またまた寒湿邪の影響

寒冷前線が日本の南に横たわっている

異例の気圧配置の8月だった

北からの冷たい空気の影響と南からの湿気

朝晩は過ごしやすいが

真夏のパジャマと夏蒲団で寝ていたり

昼間に半ズボンで過ごして

下半身が冷えている患者さんが多い

二四節気では既に立秋が過ぎて秋の気配を感じるので

衣服と鍼灸治療で調節して寒湿邪を受けないようにしたい

http:/www.n-acp.com

舌診による瘀血

ある患者さんの舌背

主訴:顔面の痙攣と頸肩部の慢性的な痛み

弁証:肝鬱化火・瘀血証

舌辺の暗紅色が顕著

原因は食生活の乱れ

駆瘀血の処置とともに

食養生の指導をした

このまま放置していると

循環器疾患のリスクが高いことも付け加えた

続いて今夜は院内勉強会

今日の7人の新患さんのカンファレンスと

問診のトレーニングを2班に分かれて行う予定

不眠と心兪

不眠の訴えは多い

以前このブログで不眠の中医学的な分類を示したが

五臓の”心”の問題で眠れない場合

心陰虚の不眠

心腎吹不交の不眠

心脾両虚の不眠

以上に分類できる

背部兪穴の心兪に虚の反応が顕著に表れている場合

虚側の心兪に鍼を打ち

左右に交互にお灸をすえるととても効果がある

施術した夜は必ず眠りが深くなり

催眠鎮静剤を用いるより遥かに自然な眠りを促すことができる

風邪の変遷その2

≪黄帝内経素問・熱病篇 第三十一≫

傷寒(風邪)の過程において3日を過ぎたものは

病邪は裏陰の内臓の経脈に入っているので

邪気を下方に漏らす瀉下法を使えば軽快する

風邪の変遷その1

≪黄帝内経素問・熱病篇 第三十一≫

傷寒(風邪)の過程において

第一日目は太陽経が病邪の侵襲を受ける

太陽経は頭から背部を通り腰から下肢の背面を経て足に至る

そこで病を受けると後頭部や項、背中や腰が痛む

治法は発汗法で、鍼は瀉法治療後に速やかに発汗すれば

風邪の病は素早く癒える

リウマチ性多発筋痛症治癒

70代♀リウマチ性多発筋痛症

その後の経過は良好で、ステロイドは離脱

血液検査正常値

大学病院の主治医は薬が必要ないとの判断に至る

鍼治療への理解もあり治療は継続するようにと言われた

西洋医学的には難治性のこの疾患であるが

正しく弁証すれば

東洋医学からみると治しやすい

寒湿邪の影響

今年の日本の夏は変だ

太平洋高気圧の勢力が弱いので

温暖前線が日本列島を横切り

気温の変化が大きく常に湿度が高い

最近は太陽の陽気が足りないので

気温が低く湿度が高い

エアコンが効きすぎる室内にいると

”寒湿邪”がリウマチ・喘息・アトピー

などの患者さんに影響を与える

熱中症を気にするあまりの水分摂取過多に要注意

歯科の領域の症例

2週間続く右の下顎の痛みで相談があった患者さん

歯科医は歯には異常がないが三叉神経の痛みでは?

内科医は特に異常は見られないとの診断

困り果てて電話相談を受け当院受診

右下顎は腫れて右下の歯肉を望診すると

赤く腫れて臼歯に叩打痛あり

鍼の応急処置はしたが、これは歯科の領域だ

かかりつけの歯科にその場で電話してもらい再診の予約がとれた

患者さんは痛みの原因が解って安心した様子

盆休み前の慌ただしい診療の一風景

迅速かつ正しいジャッジが求められた一症例

健康とは

人生にとって健康は目的ではない

しかし、最初の条件なのである

何をするにも先ず健康なのである

(武者小路実篤『人生論・愛について』)

白樺派の小説家、武者小路実篤の言葉

健康である以上は健康を目指そうとはしないが

失った時にその価値に気づくのが”健康であるということ”

細絡刺絡

60代♀

主訴:疲れやすくこむら返りが起こりやすい

右下腿陽輔あたりに1円玉程度の細絡(静脈の微細な毛細血管が網状に広がっている)

を認め吸角で刺絡をすると、10回も吸角を取り換えるほど瘀血が大量に出た

その後体全体が軽くなり、よく動けるようになって大変喜ばれる

瘀血証に対する細絡刺絡は驚くような効果を示すことが多い