申脈穴

足太陽膀胱経の「申脈」は陽òR脈の主治穴

申脈の申は、神に通じる

神の旁は申である

形成文字で音の部分が同じであったら意味も同一となる

故に「申は神なり」

これがそのまま心に通じている

精神的に不安定な疾患に速やかに効果をあげる

70代♀

パーキンソン症候群による身体の震え

白内Ope後光の眩しさ

右申脈一本で

治療後に目がぱっちりと開き本人驚く

身体の震えも消失

また新たな地平がまた見えてきた

漢方薬の副作用その2

最近漢方薬の副作用と思われる症例が多い

原因不明の蕁麻疹70代♂

長年喘息予防の煎じ薬を内服

鍼治療で半分以上は軽減したが

本人の意思で漢方薬を中止して1週間

ほとんど蕁麻疹が消えた

アトピー性皮膚炎・喘息40代♀

ツムラのエキス剤を3種内服中

これも鍼治療に抵抗するので

一時中止してからアトピーの痒みが明らかに軽減

内熱も消失

急な眩暈40代♀

ツムラのあるエキス剤を内服

虚証の体質に対して、内風という実邪を抑える某漢方薬を内服

虚証の患者さんには強すぎた結果、内風がおきて眩暈となった

漢方薬を中止して眩暈は消失

最近保険調剤の漢方薬(エキス剤)が多く処方されるようになったが

西洋医学の薬と併用が多く

副作用か否かの鑑別が治療上で必要となってくる

血虚その2

血虚は関連する病位や臓腑の病態を弁別する必要がある

上昇の血虚:眩暈・目がかすむ・顔面蒼白

心血虚:不眠・健忘・動悸・不安感

肝血虚:爪の色が淡い・爪が硬くなったり、変形する・目が乾く・視力の減退

衝脈・任脈の血虚:月経遅延・生理血が薄く量が少ない・月経困難

経脈・筋肉がひきつる・手足の麻痺やしびれ・関節の障害

血虚は上記のように分類し経穴を選別する

一般に女性や痩せた人に多いが問診と体表観察を正確にすれば鑑別は難しくない

血虚とは

血(けつ)は人体の各臓腑・組織・器官を濡養(栄養)している

血は心が主り、肝に貯蔵され、脾がこれを統摂することによって

脈管中を巡行している

血虚とは

血のもつ濡養(栄養・滋潤)作用の不足のことである

原因は脾胃の機能低下により飲食から生成される血の成分の不足

出血に伴う血の量の不足、循環不全(お血)による血の供給不足

主症状

顔色が悪い、皮膚につやがない、唇の荒れ、爪がもろい、目がかすむ、

目が乾く、目がくらむ、頭がぼーとする、ふらつく、動悸、筋肉の痙攣、

多彩な症状を招くので注意が必要

血液検査で貧血がなくとも”血虚”はありうる

診断のポイントは

眼瞼結膜の色・舌色が淡白、舌苔が覆っている場合には舌腹の色が淡白

爪の色が白っぽいか、爪を指で押して色の戻りが遅い、気色診で白等

治法は補血で、血海、三陰交、膈兪、等の反応を調べ補法を施す

気滞とは

人体をくまなく巡行するエネルギーとしての”気”

流れが停滞することを”気滞”という

精神的ストレスが原因では”肝鬱気滞”という

ゆううつ感、怒り易い、イライラする、胸脇部の張った痛み

女性では月経痛、月経周期の乱れ、乳房の張りを伴う

”肝鬱気滞”が長引くと”肝鬱化火”といい

頭痛、のぼせ、口苦、胸やけ、耳鳴り、難聴、眩暈、不眠、喉の詰りなど

上焦(上半身)の様々な不定愁訴の原因となる

鍼治療は非常に有効で、速効性がある

”気”は停滞しても慢性化していなければ

ツボに鍼を打つことで速やかに滞りが改善する

一本の鍼で一瞬で痛みが取れることはよく経験する

気虚その2

気虚には五臓の気虚に分類される

肺気虚:呼吸が浅い息切れ、声に力がない、汗かきが顕著で、咳嗽・痰がある

心気虚:動悸・息切れ・胸ぐるしい・不安

脾胃気虚:疲れやすい・四肢がだるい・食欲不振・消化不良・腹が張る
     便秘又は泥状便

腎気虚:頭がふらつく・知力減退・眩暈・耳鳴り・腰や膝に力が入らない
    精力減退・多尿・排尿困難

気虚の多くはこのように分類される

気虚とは

”気虚”

少し動くだけですぐ疲れる

少し長く入浴すると湯上りで疲れる

元気がない

声に力がない

息切れ

自汗(動かないのに発汗する)

食欲不振

etc・・・

全身的な虚弱の症状

舌質は淡白・脈は沈虚で重按で無力

この様な”気虚”(気の不足)

の患者さんの治療は細心の注意が必要

細い鍼で切皮程度

置鍼時間はは短め

場合によってはò`鍼を当てるのみ

治療後の脈が有力になれば有効とみなし

鍼治療の後はゆっくり休んでいただく

徐々に効果が出て疲れにくくなれば

”気虚”の程度は軽くなったと判断できる

湿熱邪

今日は日本の北に低気圧が発生した影響で、

大気の状態が不安定になり

南寄りの風で湿度が比較的高く

気温も上がり蒸し暑さを感じた

”湿熱”という外邪の影響を受けやすい患者さんは

こんな日に関節痛や神経痛が悪化する

今夜は胃腸に負担をかけないように

飲酒や、脂っこいものを控えめにすることで

体調を整え”未病を治す”こともできる

漢方薬の副作用

漢方薬には副作用が少ないと思っている人は多い

肝機能障害に小柴胡湯を与えた結果、間質性肺炎を発症し

肝機能障害=小柴胡湯の処方が見直されたのは有名な話

西洋医学の病名だけで弁証がなく同じ漢方薬を与えれば

証が合わない人が副作用をおこすのは必然なのだ

全頭型の脱毛症の患者さん20代♀

当院と漢方薬局の弁証は”心肝火旺”で一致していたが

脱毛が進行し続けるので、不審に思った患者さんの判断で

漢方薬(煎じ薬)内服を中止してから1週間で脱毛が止まった

その後は鍼治療だけで、経過は極めて順調

正しい弁証でも、漢方薬はさじ加減ひとつで副作用があるという一例

美味しくいただくということ

病気の治療に食養生はとても大切

我々は患者さんの陰陽・虚実・寒熱の体質によって

食養生を個別にアドバイスすることがある

料理研究家で有名な星澤幸子さんが

日本鍼灸師会の招きで講演をされた最後に

命をどのように愛しんで、活性化させれば、人生を華やかにさせられるのか?

という話をされた

それは、その人の生き方、考え方、食べ方次第で変わるのだと

人は食べ物が口に入った瞬間に「ああ美味しいな」と感じたものだけを

小腸から吸収できるという

だから、自分の感性や、食べたときの素朴な気持ち、味を大事にしていくことだと

豊かな自然と、四季折々に繊細な”旬”をいただけるこの国に生きることに

大きな喜びを感じて毎日の食事をいただきたいものです