老子の言葉

老子の言葉

第29章 偏らない自然な中間が大切

まさに人間は、天下をとろうと欲張って頑張りますが

私は人間が天下を取ったのを見たことがありません

天下や社会とは神様の意志を受ける容器であって

これに対して人間が何かを為そうとしたり

支配しようとしたりしても、そうはならないのです

天下に何かを為そうとする者は必ず失敗し

天下を取ろうとする者は大きなものを必ず失います

コノ世の物事というものは、人の思うままにはならないのです

誰かが天下を取ろうとすれば、同様に他者も天下を取ろうと現れます

物事には、弱い勢いの時もあれば、強い勢いの時もあります

強いモノもあれば、弱いモノもあります

育てる者もいれば、それを壊す者もいます

このような様々な状態が混ざることが自然であり

これを人間が統一することなど不可能なのです

だからこそ聖人は、やり過ぎることを避け

驕り慢心することを捨て去り、怠けることをしません

【解釈】

人間とは、自分が天下を取ったと思った瞬間から

次の崩壊が始まっているのでしょう

過去の歴史を見ても言えることであり

国や企業や個人の栄枯盛衰を見ても然りです

しかし、これを避ける、良い状態を継続させる方法が、ただ一つだけ存在します

アリストテレスやパスカルも人間は「中間を意識すること」が最善な存在だと示唆しています

釈尊がズバリと「中道」、つまりどんな物事にも偏らず執着せずに歩む生活が

悟りに至る人間の必須条件だとしました

なにやら世間を騒がせている、かの国の指導者に聞かせたいと思いますが

自分は天下を取ったと「区切り」を意識したり

中間で「いよう」などと思った瞬間から、すでにそうではないのです

自然な流れの最中に、自然で中間でいることが大切で

人間は、何かの最中に続ける限り成長をするのです

鍼灸学会認定試験

(公社)全日本鍼灸「学会認定鍼灸師」の資格取得が

今年の大きな目標

鍼灸関連団体では会員数が最も多く

最近は医師の会員も増えていると聞く

H28年度会員数は4625人

その内「認定鍼灸師」は僅か320名(6.9%)

医師会の専門師認定制度と似ているが

余りにも少数なので取得する価値はあると思う

認定制度履修基準の学会参加80点を満たすと

認定登録申請の資格が生じこの度申し込みが済み

本日付で認定登録試験問題を入手できた

設問は6問

1.「医の倫理」

2.「関係法規・公衆衛生学領域」

3.「鍼灸学史(黄帝内経・難経の医古文の論考」

4.鍼灸基礎医学領域

5.「鍼灸臨床医学領域1(運動器以外)」

6.「鍼灸臨床医学領域(運動器)」

詳細は明かせないが以上6の設問に対して

1,000字~1,500字以内で回答を約一ヶ月でメールで提出

合格すると晴れて「認定鍼灸師」となる

多忙を理由に10年前から先延ばししていた懸案だけに

休日返上で一ヶ月勉強に専念するつもりだ

不測に立ちて無有に遊ぶ

老子曰く「不足に立ちて無有に遊ぶ」

未来を憂えない生活の指針の言葉で

何も未来を予測せずに無心でいることが一番強いことであると説いている

武道の世界で例えると

柔道でも剣道でも、試合で相手と対峙した時

相手がどんな動きをするかシュミレーションするよりも

無心でいる方がより強いものだ

予測と違った動きをされた時の反応の遅れは致命的になる

何も考えていないというのが、最も速やかに対応できる状態であり

それが強さになるということである

今の日本人の生活で例えると

仕事でも家族のスケジュールでも

誰でも計画を立てすぎているように感じることがある

いろいろなことがあまりにも細かく決まっているため

気で感じるとか、直観に頼るといった機会が少ないと感じる

「無有に遊ぶ」に込められた意味は

未来はここにはないのだから

「ないという今を遊ぶ」ということです

多くの人は、今日やるべきことが終わると

明日やることをつい引き寄せてしまいます

「明日できることは今日はやらない」

という強い信念がないと人間は休めないのです

「無有に遊ぶ」とは忙しい現代の私たちにとっても大事な教えなのです

鍼灸医学の弁証論治

あらゆる疾患で病態把握をする上で

「弁証論治」はかかせない

「弁証論治」とは中医学における診断・治療法を示す方法論

その診察方法は四診という(望,聞,問,切)で構成され

これらから中医学的疾病の情報を収集,統合,分析し

診断と証の分類(弁証)を行い処方を決定する診断法だ

弁証は,八綱弁証,病因弁証,気血津弁証,臓腑弁証などの弁証法だけでなく

病位,病因,病性,邪気,正気などを加味して行われる

中でも,その基礎をなすのが八綱で(陰,陽,表,裏,寒,熱,虚,実)であり

これらにより人体の正気の強弱,病変部位の深浅,病邪の盛衰などを総合的に分析する手法

ある東洋医学誌の紙面に中国では”中医師”であっても

弁証することができない人もいるそうで

ただ痛むところだけに鍼をすることしか知らない彼らは「鍼灸工」であって「鍼灸医師」ではない

これは大工職人と同じようなもので、家具を作ったり家を建てることはできても

”設計”することができないのだと述べていた

正確に弁証論治ができるように日々研鑽をすることが求められている

めまいの鑑別

めまいの鑑別は

メルエル病

良性発作性頭位めまい症(BPPV)

