胃の気とは

京都・龍安寺「気通」の書 

「胃の気」とは・・・

我が師匠、藤本蓮風先生著「胃の気の脈診」より抜粋させていただきました

≪黄帝内経≫素問 平人気象論

胃の気の有無は生死にかかわる

≪黄帝内経≫霊枢 五味

五臓六腑はみな気を胃の腑から受け取る

≪蘭室秘蔵≫脾胃論 

胃の気の不足こそ百病の大元

≪医宗必読≫

身体を健全に養うには胃の気は不可欠

≪医方考≫脾胃論

脾胃、即ち胃の気は身体の大元

≪景岳全書≫

人身における胃の気のかかわりは大きく、先天の気すら補うことができる

≪医門法律≫

胃の気は身体の大元にして、腎の臓の先天の気も、これに従う

≪中国医学大辞典≫

胃の気とは胃の腑の働きであり、どのような疾病でも第一に大事とされねばならない

≪鍼道秘訣集≫

胃の気の有無は生死を決定する

≪脈法手引草≫

胃の気の有無は生死を決す

以上中国や日本の古典にみる「胃の気」の内容を集約すると

^澆竜い聾淆]紫ァ身体の大元である

胃の気の有無は生死を決定し、かつその盛衰は元気の消長でもある、
 それ故、胃の気とは生命力そのものである

0澆竜い鯀?させることが治療の基本である

た与箸砲論菘掘Ω綸靴瞭鷂亀い存するが、これらは相補性、相互依存性があって統一される
 だが、胃の気を増すことは、そのまま後天の元気、腎を強化することである

グ澆竜い箸蓮胃の腑(脾胃)の働きである

続きは、明日臨床例から平易に解説します

パーキンソン病

せせらぎ街道の紅葉 筆者撮影

パーキンソン病

パーキンソン病の日本における有病率は

10万人当たり100~150人といわれる

特定疾患(難病)指定である

特徴的なのは安静時の震戦(ふるえ)

関節のこわばり

仮面様の顔貌

動作が緩慢

進行すると突進歩行(歩き始めは足が出にくく、止まれない)

