更年期障害の中医学的考え方

黄帝内経・素問・上古天真論に

「女性は49歳で任脈が虚し、太衝脈が衰え、天癸竭し、月経が来なくなる」とある

[天癸]とは女性ホルモンと考えても良い

[天癸]の癸とは「みずのと」とも読み

すなわち水行の陰を示しており陰中の虚である

天癸が尽きてしまうことは腎陰の虚と捉え

次に肝腎同源の考え方から肝陰が虚し

それによって肝陽が上亢する

これが肝陽上亢の機序

随って治法は、滋陰、平肝潜陽が基本となる

取穴は照海、太衝、百会などが良く使われる

治療のコツはできるだけ少ない鍼で

置鍼時間を工夫すること

飲食養生法の指導も必要

鍼治療は更年期障害治療の第一選択と言っても良い

漢方薬との併用も効果的

更年期障害

更年期障害とは

更年期(閉経前後約5年、45歳から55歳)

に生じる様々な肉体的、精神的症状の総称

西洋医学的にこの時期に発生する最大のトピックは閉経であり

卵巣機能の喪失によるホルモンバランスの失調が

肉体的・精神的な症状の主因であるが

それ以外のストレスや心理社会的な要因も重なって

複雑な病態を形成するとされている

症状はおもに熱感・のぼせ・心悸亢進・発汗・不眠等

を中心とした自律神経失調症状と

不安感・抑うつ・恐怖感・疲労感などが中心の精神神経症状に分けられる

次回は中医学における更年期障害の考え方の解説

逆子治療マニュアル

逆子(骨盤位)

妊娠週数28週~33週の間に鍼灸治療が介入し

週に2回の通因頻度で4回以内に

84.2%の確率で頭位に矯正されるというエビデンスがある

担当者による有意差が出ないために

標準治療のマニュアル作成の必要を感じた

鍼灸治療でマニュアル化できる治療は

逆子の治療以外にはないと言ってもいい

帝王切開を避け母体の負担を軽減するために

素晴らしい治療なので更に精度を高めたいと考えている

院内勉強会

今夜の勉強会は

①O先生の美容鍼実技トレーニング(長岡治療院式標準治療)

②逆子の標準的鍼灸治療の学習

②については治療効果についての最新のエビデンスが出ているので

 長岡治療院標準治療のマニュアルを作成することになった

今日は夏至

今日は二四節気の夏至

一年で日の出から日の入りまでの時間が最も長い日

暑さも本格的になり梅雨明けまでは暑邪と湿邪の影響を受けるので

冷たい飲食や脂っこいものを食べすぎると脾胃の機能低下を招き

食欲不振や体がだるくなりやすい

蒸し暑い梅雨を元気に過ごすコツは

腹八分目で冷飲は控えめに

北辰会エキスパートコース参加

昨日はスタッフ3人が

(一社)愛知県鍼灸師会女性部主催の

第3回発達障害勉強会に参加

私も含めて他の3人は大阪での北辰会エキスパートコースに参加

県内の勉強会が続いたので久しぶりの北辰会

午前中の体表観察実技では腹診のフェザータッチの再確認

時々講師のチェックを受けると強めのタッチが修正できるのがよい

連風先生と村井先生の日本東洋医学会学術大会での参加報告

”鍼灸の復権”も興味深く拝聴することができ

実りのある一日だった

肘関節骨折骨移植後の関節拘縮

60代女性

主訴:右肘関節骨節し骨移植手術後遺症による、手関節拘縮

   肘関節は伸展痛、手関節背屈、掌屈痛で、細かい作業ができない

弁証:気滞血瘀、心包経、三焦経の経気不利

処置:左三陰交

効果判定:脈診の変化、舌下静脈怒張が改善、手関節背屈、掌屈痛みは消失

     肘関節伸展痛消失

仕事を続けたいという患者さんの希望は叶えられるはず

院内勉強会

今夜は院内勉強会

①体調不良スタッフの治療

②背候診の練習

③全日本鍼灸学会参加報告

参加者9名で22:30まで頑張ろう!

高齢者の低栄養

東京都健康長寿医療センターの新開省二副所長によると

「65歳以上の2~3割が低栄養の傾向にある」と警笛を鳴らしている

なかでもタンパク質の不足が目立っている

指標は血中アルブミン値が4.0g以下は低栄養と言える

対策は肉、魚介類、卵の動物性タンパク質をはじめ

野菜、大豆製品、海藻類、乳製品、脂質などを毎日偏りなく溜めることが望ましい

タンパク質は体重60㎏の男性で一日600g(肉、魚で300g)

程度の摂取が長寿で健康の目安だそうだ

また高齢者のたんぱく質不足は認知症の発症リスクを高めることもわかってきた

一日に100~200gの牛乳、乳製品を摂取している人の

認知症発生率がほとんど摂っていない人と比べ約三割低いことが明らかになった

鍼灸治療と医療連携

全日本鍼灸学会学術大会、北海道大会に参加

最も印象が残ったセッションは

「開業鍼灸師における医療機関との連携」

地域の中核病院等との医療連携を20年積み重ねた開業鍼灸師と

連携先の産婦人科医、脳神経外科医、循環器科医師との医療連携の在り方を

ディスカッション

患者さんが安心してかかれる鍼灸院とは

鍼灸で何でも治ると患者さんを抱え込まず

解らないところは医師に紹介状を書き

画像診断や西洋医学的な病名診断を得ることも大切

自分も内科医、脳神経外科医、外科医、神経内科医、心療内科医、リウマチ専門医

などと医療連携をしてるが、更に連携医を増やす必要を感じた