「低栄養」が老化を早める

元気でイキキと長寿を全うする

誰もが夢に描く思い

そのためには食生活が大きな意味を持つ

70歳を過ぎたら

1)肉を食積極的に摂取する方が元気で長生きする(肉と魚を交互に毎日食べる)

2)総コレステロールは基準値より高い方が元気で長生きする

3)アルブミン値(血中のたんぱく質の一種)が高い方が元気で長生きする

この情報は東京都健康長寿医療センター研究所で

5,000人を超える高齢者の食生活の傾向の追跡調査をした結果である

従来の医学常識を覆すような内容であるが

大変信頼できる研究機関の統計データーである

我々は「介護予防運動指導員」の講習会でこのデーターを基に

高齢者の食事指導の講習を受けているが

詳しくは同センター研究部長 医学博士の新開省二先生著を参考にしてください

「50歳を過ぎたら粗食はやめなさい!」低栄養が老化を早める 発行 草思社

この著書には正に”眼からウロコ”の新しい健康情報が書かれている

結膜炎

  結膜炎を西洋医学で分類すると

1・細菌性結膜炎 :様々な細菌によって結膜炎を生じる。原因となっている細菌に有効

  な抗生物質や抗菌剤の点眼液で、ウイルス性結膜炎に比べ、短期間に治癒しやすい。

2・ウイルス性結膜炎 [編集]様々なウイルスで結膜炎が発症するが、感染性が強いもの

  として以下の3つが有名である。

  ①流行性角結膜炎 別名、はやり目である。アデノウイルス8型でおこる。

  ②咽頭結膜熱 別名、プール熱である。アデノウイルス3型でおこる。

  ③急性出血性結膜炎 別名、アポロ病である。エンテロウイルス70によっておこる。

3・アレルギー性結膜炎

  花粉等のアレルゲンにより発症する。

どのタイプでも鍼治療が有効であるが、感染性結膜炎の場合は抗菌剤や抗生物質を

併用することも治癒を早くする.

50代♀

アレルギー性結膜炎で時に酷い充血、痒み、瞼の腫れが発症する、点眼薬は無効

弁証:肝鬱化火

治側:清熱・瀉火

取穴:大敦に刺絡

経過:一度の処置で翌日に主訴は消失、以降経過極めて良好

小青龍湯証

『小青龍湯証』は、傷寒に属して同時に水飲を兼ねた一種の病証で、

簡単にいえば「外寒内飲証」である

「傷寒論では」この病変を「傷寒、表解せず、心下水気あり」と概括している

「傷寒表解せず」とは、悪感、発熱、無汗、身疼痛などの太陽傷寒の表証が存在していることである

「心下に水気あり」とは、もとから水飲が内停して胃を犯し

胃気が降らないで上逆して嘔気になる状態を指している

脈は弦、舌苔は白滑、咳と共に希薄な泡沫状の痰を吐出する、口渇はない

よく喘息や花粉症などに小青龍湯を病名処方されることがあるが

弁証をしっかりせずに投与することは危険である(特に虚喘においては)

