類剥苔の症例

25歳♀

主訴:精神的な疲労・舌苔のはげ

仕事のストレスによって、精神的に疲れ舌の苔が剥げる

類剥苔とは舌苔の剥落が部分的で

地図状に苔が剥落した剥落部分が、変化することで

化源不足によって気血の補給が断続したり、不均等になる

「気血不統」によっておきる

弁証:肝鬱気滞による気血不統

処置:右後谿 左肝兪に10分置鍼

経過:2回の処置で舌苔の剥げは消失、メンタル的な疲れも気にならなくなる

考察:肝気の巡りが改善し苔の新生が認められた

写真の上は第1診目、下は第3診目

老子の思想その2

”人の心は武器を制する”

人間の心とは、まるで空の容器でもあるかのように

何の力も無いように人は思っています

しかし、心の大きさと働きは、何をいくら注ぎ込んでも

一杯にならないほど広大無辺であり無限の力を持つものである

人の心の深さとは底(限界)が見えない淵のように奥深くて

万物を生み出す大もとが人の心に存在するようです

人の心は万物の鋭さを丸く収めることができます

つまり、刺々しい人間関係や国家間の刃物(武器)の尖端をも

人の心は丸くすることが可能なのです

心は物事のもつれや誤解を解きほぐし

強い怒りの光をも和らげることができます

そして、この世の人の汚い部分や悲しみにも

人の心は他人と共有することができます

※2500年前の老子のこの言葉を

 老子を生んだ隣国の指導者に読み解いてほしいものです

口蓋扁桃炎と脱毛症

多発性難治性円形脱毛症の症例

口蓋扁桃摘出Opeを受けてから脱毛が著明に改善した症例

9歳♂

多発性の円形脱毛症

鍼灸治療で一定の効果を上げていたが

アデノイドの摘出手術を受けた際に口蓋扁桃の癒着があり

口蓋扁桃摘出術も同時に受けることになった

執刀医は脱毛は口蓋扁桃による病巣感染と考えられるとの見解

病巣感染により腎炎や、掌蹠膿疱症も発症するリスクもあるとのこと

術後より脱毛は顕著に改善し、まつ毛も生えてきた

術前には皮膚科で予定していた皮膚を一時かぶれさせる処置を

当方のアドバイスで中止して、転院し

藤田保大の皮膚科医から喉の病気と脱毛の因果関係を指摘された結果

良好な経過をもたらしたという貴重な症例で

お母様からお礼のメールを頂き勉強させていただいた

中医学的に考えると

扁桃の炎症=肺熱→皮毛の熱による脱毛と考えることができる

鍼灸師の不養生

27日の朝

筆者自ら治療院内でぎっくり腰を発症!

電動ベッドの電源を入れようとしゃがんだ瞬間

ピキッと左の腰に痛みを感じ

1時間程でで徐々に痛みは広がり前に屈めなくなってきた

これはヤバい!

自己診断でL4/5の椎間板障害だ

早く来たF先生に早速鍼を打ってもらい

診療開始・・・するしかない状況

その日は3回治療を受け、なんと無事夜の勉強会を開催できた

翌日は運よく休診日、一歩も外出せずに妻に鍼を打ってもらい

楽しみにしていた夜の飲み会はドタキャン

発症4日目の今日はようやく屈めるようになり、ほぼ治癒となった

スタッフのお陰で多忙な週末の診療をこなすことができた

こんなに腰を痛めたのは20数年ぶり!

仕事に穴を開けずにすんで

鍼灸師で良かったと思った4日間でした

シンプルなダイエット法

患 者:食事療法をしようと思うのですが、カロリー計算が面倒で・・・

鍼灸師:それなら、良い方法がありますよ

患 者:それは何ですか?(興味津々)

鍼灸師:朝と晩に体重を測定することです

患 者:朝と晩に体重計にのる?

鍼灸師:そうです。体重が増えていると体重計にはのりたくないものです

    逆に、体重計にのると、食事を意識し始めます

患 者:どんな食べ物が太りやすいのですか?

鍼灸師:人によっても違いますが、ベスト3は、カレーライス、お寿司、ラーメンです

    炭水化物の摂取を減らすことです

患 者:なるほど。

鍼灸師:体重グラフにその結果をつけると食事療法のはげみとなりますよ

患 者:はい。わかりました。頑張ってつけてみます(嬉しそうな顔)

鍼灸師:カロリー計算を使わない、シンプルな食事指導を行うことも一つの手です

プライマリケア

院内勉強会は「プライマリケアとは」

最近、医療機関を受診される機会がありましたか?

その際、どのようなことを感じ、思ったのでしょうか?

みなさんはどのような医師や医療を必要としていますか?

病気になって不安を感じているとき、

多くの人たちにとって身近で何でも気軽に相談することができる

医師や医療者の存在はいざという時に絶対に必要ですね
 
プライマリ・ケアは簡単に言うと

「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」となります

我々開業鍼灸師はプライマリケアの中心を担っていると思う

しっかりとした自覚を持っているかが重要だ

むずむず足症候群著効

70代♀

主訴:足底のほてり・むずむず感・ピリピリ感

現病歴:今年の夏に熱中症のような症状が発症し以降
    
    両下肢のだるさ・むずむず感・足底のほてりを感じる

    神経内科を受診し”むずむず足症候群”の診断

    芍薬甘草湯を内服し主訴は緩解傾向であるが

    さらなる軽減を求めて来院

弁証:肝腎陰虚証

処置:左大巨に30㎜3番鍼を7分間置鍼

経過:第4診目でほとんど主訴は消失

考察:芍薬甘草湯と鍼治療が相乗効果を上げた症例

胞肓の効果

高校ラグビー部フォワードレギュラー部員

左足首の慢性的な痛みで来院(発症から4ヶ月)

今迄足首の捻挫といわれ低周波治療を受けていたが

市大会の準決勝を控え、スクラムウオールやタックルで痛みが残るので来院

弁証:左太陽膀胱経の経気不利

処置:左胞肓(殿部の経穴)に40mm2番鍼で10分置鍼

経過:治療後に足首の冷えと疼痛が顕著に軽減

   翌日準決勝にフル出場し試合に勝利

   痛みが楽になりプレイに集中できたと笑顔で来院

   足首の局所でなく全身を診ることで

   一本の鍼で気の流れを整え

   患部が温まり疼痛緩和に至ったS先生の症例

   

身体表現性障害

身体表現性障害

患者さんの訴えに見合う身体的異常や検査結果がないにもかかわらず

痛みや吐き気、しびれなど多くの身体的な症状が長い期間にわたって存在する病気

症状は体のさまざまな場所に生じ、しばしば変化する

患者さんの中には、症状を身体的に説明する原因がないということを

なかなか受け入れられず、医療機関を転々としてしまう方も多い

30代以前の若い頃に発症することが多く

男性に比べて女性に圧倒的に多いとされている

西洋医学で歯が立たないこの疾患も鍼灸で緩解することができる

西洋医学で説明できなくとも

東洋医学で病因を分析することは難しくないのだ

空間診による膝関節の治療

60代♀

数日前から左膝関節痛発症

立ち上がりや、階段昇降で痛くなる

関節可動域正常、腫脹(-)熱感(-)

弁証:空間診により左下前の気の偏在

処置:30㎜3番鍼で百会左に10分間置鍼

経過:治療直後に痛みは消失、「全然痛くない!嘘みたい!!」

   と驚きの声をあげて帰っていかれた