術後の鍼治療

最近脊髄の手術の進歩は目覚ましく

ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎辷り症等への

内視鏡による外科手術を受ける患者さんが増えている

鍼灸治療を第一選択された方が手術に至る症例はまれであるが

整形外科を受診し、痛みやしびれが強く、歩行困難な症例では

西洋医学では最終的には外科的な手術を選択せざるを得なくなる

術後にスッキリ治らなく、違和感や痛みしびれを訴え

鍼灸治療を求めるケースも少なくない

結論から言うと、術後早期から鍼灸治療を始めることで

手術後の回復を早め、手術に伴う不定愁訴を緩和することができる

外科医と連携して治療できる医療システムができるのが

患者さん中心の統合医療なのであるが

舌診講義

12月4日に小牧市で「舌診」の講義を依頼された

鍼灸師や、鍼灸学校の学生が聴講生

できるだけわかり易く平易に

かつ眠くならないような講義を期待されている

専門用語を使いすぎてもダメ

鍼灸師で「舌診」をしているひとは一握り

中医学では四診の中でも脈診と並び

最も重要な診察法にもかかわらず、である

インパクトを与え興味を持ち、勉強を始めるきっかけをつくる講義

いろいろ思案中であるが、準備は怠りないように今日から始めている

SD(痙攣性発声障害)患者様の声

SD(痙攣性発声障害)

歌っていた声のコントロールができなくなり、徐々に症状が悪化

普通の会話も「こんにちは」が「・・ん・・ちは」のようになってしましました。

喋れないストレスで体調も最悪でした。

長岡先生には「気滞」「気虚」と診断され、

上下左右の空間の歪を整える治療をしていただきました。

徐々に震え症状が落ち着き、呼吸も深く入るようになりました。

以前は喋り続けると胸苦しくなりましたが、

その症状もほとんどなくなりました。

体の気を整えることが発声のためにとても大切な事を知りました。

普通の会話に苦労することがなくなり本当に喜んでおります。

先生、本当に有難うございました。

日進市 C・H

片頭痛続き

片頭痛の発作時にはトリプタン系の鎮痛剤が有効

ゾーミック・イミグラン等が有名

拍動性の痛みが出始めてから空腹時に内服ができるので

激しい片頭痛持ちの方には朗報である

しかし薬物治療はあくまで対症療法なので

薬を服用するからといって片頭痛発作の頻度が少なくなるわけではない

鍼灸治療は片頭痛発作のない日に継続して治療することで

発作の頻度が明らかに低下する

片頭痛患者さんの弁証分類をしっかりできれば

少数鍼で緩解できる

古代鍼

純銀の古代鍼

長さ8㎝、底辺は□型で一辺は3mmの正方形

尖端にいくに従って円錐形になり一点に収束する

素材は99.9%の銀製

之を「古代鍼」といい

中国の古代の遺跡から発掘された鍼の形状をレプリカで制作したものである

この「古代鍼」は皮膚に軽く接触させるだけでしばしば驚くような速効性を見せる

効能は”清熱”熱を冷ます

指の関節炎に軽く接触させると一瞬で動きが改善し痛みが消失する

気逆で百会(頭頂部)の熱を瞬時に冷ますこともある

片頭痛

片頭痛の有病率は国民の8.4%と高頻度であり

痛みの程度が中等度から重度であり著しくQOLが阻害されることが多い

片頭痛の分類

1・前兆のない片頭痛
  
  頭痛発作を繰り返し、発作は4~72時間持続する

  頭痛は片側性、拍動性で、中等度から重度の強さであり

  随伴症状として悪心や光過敏、音過敏を伴う

2・前兆のある片頭痛

  前兆(視覚・感覚・言語状態)は通常5~20分にわたり徐々に進展し

  かつ持続時間が60分未満で、両側、片側性、拍動性の発作を繰り返す

中医学による分類

1・肝陽上亢(ストレスなどにより気逆がおきる、肝腎陰虚により虚熱が上亢する)

2・お血(血液の停滞による所謂、ドロドロ血液の状態)

3・寒飲(四肢の冷えによる)

4・血虚(血が足りないので脳髄を栄養できない)

続きは次回に解説します

痙攣性発声障害の治療

40代♀

SD(痙攣性発生障害)発症して数年

来院当初は少し大きな声を出すと横隔膜の不随意な痙攣がおき

所謂声がふるえる状態であった

音楽家なので歌を歌えるようになりたいという強い希望がある

空間論による上下左右の法則に基づき左滑肉門を主に使って治療すること約半年

最近は普通の会話では震えが認められなくなり

さらに、歌を歌えるようになってきた

難治性のこの疾患は多くの患者さんが悩んでいるが

中医学弁証による少数鍼の治療は明らかに有効である

学術大会参加

9日10日は札幌で

(公社)日本鍼灸師会主宰の学術大会があり参加してきた

様々なプログラムがあったが、印象に残った講演は

昨年発足した厚労省のプロジェクト

”漢方鍼灸を活用した日本型医療の創成に我々鍼灸師はどうか関わっていくか”

という問題のパネルディスカッションだった

座して待っていても国は動かない

鍼灸師の団体、学会が一つになり卒前、卒後教育に取り組む

特に卒後教育では学会や研修会に参加した鍼灸師の評価システムをつくり

一定の基準を満たした鍼灸師を認定、専門、鍼灸師として登録し

例えば保険の同意疾患については、同意書なしで保険治療ができるようにする

同意書については非常に困難な問題ではあるが

業団体が動かなければ100年経っても変化は訪れない

現在医学部の一部で鍼灸の実技や講義が行われているが

医学生にはとても好評で目を輝かせて鍼に興味を持つそうである

こういった医師が世に多くなればおのずと鍼灸医学への理解も深まり

病院との連携を深めて患者さん中心の真の”統合医療”が実現するはずである

数年以内には全ての医学部で鍼灸医学が単位に組み込まれる見込みで

今後10年程度で国家試験を合格した新しい世代の医師たちは

鍼灸医療に格段の理解を示すはずである

それまでに我々鍼灸師は大幅な資質向上と研鑽を積みあげて

患者さん中心の日本の新しい医療に西洋医学と対をなす医学として

認められる日が来ると信じている

顎関節と空間論的治療

顎関節症で空間論的な診たてをすると

臍の左右の経穴で”天枢”に左右差が認められる事が多い

今日は2例ほど顎関節の動きのアンバランスを調整した

患側の”天枢”に鍼を打つと直後から動きがスムーズになる

お腹のツボに1本鍼を打つだけなので

患者さんは???というキツネにつままれたような表情になる

ヒトの身体全体を一つの空間と診てアンバランスを整える

”前後左右の法則”に基づいた”空間論”の治療は大変奥深く

今後も様々な疾患への応用が期待される

[http://www.n-*acp.com]

右の気滞

40 代 ♀

慢性的な腰痛、肩背部痛

問診を40 分、体表観察10分

弁証は肝鬱気滞による右の気滞

治方は疏肝理気

取穴は右太衝に10 分置鍼

治療後は全ての痛みがほとんど消失か軽減

弁証が正確で取穴が正しければたった1 本の鍼で

驚くような効果を示す

但し慢性疾患なので3 日後の再診で経過の確認が必要

患者さんは笑顔で帰られた