急な激しい頭痛

30代♀

昨日朝より前額部と左後頚部に強い頭痛発症

水を飲んでも嘔吐するので何も食べられない

待合室でしゃがみこみ気色が全体に抜けている

翌日に飛行機に搭乗予定

要点を手短に問診し、体表観察中心に弁証

脈診:浮・こう脈

舌診:淡泊舌・白苔・胖大

舌腹:暗紅色・お班・舌下静脈怒張

弁証:上実下虚・お血・右上気の偏在

治法:駆お血・瀉火

治療後に気色は戻り頭痛は消失した

今日の再診時にはすっかり良くなり、元気にお帰りになった

激しい頭痛は如何に短時間に正確に診たてるかがポイント

勿論重篤疾患も隠れているので鑑別しながら

適応症ならば的確な処置をすることで苦痛から解放される

宇宙科学と鍼灸

6月10日開催の「第61回全日本鍼灸学会」において、

「宇宙科学の視点からの鍼灸医療の可能性を探査する」と題して、

明治国際医療大学の今井賢治教授と岩昌宏准教授を座長に、

内閣府の田中一成参事官、明治国際医療大学の伊藤和憲准教授、

きぼう利用プロモーション室から小林智之室長を登壇者に迎えて行われました。

詳細は、以下のアドレスにてご覧下さい。

夢があってイイですね

http://kiboforum.jaxa.jp/learn/activity/120608.html

卵子の老化とは

先日NHKスペシャルで放映された

産みたいのに 産めない~卵子老化の衝撃~をご覧になった方も多いと思う

先日の不妊カウンセリング学会でも

義務教育期間に、不妊についての事実を教えるべきだとの指摘があったが

先進国の中で最も不妊の知識が乏しいという現状を突き付けられた格好だ

フランスでは女性は不妊について教育を受けており

30代から卵子が老化する事実を若い女性はよく認識している

仏政府は42歳までの不妊治療には保険適応で対応し

それ以降は打ち切っている

我が国は不妊治療は全て実費(一部助成制度はあるが)である

以下NHKスペシャルの番組紹介文をご覧いただきたい

いま、全国の不妊治療クリニックに、30代、40代の女性たちが次々と訪れ、

衝撃を受けている。

健康なのに、妊娠の可能性が低いと告げられるのだ。原因は「卵子の老化」。

女性の卵子は年齢とともに年を重ね、

35歳の女性が出産できる可能性は20歳代の半分になる。

しかし、多くの女性はこの事実を治療に来て初めて知るという。

晩婚化が進む現代、不妊は先進国共通の課題だ。しかし、日本は特異な状況にある。

不妊の検査や治療を受けたことのある夫婦は、6組に1組。

不妊治療専門のクリニックが世界一多く、体外受精の実施数も世界一になっている。

女性の社会進出を進める一方で、いつ産むのかという視点を見過ごしてきた

日本のひずみが現れている。

「卵子の老化」による不妊をさらに深刻化させる一因は、男性側にもある。

実は、不妊の原因の半分は男性側にあるが、夫が不妊の検査に行きたがらず、

ようやく治療が始まった時には、妻の卵子が老化しているというケースが後を絶たない。

専門家は「早くに気付いて治療すれば、自然妊娠が見込めるケースも多い」と指摘する。

番組では、全国の医療機関と不妊治療経験者を対象に、大規模なアンケート調査を実施。

“不妊大国”ニッポンの姿を明らかにする。

卵子の老化についての東洋医学によるアプローチを

既に当院では取り組み、成果を上げ始めている

ART(高度生殖医療)を受けながら

鍼灸治療を続けると妊孕率が上がり

流産率が下がるという症例が増えてきている

研修会

昨日は愛知県鍼灸専門師会主催の研修会が

名大鶴友会館で開催された

演者:山田鑑照先生 鍼灸専門師会副会長 医学博士

演題:機能解剖学的鍼灸臨床~

   筋の触診・運動検査法の実際と治療

ポエムズ症候群という難病を機能解剖学的鍼灸治療によって

症状やADLが改善し、患者さんのQOLは大幅に向上した