体力のない高齢者などに長期間投与して重大な副作用を招くことがあるので注意が必要

全ての漢方薬は弁証論治せずに病名処方するべきではないにもかかわらず

漢方薬は副作用なすくないのでと言う間違った理由で

患者の求めに応じて処方されているのが問題

麻黄湯証

麻黄湯の適応は「傷寒論には」

「太陽病、頭痛、発熱し、身疼し、腰痛し、骨節疼痛し、悪風し、汗無くして喘するものは、麻黄湯租

之を主る」と記述されています

これにはインフルエンザのような(診断は医師にしてもらうこと)きつい風邪も含んでいます

ポイントは、脈は浮緊となり、節々が痛くなる、汗は出ない、咳、です

葛根湯症との違いは、節々の痛み、場合によっては咳があることです

虚証の人への処方は注意が必要なので、専門家に相談しましょう

次は『小青龍湯』です

葛根湯証

よく風邪の初期には『葛根湯』と言われているが

風邪の初期症状でも様々、体質や病態によっては副作用が出る場合もある

『傷寒論』を参考にすると正しく処方ができるので解説したい

「太陽病、項背強ばり、汗なく、悪感するは、葛根湯これを主る」とある

これは病が主として項背に鬱し、発散できないでいることを示します

この場合は、病は表にあり、骨節に至っていないので、筋肉痛による痛みやこりを自覚します

しかし、無汗(汗が出ない)なので表が塞がれているのが特徴です

必ず寒気(悪感ほどではない)を伴います

脈は浮き硬くなりことも鑑別するポイント

微熱があったり、節々が痛む、咳が出る場合は葛根湯は使えません

叉、虚証のヒトにも適しません、場合によっては胃腸に負担がかかります

これらの除外するポイントが無ければ、風邪のひき始めに早めに服用すると

速効性があります、但し、3~4回内服して効果が見られない場合は

「証」が違うということなので、専門家に診てもらう必要があります

次回は『麻黄湯』の解説をします

雨水

昨日は旧暦二四節気で”雨水”

雪が雨に変わり、雪や氷は溶けて水となるとあるが

今日の名古屋の最低気温は氷が解けるどころか

-2.5℃だった

今年の北陸や東北地方は豪雪となり

さぞかしご苦労されていると思う

太平洋側は毎日酷い乾燥(湿度は30%台)

花粉も少々飛び始め、肝鬱傾向のヒトには

既に花粉症が始まっている

治療は肝気を下す・温補補腎が中心となる

蓮風鍼

当院では長年タフリー社のディスポ鍼を使っている

長さは15mm~60mm

太さは直径0.12mm~0.3mm

数種類の鍼を患者さんの体質、部位によって使い分ける

藤本蓮風先生がタフリー社に造らせた”蓮風鍼”

この鍼は鍼先が今迄にない形状をしており

非常にしなやかで刺入しやすい

少々太い鍼でも無痛で刺入できる

順次この蓮風鍼に入れ替える準備をしている

コストは上がるが、道具にこだわるのは技術者として必然だと思う

セカンドオピニオン

内科の医師からの紹介患者さん

70代♂

主訴:歩行障害(小刻み歩行・すくみ足・同じ場所で方向転換ができない)

現病歴:上行大動脈瘤のOpe後より発症、徐々に悪化、パーキンソンは否定されている

    整形外科のリハビリで変化なく、かかりつけの内科医から当院を紹介される

弁証:肝陽上亢

処置:右太衝

経過:歩行の状態は良い変化が認められるが、特に方向転換で足がすくむので

   セカンドオピニオンとして、提携先のクリニックで脳MRI検査を受ける

   結果左中大脳動脈の一部に循環不全が認められた

   有名な大病院では指摘されなかった異常なので、セカンドオピニオン

   としては無益ではなかったと考える

今後の対応:提携先のクリニックと連絡を取りながら、西洋医学による検査で病態を把握しながら

      東洋医学で治療していくという統合医療が必要とされているケースだ

傷寒論とは

東洋医学の古典に『傷寒論』という重要な文献がある

西暦196~204年にかけて後漢の張仲景が著した

どんな文献かと言うと

1・外感熱病の識別と治法を論じた専門書
 
  所謂”風邪”の様々な病態(インフルエンザも含め)を分析し

  風邪の病態に応じた漢方薬の処方を詳しく著している

2・弁証論治として六経分証(太陽・陽明・少陽・太陰・少陰・厥陰)

  をもって諸病を包括しており、内科雑病を論じている

この『傷寒論』を理解することにより

より多彩な病に対する対応ができ

病の変遷の見通しができるようになる

今日の勉強会は傷寒論の入り口である

太陽病(感冒)の弁別法を勉強した

最近特にインフルエンザを含め風邪の患者さんが多いので

より適切な治療とアドバイスができるようになるはずだ

空間論講義

昨日は名大病院内の鶴友会館で

(一社)愛知県鍼灸専門師会主催の研修会が開催され

第2講で90分の「空間論の痛みの治療」の講義をさせていただいた

研修会の予告が遅くなり30名の参加者であったが

参加者は皆勉強熱心な学生や臨床家ばかりで

真剣に集中して受講していただいた

非常にシンプルで有効、かつ、全く新しい治療法

実技の実際はモデル患者に対して実際の検査法と治療をお見せした

充分予行練習をした甲斐があって落ち着いて時間通りに進めることができた

いつも感じることは、若い鍼灸師への教育目的で研究発表をすることが

自らのスキルアップに繋がり臨床能力が高まると感じている

これからも機会があれば研究発表を増やしたい