オキシトシンが良く出る体質に改善する

痛みにとても過敏な患者さんは

背景に複雑な成育環境を持った人が多い

例えば両親からの愛情を受けたことがなく

虐待されてて育った人は幼児期から成長期にかけて

オキシトシンが不足したために

大人になって精神的に不安定になったり

痛みや不定愁訴に悩まされる人になりやすい

しかし、オキシトシンが出にくい体質の人でも

良く出る体質に変えることができる

それには周囲のサポートが必要となる

人との交流で分泌が促されるオキシトシンは

例えば非常に強い信頼関係にある患者と鍼灸師は

治療を通して患者から多くのオキシトシンが分泌されるので

鍼治療がとてもよく効き病が治っていくことを多く経験している

オキシトシンを分泌するには

どうすればオキシトシンが分泌されるか

五感に心地よい刺激を与えること

美味しいものを食べる

いい香りを嗅ぐ

大好きな音楽を聴く

美しい風景を見る

それよしなにより

体への心地よい刺激がオキシトシンを分泌する

パートナーとのスキンシップ

ハグ・キス・セックスなどでは

より多くのオキシトシンが分泌されることがわかっている

以下続く

オキシトシンの作用について

最強の脳内物質オキシトシンの作用について

オキシトシンが分泌されると脳内で様々な変化が起こってくる

①心を落ち着かせ、幸せな気分を高めてくれる「セロトニン」の分泌を促す

②やる気が出るホルモン「ドーパミン」の分泌を促す

③ストレスがかかると分泌されるCRFというストレスホルモンの分泌を抑制する

④CFRが抑制されることによってノルアドレナリンや、コルチゾールという
 
 ホルモンも分泌も抑制され、副交感神経の働きを高めて自律神経を整える

⑤ストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせるGABAというアミノ酸の分泌を促す

⑥脳内モルヒネといわれる「エンドルフィン」の分泌を促し痛みを和らげる

このようにオキシトシンは身体の健康を維持する様々な物質に作用する脳内ホルモンである

オキシトシンとは

オキシトシンとは脳下垂体から分泌されるホルモンで

「幸せホルモン」「恋愛ホルモン」「抱擁ホルモン」

「信頼ホルモン」「絆ホルモン」「思いやりホルモン」

「癒しホルモン」など、数々の異名を持つこのホルモン

分泌されるとわたしたちに以下のような効果をもたらすことがわかってきた

•幸せな気分になる

•脳・心が癒され、ストレスが緩和する

•不安や恐怖心が減少する

•他者への信頼の気持ちが増す

•社交的となり人と関わりたいという好奇心が強まる

•親密な人間関係を結ぼうという気持ちが高まる

•学習意欲と記憶力向上

•心臓の機能を上げる

•感染症予防につながる

ある特定のツボに鍼を打つとリラックスして

幸福感を感じたり心が穏やかに変化することは多く体験している

研究が進むと鍼治療とオキシトシンの関係が解明される可能性がある

以下次回に続く

院内勉強会

今夜の院内勉強会は

「問診」がテーマ

O先生の問診デビューの為に

問診のイロハから学んで

問診のロールプレイング

残った時間で体表観察

当院では初診患者さんには

約1時間の問診をしているが

目的意識を持った有義で正確な問診は

より正確な弁証に役立てることができる

こむら返りの対処法

季節を通して通称「こむら返り」はありふれた疾患であるが

夜中や明け方に突然四肢の筋肉に痙攣による痛みで飛び起きることが多い

中医学的な病因は(解りやすく解説すると)

①蒸し暑さによって湿熱が停滞する

②肝血不足で血行不良となる

③下肢の冷えで血行不良となる

殆ど鍼治療で予防ができるが

最近の夜中の暑さによって発汗過多が原因の場合は

寝る前にスポーツドリンクをコップ一杯飲むことで予防できるので試してほしい

明日はN大ヘルスケアチームRTD

N大病院 総合診療科の心ある医師たちが立ち上げた

統合医療研究チームに所属して早や4年

2012年11月25日に第1回の勉強会を開催して以降

研究段階で15回のRTD(ラウンドテーブルディスカッション)を開催

今年新たに”統合ヘルスケアチーム”として臨床が始まってから

5回の開催回数を重ね、明日は数えて第21回目のRTDとなる

長期にわたる慢性疾患の手ごわい患者さんが多いが

ここがRTDの良い所で、医師をはじめとする様々な臨床家と

同じ目線で意見交換をすることで視界が広がり

新たな気づきに繋がることは多々ある

明日も4時間たっぷり楽しんできます

夏こそ入浴で身体を温めよう

この時期入浴をせずにシャワーのひとが多い

エアコンで冷えた身体と

冷飲も過多で胃腸が冷えやすいこの時期

湯船につかって温めたほうがよい

但し、入浴することで身体が疲れる人はほどほどに

夏バテ予防にも入浴することをお勧めする

起立性調整障害(OD)

今夜の勉強会は「起立性調節障害」について

最近増加しつつある小児に多い疾患

朝に起きられない ・立ちくらみ ・全身倦怠感 ・食欲不振

立っていると気分が悪くなる ・失神発作 ・動悸 ・頭痛

夜になかなか寝つけない ・イライラ感・集中力低下

好発年齢は10~16才

有病率は小学生の約5%

中学生の約10%

男女比は男:女=1:1.5~2

一般小児科を受診した10~15才のうち

8.5%が心身症、神経症と診断され

その中で起立性調節障害は約70%と最も多い疾患

東洋医学的には虚実挟雑している事が多いので

病因病理をしっかりと捉える事が必要

軽症は短期間で治癒するが

中等度から重症の場合は長期間のケアが必要になるので

程度の見極めと、ご両親と鍼灸師の信頼関係の構築が重要となる

IBSとトマト

IBS(過敏性腸症候群)は比較的よくみられる疾患で

便秘と下痢、軟便を繰り返し、薬が効きにくいが

当院での鍼灸治療では比較的治しやすい疾患

中医学的には”肝脾不和”が最も多い

食養生は冷飲食は避けることが基本

オリーブオイルなどの良質な脂質も適度に必要で

便秘の時に食物繊維を摂ると下痢がひどくなる

プチトマトが大好きで毎晩20個も食べているIBSの患者さん

トマトは食べすぎると胃腸を冷やすので

生食を止めて少量をオリーブオイルで炒めて食するようにアドバイスした

このようにIBSの治療は食養生の指導が大切