癌と胃の気

癌と胃の気

最近は癌患者さんを診ることが増えてきた

多くの場合、抗がん剤を使っているのだが

初診で脈診をすると、胃の気が弱っていることが多い

胃の気とは以前もブログで解説したが

生命力そのものであって、癌細胞と闘うエネルギー(免疫力)なので

胃の気が弱ると、食欲が落ちて体重が減少する

この状態が続くと癌細胞に身体が負けてしまい予後不良になる

鍼を続けていると、胃の気の脈が強くなってくる

前立腺癌で抗がん剤のために体重が8Kg落ちた患者さんが治療を始めて一ヶ月で3キロ体重が増えた

胃の気が増して食欲が出てきたのだとても感謝された・・・有難いことであるし

希望が持てる、こころも安定する

あきらめてはいけない

北辰会

昨日は大阪で開催された北辰会の

臨床コースの勉強会に6人が参加した

師匠の藤本蓮風先生の講演、

空間論の実技講習など盛りだくさんで

収穫があり、早速今日から治療に取り入れている

東洋医学とくに鍼灸の治療はいかに寒熱、陰陽、虚実

の極めて微妙な変化を視覚、触覚で感じ取ることができるか

が腕の見せ所である、ある意味では職人技の領域に入っている

臨床22年まだまだこの東洋医学は奥が深い底なしの医学であると

感じる毎日である

日々研鑽あるのみ!

http://www.n-acp

頚肩こりといえども

アンデス山脈

70代の男性患者さん、慢性的な頚肩こりで苦しみ、整形外科、接骨院、鍼灸院、指圧、マッサージ
何をしても治療直後だけ良くなるが、すぐ戻って治らない
今までの鍼治療は鍼灸師が本人が訴える局所(頚肩)に鍼を打っていた
少し楽になっても翌日はまた凝ってくるという

1時間かけて問診、20分かけて体表観察、そして弁証(東洋医学の病名を決めるプロセス)
症は「肝陽上亢」と診たてた。左太衝に一本打ち、左肝兪に一本打った(頚肩のツボは使っていない)
頚肩こりを訴える部位の皮膚は発赤し、熱をこもらせていた。”清熱”の処置をしただけである

翌日から毎日続いてどんな鍼治療をしても治らなかった頚肩こりが治った
頚肩こりは患者さんが自分で思いこんでいただけで
実際には頚肩の筋肉は全く硬くなく、他覚的にも凝りはないのである
患者さんが訴えるから治療家まで頚肩こりと思い込み
局所に鍼をたくさん打つ、そこには医学的な検証も何もない
それを医学とはいわない

なぜ頚肩こりを自覚するのかを、東洋医学による診察をしっかりおこない
弁証論治(病名を決め、治療方針を立てること)ができれば、病を救うことができる

患者さんはとても喜び、痛みで苦しんでいる知人を紹介してくださった

月経と東洋医学その5

月経前症候群

月経が始まる3日~10日ぐらい前から決まって起こるさまざまな症状を

月経前症候群(PMS:premenstrual syndrome。月経前緊張症とも)」と言う

症状は落ち込み、イライラ、不安感、腹部膨満感、便秘、頭痛、乳房の痛み、むくみ、

食欲不振(あるいは過食)など多様で、

月経が始まると自然に治まったり、軽くなったりするのが特徴。

症状が軽い場合は、とくに治療の必要はないが、

仕事に集中できない、眠れないなど、日常生活に支障が出るほど症状が重い場合は

まず婦人科で、検査を受けたうえで、異常が認められなければ

東洋医学による治療をお勧めする。

原因は

1・お血 (血液の滞りで古い血が停滞する)

2・気滞 (ストレス・運動不足などにより、気の滞りがおきる)

3・肝脾不和 (ストレスなどで、肝の機能低下によって脾の働きが弱る)

4・血虚 (栄養の偏りや、胃腸の弱りによって、血が足りなくなる)

5・気虚 (気というからだの源のエネルギー不足)

6・気血両虚 (血虚と気虚が重なる場合)

原因によって鍼灸では使うツボが違い、経過もさまざまですが、

ピル等を使う前に、鍼灸で心身のアンバランスを整えることが大切です。

月経と東洋医学その4

初 潮 続き

初潮が大幅に遅れるケースや、成人になっても全くない、

あっても時々または、来たり来なかったりという場合は治療が必要

16歳までに初潮がない場合を初潮遅延

20歳までに初潮がない場合を原発性無月経という

西洋医学的には黄体ホルモンや卵胞ホルモンの分泌異常が疑われる

東洋医学では「血虚」「腎虚」によることが多い

「血虚」は血が不足した状態

多くは小中学校の運動部に所属し、毎日のきつい練習で「血」を消耗しすぎ

加えて、食欲不振で胃腸の機能低下で栄養の吸収が低下すると”血虚”が生じるので

お子さんの運動や栄養状態をご両親が注意することが必要

舌の赤みが薄く、眼瞼結膜が白っぽい、爪の色がピンク色でなかったりすると要注意

注)「血虚」とは血液検査での貧血とは少し意味が違います

「腎虚」とは胎児期に母体の栄養不足や、健康上の問題があると、”先天の腎気不足”

乳幼児期に大きな病気を患ったり、栄養不足などでおきる”後天の腎気不足”

下半身を冷やしすぎたり、疲れすぎても”腎虚”が生じ

いずれも初潮遅延や、原発性無月経の原因となる

このように初潮が遅れている場合は、”早めに”東洋医学による治療を受けることをお勧めする

安易にホルモン剤などを使うのはその後と考える

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月経と東洋医学その3

初 潮

今は小学校4年生ごろから初潮が始まる子供がいるが

6年生になると多くの女子は初潮を迎える。

女性のからだにとって、月経が始まるということは一大事である。

女性ホルモンが活動し始め、腎気が盛んになり気血が満ちてきた証拠である。

初潮が遅い場合は、気血不足、腎虚、脾虚が考えられる。

始まっても周期に乱れがある場合は

気血不足、肝鬱(ストレス)が原因となる。

初潮の状態を知ることは女性のからだを知る上で大変重要なのである。

続きはまた明日に