Skype会議

(一社)愛知県鍼灸専門師会の

常任理事7名で毎月第2木曜日に執行部会を

21時~23時に開催していたが

会議場が西区と小牧と遠方で眠気と戦う無駄な時間を見直し

Skypeを使ったインターネット会議にすることになった

今夜は接続の確認のテストをい兼ねたミニ会議がもうじき始まる

Skypeは今更と言われそうだが、無料通話にも関わらず

HD画質で通話品質もよくタイムラグのない通話が可能

品質を保って10人までは同時に通話ができるそうだ

うまくいくか少しドキドキしてきた

風熱表実証の風邪

5年前に風邪をひき38℃の発熱で来院された患者さんが

5年ぶりに風邪をひいて再診で来院された

5年前の風邪による発熱は”表寒表実証”と診たて

左合谷に5番鍼で早刺早抜、少商刺絡、風門にお灸を5壮

処置後に夜間発汗して翌朝には熱も下がりスッキリ治った

1回きりの治療だったので効果判定ができずに不明だったのが

とてもよく効いたとのことで弁証と治法が正しことが確認できた

今日は今朝から39℃の発熱、市販薬と内科で点滴を受けるも

発汗せずに微熱が残り体がだるいとの訴え

”風熱表実証”と診たて

右合谷5番鍼10分置鍼

僅かに発汗している風門に施灸

脈は落ち着いて舌色も良好

5年前の1回で風邪が治ったことを覚えていたことが

治療家としては嬉しかった症例

過敏性腸症候群へのお灸

過敏症腸症候群(IBS)で悩んでいる人は多い

西洋医学では難治性とされる

心療内科の分野でもある疾患

すなわちストレスや不安感が原因であると

中医学では、脾虚(消化吸収の機能低下)素体と

ストレス、不安感などによる肝鬱気滞が招いた”肝脾不和”が多い

公孫や陰陵泉等虚側の脾経を鍼で丁寧に補って整えのお灸

治療のない日には広重灸(間接灸)を自宅で毎日していると

治療効果が高まって、調子が良くなる

肝気にアプローチするより

脾を補う健脾の処置が奏功する

アレルギーは内因だ

50代♀

1ヶ月に一度来院される20年来の患者さん

1週間前から目の痒みで眼科で診てもらい

アレルギーが原因と言われ、点眼薬を使うもスッキリしない

望診で上眼瞼が黒ずんでいる

舌下静脈は怒張

瘀血と肝陽上亢と診たて

百会から刺絡をすると暗紅色の血液が排出

直後に頭と眼がスッキリし、上眼瞼の黒ずみも薄くなる

アレルギーという外因ではなく

瘀血という内因が目の痒みの原因であった

アレルギー疾患は東洋医学の弁証論治がしっくりくる

癌と鍼灸

昨日は大阪で北辰会エキスパートコースにスタッフ3人と参加してきた

漢祥院の間質性肺炎・気管支拡張症・喘息などの

難治性肺疾患4症例の貴重な経過報告と弁証論治・治法・病因病理の解説

連風先生から癌についての解説はピリピリした緊張感に満ちていた

緩和ケアとしての鍼灸の介入ではなく

初期から中期の癌については完治を目指すと言い切っておられた

画像診断でがんが消滅した症例や、発症後5年以上経過良好な症例など

50症例の治療実績を解説していただき、大いに勉強になった

50年の臨床経験から”週に1回以上鍼灸に通っている人は99%癌にかからない”

という事実は、臨床25年の当院でも実感している

国民の2人に1人が癌でなくなるこの時代

予防医学として鍼灸はすごい力を持っていると確信している

漢方専門医との医療連携

西洋医学による精査が必要な場合は

医療連携している脳神経外科でMRI検査などを依頼しているが

漢方専門医との医療連携が手薄であった

最近本格的な漢方診療をされているクリニックを知り

漢方薬と鍼灸治療の併用を希望されている患者さんをご紹介させていただいた

紹介状への回答書には丁寧に東洋医学的な所見や弁証が記述してあり

当院での弁証と一致したことで相互理解ができたのではないかと思う

漢方薬での医療連携の手掛かりができたと感じている

湿邪にご注意

梅雨に入って湿気の多い日が続いている

雨の日に体がだるく重くなるのは湿邪による影響が多い

雨天や湿度が高くなると気血津液が停滞しやすくなる

但し気の停滞によっても体が重だるくなるので

湿邪と短絡的に決めることはできない

鑑別は舌の表面にベタベタした湿った苔が生じていると

内湿の停滞が認められるので水分摂取は控えめに

鍼治療は多くは公孫、陰陵泉の虚側に補法の置鍼を施すと

治療後には苔が少なくなり足も軽くなる、お灸も有効

全科者

藤本連風先生がおれは全科者だと冗談をよく言われるが

当院も同様で

赤ちゃんからお年寄りまであらゆる年齢層

あらゆる疾患の患者さんが来院されるので自分も全科者だ

西洋医学の診療科の垣根を越えたところに

東洋医学の真髄をみることができると思う

新患さんが連日とても多いが

鍼灸師5人体制でほぼ同じレベルで

北辰会式少数鍼の治療が可能となった

混合診療におけるがんと鍼灸

昨日は福岡市で第1回統合医療支援セミナーを受講してきた

米国アリゾナ大学のDrワイル博士のフェローシップ2年間を終了した

織田聡先生による、鍼灸師を核とした”日本型統合医療”実現のための講義だ

1)統合医療概論

2)医師との連携の仕方

3)がんと鍼灸の3講義で

2)医師への紹介状の書き方や、3)がんと鍼灸は

日帰り九州する価値のある内容だった

がん患者さんへの鍼灸が介入するタイミングは

がんと診断されてから抗がん剤、放射線治療、手術の前後、ターミナルケア

あらゆる過程で鍼灸治療の介入は、患者さんのQOLを上げることが期待されているが

現在の医療システムでは病院内の鍼灸は認められていないのだ

TPP交渉で混合診療解禁を政府が決めようとしているなかで

ダヴィンチ手術のような先端医療に対しての検討は進んでいるが

鍼灸が病院で実費で受けられる(これも混合診療)ことは検討課題にないそうだ

この問題について織田医師は厚労省事務次官に直訴したとのこと

日本の医療改革が鍼灸にとって追い風になることを期待を込めて・・・

陰陽論

≪黄帝内経・素問≫「陰陽応象大論篇」

「すべてのものは陰陽から成り立つ、だから病気を治すのであれば

陰陽をよく弁えなさい」と書かれている

「己の限界は、鍼の限界ではない」ということを

肝に銘じて毎日の臨床に挑みたいと思っている