(社)愛知県鍼灸専門師会

(社)愛知県鍼灸専門師会の誕生

本年1月23日に(社)日本鍼灸師会の承認する、愛知県内唯一の鍼灸専門団体

(社)愛知県鍼灸専門師会が誕生しました

既存の県内団体とは明確に差別化し、鍼灸師の専門団体として立ち上げ

医療としての”鍼灸”を発展させ、真に県民の期待にこたえられる鍼灸師を目指して

県内鍼灸師の有志が集まって誕生しました

会員100人に満たない小さな団体ですが会員の志は高く、鍼灸師としての誇りをもち

学術の向上、県民の為の保険取り扱いの拡大を目指す志は皆同じです

「 愛知県鍼灸専門師会の社会的責任 」(会長挨拶より抜粋)

愛知県鍼灸専門師会は、公益社団法人日本鍼灸師会と同じ趣旨と目的を持った鍼灸の専門団体です

愛知県鍼灸専門師会は、鍼灸専門団体としての社会的責任を重視しています

今、社会は大きく変わろうとしています

企業においても、企業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)

について非常に重視されるようになりました

今までのように利益を追求するだけの会社では、社会的に認められなくなったのです

鍼灸師会にも同じ事がいえます。今までのように、鍼灸師の利益を目的とした会ではなく

県民のためになる団体を目指していかなければ社会的信用は得られません

県民の健康に貢献することが、結果として鍼灸師の利益につながると考えています

まだ生まれたての団体ですが今年度の学術部の研修会は充実し、毎月のように開催されます

拙者も理事の一員として微力ながらお手伝いをしていく事になりました

HPはまだ工事中が多いのですが4月までには完成する予定です

http://haseq.harinet.jp/aisenkai/

花粉症近況

今日の”はなこさん”のデーター

花粉症近況

環境省花粉観測システム”はなこさん”によるデーターでは

http://kafun.taiki.go.jp/Map.aspx?AreaCode=05#

名古屋市内での最近のスギ花粉の飛散状況は2月に入って

1㎥で二桁とごく少ない水準を維持しており、風が強くても影響がないようです

しかし、巷では鼻水、くしゃみ、眼の痒みを訴える人が増えているようです

当院来院患者さんで花粉症の症状がでている人はほとんどいませんが・・・

以前にもこのブログで解説しましたが、この時期にすでに花粉症の症状が

出始める人の体で何が起きているのかを考える必要があります

立春が過ぎると二四節気では季節は”春”です

春は陰陽五行説では”木”の季節です

陽気が高まり樹木は成長を始めます

ヒトは自然と共存して生活しています

ヒトの体の中でも陽気が高まってきますが

気が昂り過ぎないように降気作用と言って気を引き下げる機能を持っています

この降気作用がうまく働かないとカラダの中で陽気が高まって、鼻や眼に悪さをするのです

花粉が少なくても、気温が上がってくると花粉症患者さんが増えるのはこれで説明できます

予防法はこのブログの”花粉症”のなかに解説していますのでもう一度よく読んでみてください

肝胆の熱の偏り

平成元年の開業当時から調子が悪くなると飛び込んでみえる患者さん

私が毎回舌の状態を診るので、御自分でも毎日鏡で舌を診ているという

2日前からいつもと舌の状態がおかしいと氣づき、私に診てもらいたいということで来院

舌診では、左の側面(肝胆)の苔が剥げて、舌体の色が紅色のややきつい状態が明らかになっている

2日後に頭のMRI検査を予約しているとのこと

自覚症状は、顕著にないが、左の頚肩部のコリ程度

左側の赤みがきついが、皮下出血(お斑)は認められず

循環器系の発作的な病気の兆候はみられないことを伝え

肝胆鬱熱と診たて

百会の左に置鍼10分、右肝兪に置鍼10分、左風池に刺絡(暗紅色の出血)

治療後に舌の状態は改善、舌色が淡紅色に、舌苔の剥げも境界線が不明瞭に変化

患者さんにも写真で確認していただき、安心された様子

上の写真が治療前・下の写真が治療後

舌苔が薄くなって、向かって右側の苔の剥げの境界線が不明瞭になった変化がよくわかると思う

先日知人の鍼灸師に舌診の話をしたら、鍼治療で舌の状態が変化することに驚かれ、

驚く彼の反応に私は唖然とした(鍼を打つのに舌も診てなかったのか・・・)

