陰陽消長の法則

陰が旺盛になってくると陽が少なくなってくる

陽が旺盛になってくると陰が少なくなってくる

これを「陰陽消長の法則」という

この消長の法則によって自然界や人体のバランスが保たれている

今年は春の寒気(陰)が旺盛だった為に、いつまでも寒く低温が続いた

「陰陽消長の法則」からすると

この夏は陽が盛んになる

つまり猛暑が予想される

もし猛暑がなければ人の生産活動の影響で

自然界は狂っていることになる

最近の臨床傾向

北辰会方式による少数鍼治療を研究するにつれて

来院患者さんの傾向に明らかに変化が見られる

ごく最近の新患さんの主訴(西洋医学の病名)を列記すると

重症筋無力症

不妊症

ラムゼイハント症候群

発達障害

逆流性食道炎

ジストニア

腎不全

痙攣性発声障害(SD)

骨盤位(逆子)

高血圧症

脳梗塞後遺症

多発性関節炎

眩暈

アトピー性皮膚炎

慢性気管支喘息 等々

その他にぎっくり腰等の運動器疾患が含まれる

開業して24年、当初は所謂、整形外科的な疾患が多かった

北辰会式少数鍼による弁証論治を追求していくに従って

外科を除くあらゆる診療科目が対象となってきた

来院される患者さんは西洋医学で難治性か

内服中の薬を減らしたいという希望を持っている方が殆ど

これらはすべて東洋医学が得意とする疾患である

黄砂アレルギー

最近イネ科のアレルギー患者さんが

花粉の飛散量が少ない日にも強いアレルギー症状を訴えるので

気象庁の黄砂情報を調べると「黄砂によるアレルギー」

の可能性を否定できないようだ

気象庁黄砂情報HP http://www.jma.go.jp/jp/kosafcst/

北西風にのってモンゴルのゴビ砂漠から飛散する黄砂は

中国の工業地帯上空の有害化学物質の影響も無視できない

狭心症=水分摂取の誤解

二人の狭心症の患者さんの症例

70代♂

主訴:胸苦しさ・下腿浮腫

脈診:濡脈・緩不足

舌診:淡紅・滑苔

水分摂取:夜間に1リットルの水を飲む

60代♀

主訴:胸痛

脈診:滑実

舌診:淡紅・白膩苔

水分摂取:一日2リットルの水分を摂取

お二人ともつとめて水分摂取されていた

結果として湿邪が影響した軽度の「狭心症発作」であると考えた

根拠は舌診で「滑苔」「白膩苔」とどちらも湿邪の停滞が認められたこと

叉、昨日発作が起きていること

昨日は冷えて一日雨が降っていた

外湿邪が内湿に影響したと考えられる

その上男性は下腿の浮腫が認められている

厥陰腎経の「照海」に鍼をし

治療直後に小便排泄し、下腿浮腫は軽減した

お二人には口を酸っぱくして水の取り過ぎは危険であることをアドバイスした

全ての狭心症の患者がドロドロ血液「お血」ではないということを知って欲しい

水の取り過ぎが湿邪という邪気になりうるということだ

半身不随と章門穴

脳梗塞後遺症による半身麻痺

発症直後の治療は非常に効果的で

ICUの中で早期に鍼治療を開始すると驚くような効果を表す

後遺症が全くなくなることもある

しかし、日本の医療の現状はICUで鍼灸師による治療を認める病院は皆無と言ってよい

救命処置はできても後遺症の半身麻痺に長期間悩まされることは

QOLを考慮すると極めて問題

半身麻痺の患者さんのほとんどは初診時に早くても3ヶ月入院して退院後

数か月から数年経過する症例では「空間論」による気の偏在を整える治療がよい

少陽胆経の「帯脈」や厥陰肝経の「章門」の左右差が著しく認められると

治療後の麻痺側の硬縮が緩和することが分かってきた

慢性化した半身麻痺でも鍼治療による可能性を感じている

更に追試を増やしたい

〔〕

ALSの症例

昨日はスタッフその他7名で大阪へ

北辰会定例会(臨床部会)に参加した

藤本蓮風先生の症例報告を特に興味深く拝聴した

ALS(筋委縮性側索硬化症)

難病中の難病で発症は急激で余命は数年と言われている

70歳♂(医師)

発症後10ヶ月より鍼灸治療開始

症状は快方に向かっている

医学としての鍼灸治膂の可能性を医学会に広く知らしめることのできる症例だ

日本に数千名のALS患者さんがいるという

早期に受診すれば進行を止めるか

この症例のように症状を緩解せしめる可能性があることが示された

体表観察の重要性と鍼治療の可能性を実感した

http://www–.n-acp.com

春の逆風

このところ、寒冷前線通過後の北寄りの高気圧の影響で

北西風が非常に強い

朝晩は”寒邪”の影響で気温差が大きく、

更に北西風の”逆風”により冬とは異なる

”風寒邪”を受けやすいといえる

今年は特にこの季節の”逆風”が強いので

冷飲や、脂っこい飲食を控え

脾胃を労わる養生が必要である

小児鍼の適応症

小児鍼とは皮膚に接触させる治療で、痛みは全くなく心地よい治療である

適応年齢:生後1ヶ月~小学校低学年

適応症:カンムシ(疳虫、疳の虫)が筆頭
 
    便秘・下痢等の胃腸虚弱
  
    夜尿症・小児喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎、結膜炎

    チック症・発達障害・その他の難治性疾患

作 用:鍼治療の生体に対する作用は自然治癒力を促すことであるが、

    小児は生命力が旺盛なのでごく軽微な刺激で驚くような効果を発揮する

    慢性疾患で気長に治療を続ける場合もあるが多くは早期に治癒する

七情とは

七情の解説

喜ー喜び過ぎると心気が緩慢になり、ぼんやりとして物忘れがひどくなり
  
  動悸・不眠・ときに心が落ちつかなるといった症状がでる

怒ー怒が過ぎると肝気が血とともに昇り、頭痛・顔面紅潮・充血・時に卒倒する

憂ー憂が過ぎると肺を傷り、思と合わさることで脾を傷りえる

思ー思が過ぎると脾気が停滞し、脾の運化に影響する

悲ー悲が過ぎると肺気を消耗させ、息切れや、元気がなくなり疲れやすくなる

恐ー恐が過ぎると腎気が沈み、二便の失禁やときに失神する

驚ー驚が突然起きると、心気が阻害され、動悸や情緒不安定になる

七情と五志

東洋医学では

内傷病の発病要因として「七情の過不足」に注目する

七情とは

感情としての喜・怒・憂・思・悲・恐・驚・の総称

これが過度になったり、長引くと病を引き起こす

五志とは七情の中でも特に

喜・怒・思・憂・恐・の五つの感情をいう

この解説は次回に・・・