前庭神経炎

中耳炎・聴神経炎

外リンパ瘻

主にこれらの疾患が考えられる場合

または診断がついている場合は

鍼灸治療の適応症

すぐに医療機関にコンサルテーションすべき疾患

脳血管障害

椎骨動脈解離

脳腫瘍

これらが考えられる場合は速やかに専門医への紹介が必要

鍼灸院で最も多く診られる目眩はBPPV

鍼灸またはエプリー法で治りやすい

目眩の範疇には入らないが

”フワフワ”する浮遊感もとても多い訴え

多くは”腎虚””肝陽上亢””血虚”などが多く

弁証論治で解決できる

http://www.n-*acp.com

健康書籍に気を付けましょう

久しぶりに来院された腰部脊柱管狭窄症の患者さん

坐骨神経痛・腰痛が悪化しているので問診すると

「腰の下にテニスボールを入れて運動をしました」

「知人が進めた本に書いてあった運動をしていたら症状が悪化した」

その本を見せていただいた

タイトルは「腰部脊柱管狭窄症は自分で治せる!」1,180円

薄くて小さい本終わりに高い

内容を見ると

腰をそらすような運動の指導がたくさん書いてある

「腰部脊柱管狭窄症」と診断されている患者さんには絶対に勧められない内容!

著者はないやら怪しげな肩書が羅列してあるが、柔道整復師と書いてあった

TVの健康番組にも言えるが、「こんなことが書いてあった、TVでやっていた等」

見聞きした健康情報は試す前に担当者に尋ねることは、信頼関係を保つためにも必要

胃腸風邪にご注意

年末年始にかけて風邪や、胃腸風邪にかかった方が多い

師走を慌ただしく過ごし、飲食不摂生になり

脾胃に湿熱をこもらせ、風寒邪を受けて発症する

あるいはストレス過多(肝鬱気滞)だった人が

休暇に入ってホッとして衞氣をやぶられて風邪になる

こういった方がとても多い

気が張っていると風邪もひかないものだが

日頃から気が張り過ぎている人は、休暇には注意が必要

床暖房で冬も快適

新しい治療院を建築するにあたって

床暖房と断熱を考えた

断熱は治療院の壁床天井の隙間に

発泡ウレタンフォームを充填(これは防音断熱が凄い)

治療室と待合室の床には

厚さわずか5㎜の電気式床暖房が敷き詰めてある

遠赤外線が出ているので

一度温まると断熱材の効能もあって

昼からは天井のエアコン暖房がいらなくなるほど

この時間も床暖房が少し入っているだけで

湿瘟24℃と快適な温度を維持してくれる

電気代も大幅に節約 患者さんも心地よい

空気も汚れないといいことずくめ

新築やリフォームの際はお勧めです

電気式床暖房”ひなたごこち”

http://www.3103.co.jp/products/yukadan1.html

今日から仕事始め

今日から仕事始め

新年にあたって今年の目標を

1.名大統合ヘルスケアチームの継続参加

2.(一社)愛知県鍼灸師会学術部として会員資質向上の講習会の開催

3.中医学研究会(一社)北辰会の参加

4.(公社)全日本鍼灸学会認定鍼灸師の資格取得

5.野並診療所が主催する”健康Cafe”で東洋医学の講演

6.新患さんの病因病理チャートの作成

私事として

1.昨年から始めたウクレレの練習

2.フィンガーピッキングギターの再開

3.休日の散歩の継続

今年もよろしくお願いいたします

今年を振り返って

本当に一年はあっという間に過ぎ去っていく

今年一年を振り返って

私事から

1.還暦を迎えたこと

2.83歳になる母親が1年前に体調を崩していたのが嘘のように元気なこと

3.家族4人がそれぞれ楽しみや目標を持ちながら、なにより健康でいられたこと

4.50年ぶりの小学校の同窓会の幹事をしたこと

仕事の事

1.日曜日が県内の勉強会や研究会が多く北辰会への出席率が悪かった(反省)

2.9人のスタッフ全員のスキルがそれぞれ上がってきたことと

3.個性あふれる鍼灸師の集団でありながらとてもチームワークが良かったこと

4.名大統合ヘルスケアチームを通して素晴らしい医療人との新しい出会いがあったこと

皆様、良い新年をお迎えください。

1月5日(木)から通常通り診療開始しします

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