アンチエイジング2

アンチエイジング2

「脳」の運動

脳は、多様な刺激を受けるからこそ健康を保てると言われています

一つの運動だけを行うのではなく、様々な運動を行うことによって

質の異なる刺激を脳に与えることが大切

「心臓・血管」の運動

心臓と血管の動きをよくするためには、ウオーキングやジョギング等の有酸素運動が適しています

運動するときに注意していただきたいことは、運動の強度と時間です

健康な人なら運動の強度は「心臓・血管」の運動という意味では、

呼吸が「ややきつい」と感じる程度がお勧めです

運動時間は少なくても15分以上、できれば30分~60分行えば理想ですが

足腰に病気を持っている人や、心肺機能に問題がある人は

「ゆっくり散歩」で40分程度、気の巡りを良くするような散歩が好ましい

「骨」の運動

体の骨で最も衰えやすいのは下肢の骨です

下肢の骨が衰えると、高齢者では転倒した時に骨折して寝たきりになるリスクが高まります

骨がカルシウムを吸収するためには骨に瞬間的に大きな力が加わることが必要です

下肢の骨を丈夫にするには、ウオーキングやジョギングよりもジャンプが効果的です

軽いジャンプは骨粗鬆症を予防します

※膝や脊椎の疾患がある方は控えてください

「筋肉」の運動

体を支えたり動かすための源は筋肉です

筋肉が衰えると、立つ、歩くといった日常生活に支障をきたします

加齢や運動不足でとくに衰えやすい脚筋を鍛える筋トレは必須です

その他に姿勢保持に必要な腹筋や背筋を鍛えましょう

眼球を動かす眼筋の衰えも防ぎましょう

【運動の偏りを避ける】

運動は栄養と似ています

一つだけの運動を行う「運動の偏食」では望ましい運動効果を得ることはできません

「老いない体をつくる」ためには、脳、心臓と血管、骨、筋肉を鍛える運動を組み合わせて

おこなうことが肝要です

アンチエイジング

13日の鍼灸スポーツフォーラムで特別講演がありました

講師は様々なメディアに取り上げられて有名な

中京大学体育学部部長・医学博士の湯浅影元先生

テーマは「老いない体をつくる」

老いない体をつくるためには運動を継続して行うことが必要

運動の習慣は病気からの回復を促進し、病気を予防する、体力年齢を若返らせる

といった効果があります。その効果を引き出すためには目的に合った運動をする必要があります

「脳」の運動

「心臓・血管」の運動

「骨」の運動

「筋肉」の運動

次回にこれらの解説をします

鍼灸スポーツフォーラム

鍼灸スポー鍼灸スポーツフォーラム開催

昨日は名古屋市の国際会議場で(公益社団)日本鍼灸師会主催の

「鍼灸スポーツフォーラム」が開催され参加してきました

アマチュア・プロを問わず多くのスポーツに関わる選手たちにとって

トレーナーの存在抜きにはパフォーマンスの向上はあり得ません

トレーナーのスキルに今や鍼灸は欠かせなくなってきました

オリンピック、ワールドカップ、世界陸上、国民総体、インターハイなど

メジャーなスポーツ大会において、トップアスリートには

必ずと言っていいほど鍼灸スポーツトレーナーがコンディショニングに関わっています

スポーツ選手の治療は応急処置、ケガの予防、コンディショニング、メンタルケア、栄養指導

など選手とのかかわりは多岐にわたり、高いスキルを求められます

日本鍼灸師会ではこういったニーズに対して、鍼灸師の資質向上のための講習会や

市民マラソン大会などへのボランティア治療の実施などに関わっています

名古屋市ではすでに名古屋シティマラソン・犬山市民マラソンへの

ボランティア治療を長年続けています

日本全国でこういった市民マラソンでのボランティア治療の輪が広がっていることは

鍼灸師のスキルアップの為にも喜ばしいと思っています

左右整えの灸

左右整えの灸

体表の観察は面白い

ツボは全身に300以上あり

