気逆とカフェイン

気が上に昇ることを”気逆”という

専門的には様々な要因に分類できるが

気逆の与える身体の現象は多彩で苦痛を伴う

顔がかっと熱くなる

頭痛・目眩・耳鳴り・目の充血・頚肩こり

動悸・胃のむかつき・咳etc・・・

こういった傾向がある患者さんは

カフェインの摂取を控えめにした方が良い

「主な飲み物のカフェイン含量」※150mlはコップ1杯くらい

種類             量    カフェイン量
コーヒー(炒り豆・ドリップ)  150ml   100 mg
コーヒー(インスタント)    150ml   65 mg
コーヒー(エスプレッソ)    40ml   77㎎
コーヒー(カップチーノ)    150ml   50 mg
コーヒー(ノンカフェイン)   150ml   1 mg
玉露             150ml   180 mg
抹茶             150ml   48 mg
紅茶             150ml   30 mg
せん茶            150ml   30 mg
ほうじ茶1杯          150㎎l  30㎎
ウーロン茶          150ml   30 mg
番茶             150ml   15 mg
玄米茶            150㎎l  15㎎
麦茶・黒豆茶・杜仲茶・ルイボス茶など 150ml 0 mg
ホットココア         150ml   50 mg
コーラ            350ml   34 mg
コーラ(ダイエット)      350ml   45 mg
栄養ドリンク(カフェイン入り)100ml   50 mg
板チョコレート        50g    20 mg

上記の資料を参考に”気逆”がおきやすい人は

多くても日に1~2杯に留めておくべき

腰の手術を勧められたら

先日名大病院の総合診療医に

腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの症例で

整形外科医が手術を勧めるケースがあった場合に

我々はどう判断するかについて問われた

鍼灸不適応症としては

腰部の椎間板ヘルニアで膀胱直腸障害を認める場合

発症後一ヶ月以上自力歩行が困難な場合

上記のケースは手術の適否の判断が必要

悪性腫瘍も当然適応外

このような症例は鍼灸院に来院される患者さんの1%未満だ

従って、医師に手術を勧められて迷った場合

まず、鍼灸治療を週に2~3回一ヶ月続けてみる

殆どの症例で痛みやしびれ、歩行の状態、ADLの改善が認められるので

患者さんも手術を選択する必要を感じなくなるし

医師も「もう少し様子を見ましょうか」となることが殆どだ

〔〕

鍼灸治療の感想

患者さんより鍼灸治療の感想をいただいたのでご紹介する

逆流性食道炎・・・                名古屋市緑区 M・H 57歳

新年早々 体調の不良からあちこちのお医者さんを渡り歩く生活が始まって

一進一退を繰り返すうちに 突然夜中に胃酸の逆流が起こり飛び起きました 

それからの日々は夜寝るのが怖いくらい辛く 何か良い方法は・・・と

インターネットでこちらの鍼灸院を見つけました 

時間をかけての問診は自分の病歴や生活習慣を思いださせて頂きました 

先生の今まで逆流性食道炎の方をたくさん治してきましたからHさんも治りますよと

心強い言葉にホッとしたのを覚えています 

気が上に上がっている事を指摘して頂き 治療が進み 症状が改善し始めました 

気が付くと 胃酸の逆流で枕を3つ重ねて寝ていたのが 一つまた一つ外していました 

そして本来の病気と並行してこむら返り 花粉症 口内炎と私の不調のリクエスト(?)

にいつも丁寧に対応して頂きました 

特にこむら返りは唹血が原因との事で施術後何十年ぶりかに足がホカホカして 

気持ちまで温かくなりました 本当に感謝の気持ちでいっぱいです 

これからもよろしくお願いします

※院長コメント 初診時内服薬 ランプラゾールOD錠15㎎・レパミピド錠100㎎

        ガスモチン錠5㎎ その他の抗アレルギー剤全て中止

        現在六君子湯のみ内服 これも何れ必要がなくなる見込み                      

玄関の生花は誰が?

長年苦しんだ喘息患者さんが

鍼治療で病が癒えて大変喜んで頂き

来院されるたびにお庭の花を持ってきて下さる

毎回様々な美しいお花で楽しませていただくが

一体どれほどの素晴らしいお庭なのか一度拝見したいほど

M・Mさんいつも本当にありがとうございます

リウマチ性多発筋痛症

リウマチ性多発筋痛症とは?