9月の三県合同研修会では”難病治療への取り組み”という

症例報告や、シンポジウムの開催を控えているので

学術部が開催準備に取りかかっているところだ

”難病治療への挑戦”という命題を自ら与え

研究し、知識を広め、臨床に応用する

之が臨床技術を上げる原動力になっている

夏を乗り切る食べ物の工夫

一般に、春風・夏火・長夏湿・秋燥・冬寒といわれ

季節の変化に合わせた体調のコントロールをしなけらばならない

夏は本来、温・燥作用の強いニラ、ネギ、唐辛子、ニンニク類を

控えるように言われる

ただ、近年は冷房による冷えが夏の新たな脅威になっており

昔とは事情が違ってきている

しかし、夏場は総じて脾の働きが弱ってくるため

あっさりした薄味で消化の良いものをこのんで食すること

トマトやキュウリ、セロリ、トウガン、等がその代表だが

冷蔵庫で冷えたものをそのまま食べ過ぎると逆に脾が弱るので

常温のものが望ましい

個人の住生活の状態に合わせた食生活の工夫が必要になる

自閉症・発達障害について

2~3才の自閉症・発達障害のお子さんの受診が増えている

増えるのは、当院の小児鍼治療で言葉や運動機能の向上が

顕著に認められるお子さんのご両親のご紹介が多いから

何故自閉症や発達障害に至るのかを

「神主学説」によって

導き出せるのではないかと考えている

予防医学として自閉症・発達障害を未然に防ぐために

何が必要なのかを治療を進めながら検証してみたい

抗加齢を学ぶ

一生のうちで健康に支障がなく、

自立した日常生活を送れる期間を健康寿命と言う

2010年の日本人の健康寿命の平均は

男性が70.42歳・女性が73.62歳

平均寿命とは男性で9年・女性で12年の差がある

この支障を抱えて暮らす期間をできるだけ短くすることが必要だ

元気で長生きするには、よい生活習慣を実践できる環境が最も大切

次に「未病を治す」である

未だ病気ならざる状態を維持するために治療し、養生する

東洋医学の素晴らしい養生訓を多くの人に学んでほしい

申脈穴

足太陽膀胱経の「申脈」は陽òR脈の主治穴

申脈の申は、神に通じる

神の旁は申である

形成文字で音の部分が同じであったら意味も同一となる

故に「申は神なり」

これがそのまま心に通じている

精神的に不安定な疾患に速やかに効果をあげる

70代♀

パーキンソン症候群による身体の震え

白内Ope後光の眩しさ

右申脈一本で

治療後に目がぱっちりと開き本人驚く

身体の震えも消失

また新たな地平がまた見えてきた

漢方薬の副作用その2

最近漢方薬の副作用と思われる症例が多い

原因不明の蕁麻疹70代♂

長年喘息予防の煎じ薬を内服

鍼治療で半分以上は軽減したが

本人の意思で漢方薬を中止して1週間

ほとんど蕁麻疹が消えた

アトピー性皮膚炎・喘息40代♀

ツムラのエキス剤を3種内服中

これも鍼治療に抵抗するので

一時中止してからアトピーの痒みが明らかに軽減

内熱も消失

急な眩暈40代♀

ツムラのあるエキス剤を内服

虚証の体質に対して、内風という実邪を抑える某漢方薬を内服

虚証の患者さんには強すぎた結果、内風がおきて眩暈となった

漢方薬を中止して眩暈は消失

最近保険調剤の漢方薬(エキス剤)が多く処方されるようになったが

西洋医学の薬と併用が多く

副作用か否かの鑑別が治療上で必要となってくる

血虚その2

血虚は関連する病位や臓腑の病態を弁別する必要がある

上昇の血虚:眩暈・目がかすむ・顔面蒼白

心血虚:不眠・健忘・動悸・不安感

肝血虚:爪の色が淡い・爪が硬くなったり、変形する・目が乾く・視力の減退

衝脈・任脈の血虚:月経遅延・生理血が薄く量が少ない・月経困難

経脈・筋肉がひきつる・手足の麻痺やしびれ・関節の障害

血虚は上記のように分類し経穴を選別する

一般に女性や痩せた人に多いが問診と体表観察を正確にすれば鑑別は難しくない