身体の正中線上のツボを除くと

全て左右対称に配置されている

この左右のツボをよく観察すると虚実、寒熱が明らかになる

左右の大きいツボの左右どちらかに鍼を打ち

お灸は左右交互にすえる

このお灸が左右同じ熱感を感じない場合

そのツボは非常によく効く

右の大腿部の知覚鈍麻で

長年熱いシャワーの熱を感じない

右足のしびれを訴える患者さん

腎兪に左右整えの灸をすえた

なんと初診時に27壮!(回)左右にお灸をすえて

ようやく左右の熱感が整ってきた

数回の治療で左右のお灸は9壮(回)で整うようになり

シャワーの熱を感じるようになった(一年ぶりのできごと)

右足のしびれもなくなった

このようにお灸の熱感の違いで

ツボの効果を確認することができる

  

また、これに従って左右のどちらか一穴に鍼をすると多くの病は改善傾向となる。

これにお灸で対処できれば、初発には左右の熱感の相違がある。

これに幾壮かすえてゆくと左右の熱感が調う。

すると病は改善傾向となる。

また、早く調えばより一層癒えやすくなる。

逆に壮数が増えると悪化だ。

体表の動きは様々なことを教えてくれる。

数多いツボの処置、「丁寧」な治療には分からない。

  

このような事に意を払えば、病の順、逆もよく判断できる。

インフルエンザその2

インフルエンザその2

インフルエンザの症状は激しい悪感、関節痛、高熱が主である

最近は簡易検査キットで内科で検査が受けられる

診断されるとほとんどタミフルかリレンザが処方され

4~5日は寝込むことになる

動けるようになってから鍼治療に見える患者さんは

多くは咳や痰、身体のだるさを訴える

ウイルスという「邪気」多くは「熱邪」に対して「生気」が戦った後の疲労感

あるいは、体温を上げてウイルスと闘っている身体に対して、タミフル等で

一気に熱を下げることによて時に熱をこもらせ、回復を遅らせる

今日来院された、39℃の発熱後6日目の患者さん

咳と痰・だるさや、肩こりを訴える

左の列缺に発汗があり、鍼を置く

10分の置鍼後に脈は落ち着き、自覚症状は消失

インフルエンザ罹患後に残った症状には鍼治療がよく効く

中国では伝染性の熱病に対する学問「温病学」が

明、清の時代、凡そ3、400年前に確立されているという事実には驚愕するしかない

現代でも通用する「温病学」を用いて、インフルエンザへの鍼治療の可能性につい

て研究する余地が大いにあると考えている

結膜下出血

結膜下出血

結膜下出血とは、結膜下の小さい血管が破れ出血したもので

白目部分がべったり赤く染まるので患者さんはびっくりして眼科に行くが

病気ではないので異常なしとして適当な治療がない

東洋医学では

1・風熱犯肺

2・肝火

3・陰虚火旺

多くはこの3種に弁別する

治法は母指の「少商」からの刺絡がよく効く

一般には出血が消失するまで1~2週間程度かかるが

この処置をすると2~3日で消失する

極めて有効で安全な治療なので白眼が真っ赤になって気になる方にはお勧めする

不正出血

往診先の患者さんの寒椿の絵

不正出血

不正出血が続くときは一度婦人科で精査を受けて原因を調べることは必要

精査の結果異常がみられないが月経期以外で出血が続くときには

鍼灸治療がよく効く

東洋医学では「崩漏」という

「崩漏」とは、子宮出血・月経過多・五色帯下・切迫流産・子宮筋腫等の

性器出血などがこれに相当する

1・気虚による気の固摂作用の低下

2・脾不統血による出血

3・腎陰虚による出血

4・腎陽虚による出血

5・血òUによる出血

およそ以上5種に弁別する

比較的多いのは「脾不統血」によるもので

飲食不摂生や、下痢などで胃腸が弱っていると

「脾の統血作用」が低下し出血しやすくなるのである

この場合は「隠白」のお灸が奏功する

今日も2人の患者さんが、一度のお灸で出血が止まったと喜ばれた