP食では、これらの炭水化物を制限することで、腸内の症状を軽減します。

具体的なFODMAPの分類は以下を参考にしてみてください。

画像は上記サイトから引用

いわゆる粉物の摂取が多く、腹部症状があるひとは要注意。

玄米や米粉、全粒粉のパンに置き換えるなどして対応しましょう。

さて、鍼灸との相乗効果についてですが、鍼刺激は特定のツボを刺激すると、体性神経を介して上位中枢へ働き迷走神経を賦活します。

一方で体性神経は脊髄神経節を介して交感神経系にも働くため、結果的に胃腸の蠕動を抑制したり、逆に促進することが可能です。

消化器症状に対しては、鍼灸が有効であると考えられます。

低FODMAP食と鍼灸療法を組み合わせることで、腸の健康を促進する効果が期待できます。

食事制限だけでなく、自律神経を整える鍼灸が相乗効果を発揮し、腸内の不調を改善することができるのです。

まとめると、低FODMAP食は腸のトラブルを抱える人々にとって有益な食事法であり、鍼灸療法と組み合わせることでさらなる効果が期待できます。

ぜひ、ご自身の健康に取り入れてみてください。胃腸の不調がある方は、お気軽にご相談ください。

休診日のお知らせ

4月29日(昭和の日)は以下の時間で診療いたします。

9:00~11:30

14:00~17:00

GWは5/2(木)~5/5(日)まで休診いたします。

5/6(振替休日)から診療いたします。

何卒よろしくお願いいたします。