抑うつ、自律神経症状

よく似た症状のパーキンソン症候群との鑑別が必要である

以上は西洋医学の情報

東洋医学では

多くの場合”肝気の上亢”によっておきる

”肝風内動”と弁証する

発病して初期には鍼治療が非常に有効

腰痛が主訴で来院された70代の♂

問診、望診でおおよそパーキンソン病による腰痛と診たてた

後で伺うとなんと1年以上前から発症していたが、病院では診断がつかず

つい最近やっとパーキンソン病と診断されネオドパストンが処方された

初診時の舌診では、舌と口唇が激しい震戦を見せていた

第2診目では腰痛消失、言葉も明瞭、緩慢動作も改善

関節のこわばりなし、舌・口唇の震戦なし

腰痛を治しにきたのに全身症状が改善した

病気を治すのではなく、”ヒトを治す”東洋医学の原点である

ランナーズハイ

朝焼け

ランナーズハイ

5年前にうつ病発症した男性患者さん

鍼治療を2年前から始める

徐々に薬が減ってきた

数ヶ月前から”自分の意思で”ジョギングを始めた

5㎞を30分で走れるようになる

マラソン大会の参加をお勧めした

完走できるか不安を覚えながらエントリーした

10㎞ハーフで名古屋アドベンチャーマラソンに出走

1時間で完走した結果は

”ランナーズハイ”を経験したようだ

「みんなで走ることがこんなに楽しいとは思わなかった!」

と感動した様子、ランナーズハイという”特効薬”である

完走したことで持久力・忍耐力もついたはずである

職場復帰の強い追い風になることを期待している

風邪の予防

風邪の予防

風邪の邪気には”寒邪””燥邪”が多いことは既に述べた

冬至を過ぎて、気温が下がり北風が吹く季節

皮毛は閉じて”寒邪”から身を守る準備をしている

そのような季節に大量に汗をかき汗腺が開くと、

一気に寒邪が衛気を破って裏に侵入する

所謂”邪生闘争”では寒邪の奇襲を受け、

生気が破られる、負け戦である

体は悪寒し、発熱、節々が痛み、激しい咳、喉の痛み

という急性症状が現れる

故に先人は冬は体力を消耗するようなことは避けるべし

と言っているのである

一見体が頑丈そうな若いスポーツ選手が

冬にひどい風邪を引くことが多いのはこの為である

汗腺が開いている時にはくれぐれもお気をつけ下さい

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風邪の治療

MIHO MUSEUMにて筆者撮影

風邪の治療

風邪の初期症状に鍼治療は速効性を示す

40代♀

寒気と鼻水(透明)咳、じっとりとした発汗、体のだるさ、熱はない

中医学では風邪がどの位置(病位)にあるかを弁別する

風邪の初期は体表で邪気と生気が”邪生闘争”をする

言葉を換えれば病は”戦い”なのだ

生気が勝てば邪気(風邪)が負けて病は癒える

この患者さんの場合は”風熱表症”と診たてた

左合谷に一本鍼を打つ

浮いていた脈は落ち着き舌苔も薄くなる

10分後寒気とじっとりとした汗はすぐ引いた

治療した夜は咳も出ずにぐっすり眠ってスッキリしたと元気な様子

今日は左外関に一本鍼を打つ、肺兪にお灸をすえた

鼻水が止まった

あとは、生気がしっかりしているので自然に治る

”勝ち戦”となったわけである

一本の鍼

可児市バラ園にて筆者撮影

一本の鍼とは

最近の新患さんにはほとんど鍼一本で治療をする

たった一本の鍼ゆえによく気を動かすことができる

アラユル疾患に有効

先日8年ぶりに来院された患者さん

前回は不眠症が鍼治療で治った

今回は高血圧で頭がふらふらする

血圧は180/100

充分な問診と体表観察

鍼を一本うつ

10分後に血圧は132/60に下がった

患者さんはもっと沢山鍼を打ってという

8年前は4~5本の鍼を打っていた

その印象が強く残っている

しかし、血圧を下げたくて来院された

一本の鍼で上は48下は40も下がったのである

これ以上の治療は必要ないことを説明して

やっと納得された様子

なにより血圧が安定し気分も良くなった

何故血圧が上がったのかを説明した

患者さんはココロの問題だと気づいたようである

心身一如

ココロとカラダはひとつである

うつ病治癒

京都のとあるお寺 筆者撮影

以前報告した牧師さんの経過

抑鬱症状、意欲の低下、強い不安感、不眠

全ての症状が2カ月の鍼治療で消失

結局抗うつ剤は使わずに目覚ましく元気になられた

本人曰く「意欲がでてきて、前向きに考えられる、不安感もない」

お血もなくなり、左の背部の強いこりもなくなった

今後は長期間内服している催眠鎮静剤(夜間1錠)を

治療を続けながら徐々に減量してクスリなしで眠れるように

導くことが必要、鍼治療をすればリバウンドもなくなる

ココロの病は増える一方

東洋医学で弁証して、一本の鍼を打つ

あとは自分の体が治してくれる

そして病の根本に本人が気付けば治癒する

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出産おめでとうございます!

御在所の紅葉

不妊治療での妊娠出産

42才♀

34才から不妊治療を病院で始める

人工授精を続けたが妊娠に至らず

昨年8月から御夫婦ともに鍼灸治療開始

3ヶ月後に人工授精し受精、着床、初めて妊娠確認される

途中逆子になるも鍼灸治療で治癒

10月23日3,365gの健康な女児を普通分娩で出産した

42才の所謂、高齢出産であったが妊娠中も治療を継続したことや

なにより、長年の不妊が3カ月の鍼灸治療で妊娠に至ったことは

御夫婦で揃って治療を継続したことが良い結果を得たと考える

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎続報

70才♀

58才潰瘍性大腸炎発症

ステロイド(プレニゾロン)を中止して半年

腹痛・粘液・下血とも全くなし

経過を見ながら治療を継続中

外出や旅行を控えていたが

外食や旅行、海外旅行も不安なく出かけられる

難病指定の西洋医学では治りにくい病

東洋医学の弁証が正しければ”難病”ではなくなる

慢性気管支喘息

慢性気管支喘息

60才♀

5才から喘息発症

結婚育児中は発作は出なかったが

30才から発作多くなる

救急車で数回搬送されるほどひどかった

気管支拡張剤を2種類

吸入液を4種類使用

証は肝気犯肺と診たてた

2010年7月から治療開始

右太衝に15分置鍼

2回治療してから発作が軽減

最近はすこぶる調子がよい

薬は時々吸入液を使う程度

長年の喘息発作がたった1本の鍼で治まった

患者さんの嬉々とした表情が物語っている