リウマチ性多発筋痛症(PMR)は、

全身の関節や筋肉痛を起こす病気で、

血液でCRP高値、血沈亢進などの炎症反応を認めるのが特徴

西洋医学では原因不明とされている

70代♀

昨年2月肩関節の突然の痛みから発症

両肩関節・膝関節・頚部・手指関節など

全身の関節痛に襲われる

夜間痛もあり眠れない

4カ月後に名市大病院膠原病科でリウマチ性多発性筋痛症の診断

プレドニゾロン5㎎処方される

最も痛みの激しい時期に来院

”熱着痹”と診たて少数診による治療を始める

一ヶ月で日常生活に支障がない程度まで

全身の痛みや関節可動域が改善

CRP 血沈共に正常値に

プレドニゾロン2.5㎎に減量

以後極めて経過は良いが

主治医が慎重なのかプレドニゾロンの中止に至らない

この病気は少量のステロイドの処方が著効するのが特徴だが

中止により再発することがあることが中止に至らない理由

だからこそ鍼灸治療の併用が望ましいと考える

平行治療によりステロイドからの離脱も可能になると考える

脈診、舌診、共に良好

医師サイドから見れば

鍼治療の介入によってステロイドの減量、

中止が可能になる為のEBMが必要なのであろう

次回診察時に鍼治療を併用していることを伝えて

医師の指示を待つことにした

〔〕

逆流性食道炎治癒

4月27日に報告した

逆流性食道炎の患者さん

経過は極めて良好

逆流性食道炎の治療薬は全て中止

六君子湯のみ内服中

食欲あり良く食べられる

自覚症状は消失

口内炎もできたがすぐに治癒

左内関の鍼と腹部打鍼で早期に治癒した症例

〔〕

COPD患者への鍼治療

鍼治療で慢性閉塞性肺疾患(CODP)

の息切れ及び酸素の状態を改善できるとの報告が

医学学術雑誌Archives of Intemal Medicine誌に掲載された

(Vol 172.No.11:2012)

明治国際医療大学鍼灸学部准教授の鈴木雅雄氏による研究で

鈴木氏らは息切れを有する軽症から最重症までのCODP患者26人

を対象に鍼治療を週に一度10週間おこない

息切れの評価を6分間歩行で行った

その結果、息切れスケールで4から2まで改善し

さらに動脈血酸素飽和度も88.5%から91.4%まで改善した

この結果から鍼治療には息切れを改善するばかりではなく

酸素の状態も改善する効果があることが分かった

COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者への朗報となろう

※この記事は朝日新聞社発行のメディカル朝日に掲載された内容から引用

虚側の天枢で腰の激痛が著効

40代♀

腰の激痛が3ヶ月続き

整形外科や接骨院で治療を受けるも悪化の一途

空間診で右天枢(健側・虚側)に1番鍼で補法

右腎兪に補法で置鍼

2診目には痛みが9割軽減する

この患者さんは脈診で沈虚、素体は虚証

弁証は脾腎両虚証

K先生の虚側の天枢の補法が著効したという症例

〔〕

眩暈鑑別診断

西洋医学による眩暈の原因は

1.慢性中耳炎由来の内耳障害

2.メニエール病

3.遅発性内リンパ浮腫

4.眩暈を伴う突発性難聴

5.外リンパ浮腫

6.前庭神経炎

7.良性発作性頭位眩暈症

8.中枢性頭位眩暈症

9.薬物による前提障害

10.内耳梅毒

11.ハント症候群

12.聴神経腫瘍

13.椎骨脳底動脈循環不全

14.血圧異常による眩暈

15.頚性眩暈(頚部外傷後の眩暈)

16.心因性眩暈

※1897年めまいの診断基準委員会答申書より

このように多くの原因が上げられるが

腫瘍による眩暈以外はすべて鍼灸適応症と考える

原因により治療効果に差異はあるが

我々は除外診断をしながら

東洋医学的な弁証論治によって予後を推定し

対応することが我々の仕事と心得ている

〔〕

頭位眩暈症

40代♀

朝から眩暈

頭を下に向けたりする動作でフワフワする

左内関、公孫で1回で治癒

眩暈の原因で除外すべきは頭蓋骨内の器質的病変

例えば脳や下垂体の腫瘍、脳血管疾患

しかし、外来で自力で来院可能な症例の殆どは

メヌエル氏病以外は

”良性発作性頭位眩暈症”BPPVが最も多い

この疾患は鍼灸で治しやすいので

精査を受ける前に鍼灸治療を試してみたほうが

治癒までの期間が早くなる

〔〕