腎虚による坐骨神経痛

80代♀

主訴:足趾のしびれがひどく歩きにくい

脈診:沈緊・結代(不整脈)

舌診:淡紅・黄膩苔・舌辺無苔

腹診:全体に虚軟・肝の相火に邪

背候診:右三焦兪~大腸兪の虚

弁証:腎虚・òU血

治法:駆òU血・補腎

処置:左三陰交 右三焦兪(左右整えの灸7壮)

効果判定:脈緩み結代消失・歩行時のしびれ軽減飛行がスムーズになる

三陰交で脈の結代消失し、右三焦兪で補腎の処置が奏功し直後効果が得られた

遠方からの来院のため1週間集中治療の予定

http://www.n-acp,com

蓮風の玉手箱

師匠の藤本蓮風先生のブログ「鍼狂人の独り言」は

ライブドアのブログランキング医療部門で閲覧数一位が指定席だ

内容は「東洋医学を正しく世間に広めたい」という趣旨で

毎日休みなく更新されてるので是非見ていただきたい

http://blog.livedoor.jp/fujimoto1005/

又、「蓮風の玉手箱」と題し

産経関西の電子版で東洋医学の解説の連載が始まって

こちらは一般読者が対象なので、判り易く面白い内容となっている

国立民族学博物館の小山修三名誉教授との対話が興味深い

http://www.sankei-kansai.com/cat541/

会務

(一社)愛知県鍼灸専門師会が誕生してこの秋で早一年になる

この一年間は組織作りで多忙を極めた

現在常任理事として微力ながら臨床の合間や休日に

ほぼボランティアで会議や研修会の開催

各種行事の企画立案、等々で時間を割いている

続けていられるのは、医療としての鍼灸の正しい情報を発信すること

保険取り扱いの円滑な運営、若い鍼灸師の育成等のために

この法人の存在が非常に大きくなっていくと確信しているからだ

今は臨床見学制度の充実のための学校訪問の企画を練っている

鍼灸学校の在学生に鍼灸治療院を開放して

自由に見学、研修する機会を与え、将来の夢の実現への目標になりたいと考えている

空間論による腹診

東洋医学の診察法の中で≪腹診≫についての解説

ヘソ(臍)は身体の中心に位置する

身体を一つの宇宙と同じ空間と考えると

ヘソ(臍)は北斗七星である

ヘソ(臍)を中心に身体の空間的な歪を診るのである

ストレスフルはヘソ(臍)の周囲に緊張がみられる

身体の右上に病があればヘソ(臍)の右上に緊張が現われる

鍼を一本打つことによってこの緊張がすぐ取れる場合は

病は治り易い、とれにくい場合は時間がかかる

ヘソ(臍)から10㎝程度空間を広げて診ることもある

滑肉門、天枢、大巨といった経穴(ツボ)の反応を診る

之を応用した治療を≪空間論≫といい

所属する北辰会で研究している

さらに発展し応用する余地のある奥の深い診察法である

掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症は30、40代に多い皮膚病

手のひら、足の裏、あるいはその近辺に

最初は小さな水疱ができ、それがすぐに”うみ”を持った膿疱となって

一つ一つの膿疱は数日でかさぶたに変わってはがれ落ちます

しかし、数週間たつといっせいに再発してくるという経過を繰り返し

何年も治らない皮膚疾患としては難治性

鍼治療で著効を得たので報告する

30代♀

発症2カ月で来院

手掌、手背、爪ともに進行中

弁証は湿困脾土

10ヶ月でほとんど緩解した

上の2枚は初診時

下の2枚は本日の撮影

梁門と顔面神経麻痺

左顔面神経麻痺 30代♂

某総合病院神経内科に入院し

ステロイド、免疫グロブリン加療するも変化なし

退院後より当院で鍼治療を始めて2週間

左梁門に置鍼してから

治療中に左上眼瞼が閉眼しはじめる

以降経過は良好で早期に治癒の見込み

担当鍼灸師は左(患側)梁門に最も強い邪(ツボの左右差)

を確認し「空間論」による左上の気の滞りと考えた

顔面神経麻痺は「上下左右の空間の歪や気の滞り」を

巧みに捉えると一本のお腹の鍼で

驚くような効果を発揮する

肝鬱と心血不足その2

心神があらゆる病気に関与していく

最終的に痛みは、心で痛みを感受するが

心血不足の度合いが心神の安定に関連するため

心血不足の程度によって感受の仕方が変わってくる

このように、痛みや痒み・精神安定の中枢的働きをするため「神主学説」という

この理論を用いて、安神作用を強めることで、五臓の気の陰陽バランスも整い

気の流れが改善され、痛みを遮断したり緩和することができる

ただし、全てに効果があるわけではなく「心血が不足している」ことが必要条件になる

肝鬱と心血不足

例えば疲労時に、肝鬱気滞(ストレスによって気の滞りが起きること)が起こり、

疲労感を強く感じる人と、その時に疲労感は感じられないが、仕事がひと段落し

ホッと一息ついた時に疲労感を強く感じる人がいる

この二通りの症状の起こる原因を解説すると(少し専門的ですが)

同じ肝鬱気滞を起こしても日頃から心血が弱っている人は、

(心神が不安定で心を栄養できていない状態)

肝鬱による肝血不足をフォローできず、常に疲労感をすぐに自覚してしまう

一方心血がある程度しっかりしていると、肝鬱による肝の陰液不足があっても

肝気の高ぶりに応じて心血がそれを補おうとしてくれるために

肝気が高ぶっている間は、本人の自覚として疲労感を感じないが

ホッとして肝気がゆるむと、心血のフォローも緩慢になり

肝血不足が前面に現われ、強い疲労感を感じるのである

以下次回に続く)

14日~18日(木)休診させていただきます

神主学説

神主学説とは

「心神が不安定だと痛みが増し、心神を安定(安神)させると痛みが軽減する」

と東洋医学の古典理論である

神には3つの意味がある

 /澄mind):心理・意識・直感の精神的な活動

◆/澄spirit)精神そのもの

 神(vitality)生命力そのもの

以下明日に続く

第2頸椎と噛み合せ

頚椎は頭蓋骨の下から7つある

第2頸椎は軸椎といい頚椎の運動に重要な椎骨である

この椎骨が左右にずれることがある

多くは歯の噛み合せの異常で

歯列の乱れ、顎関節の位置異常、等によって

患側の側頸部の筋緊張により第2頸椎が引っ張られて

左右にずれる

主訴は慢性の頭痛、頚肩部痛、肩こり、眩暈、耳鳴りなどが多い

触診で第2頸椎のアライメントはすぐわかる

噛み合せについては矯正歯科への紹介も視野に入れて治療するが

鍼治療とAKA(関節包内運動)で元に戻ることがほとんど