守山保健所にて講演

昨日は守山保健所で「介護予防保健学級」が開催された

講師は当院スタッフの寺井奈美恵先生

65才以上の守山区民100人を対象に

演題は「健康のツボについて」

会場の椅子は一杯になりとても盛況だった

寺井先生は初めての講演にもかかわらず

堂々とよく通る声で

難解な東洋医学の解説を

ゆっくりと噛み砕いて語りかけた

公演中居眠りをする人もなく(笑)

皆さん熱心に講演内容を書き留めたり

質問もされる人もあった

1時間の講演のために

作成だけで20時間以上を費やしたレジュメは

今後の一般人向けの講演に利用できる立派な資料となった

寺井先生大変お疲れ様でした

陰陽のアンバランス

≪黄帝内経・素問≫逆調論編 第三四

第一章

人には寒がりの人と暑がりの人がいる

それは陰陽のバランスが悪くいずれかに偏っているからである

陰は内臓を支配しエネルギーを生産する

陽は皮膚・筋肉を支配しエネルギーを消費して

運動・知覚・精神活動などを行う

この時熱を発生する

故に陽気の多い人は暑がりになる

陰気の多い人は熱の産生が少なく寒がりになる

飲食不節の舌の変化

上は治療前 舌は治療後

20代男性

主訴:胃の不快感・体がだるい・頭重感

弁証:湿困脾土(冷飲によって胃腸の機能低下し体に湿邪が停滞して状態)

処置:左内関に15分置鍼

効果判定:舌の変化が著明で、処置後は空腹感が出てきた

肌の色も良くなり上の写真での変化は一目瞭然

患者さんもおおいに驚く

ビールの飲みすぎで湿邪が停滞して主訴に至ったので

冷飲過多の養生は欠かせないが

治療直後の変化は著しく、肝鬱気滞も大きく影響していると考える

命は我にあり

貝原益軒 江戸時代の本草学者、儒学者

「養生訓」巻1・総論より

「人の命は我にあり天にあらず」と孫子はいった

人間の生命はもちろん天からもらった

生まれつきのものだが

養生を良くすれば長いし

養生しなければ短い

だから長命か短命かは自分の心次第である

人間は純朴さが大切

老子の言葉

男性的な強さを持ったうえで

女性的な母性の心を保つことができると

その人は社会の成功者となることができる

社会的な成功者となれば常に社会貢献を重ねる徳積みをおこなうと

その人は赤子にような純粋性をだんだん取り戻します

他人から見える表面的な生活だけではなく

隠れた私生活でも道徳を守っていればその人は社会の規範となる

社会的な規範の人となればさらに徳のある生活を行い

善悪も白黒もない中立的な悟りの心境に帰ることができる

大成功した生活を知った上でも底辺の生活も忘れなければ

その人は真の成功者となれます

真の成功者となれば常に徳(良心)のある心で満たされて

大自然から出る原木のように純朴な人間になります

要は、人間が成功を真に極めて至る最後の姿は

原木のような純朴な人間なのです

従って初めから純朴な人間がいれば

その人は社会に役立つ器となれるでしょう

※自分自身にも問いかけたい内容の言葉である

脈診による風邪の診たて

風邪の邪気が体表で生気と戦っているとき(邪生闘争という)

少しく寒気がしはじめる、この時脈診をすると平生の脈と比べて

脈が浮いて強くなる、風寒邪に生体が抵抗している時だ

今日インフルエンザの予防接種を受けた患者さん

脈診はいつも沈虚であるのに、浮少し数脈であったので

喉への清熱の処置をして、脈が落ち着いたのを確認してお帰り頂いた

弱毒化しているとはいえ、接種の際には生気が弱っている人,疲れている人は要注意だ

気逆について

≪黄帝内経・素問≫評熱病論篇 第二章

太陽(膀胱経と小腸経)は体表を支配していて

陽気が一番強いところである

そこで最初に邪気が侵入する場所である

太陽と少陰は表裏の関係にある

故に太陽が邪気に侵されていて発熱すると

少陰(心経と腎経)も反応して下から上に突き上げるような

症状を引き起こす。これが厥(逆)である

【注釈】

気の上逆によって足の冷え腹部血管の上逆感

すなわち心下逆満、心悸亢進、動悸、のぼせ、めまい等の症状を示す

また、脳血管神経が侵されて頭痛、脳卒中となる

主として少陰心、腎の気逆であるが、陽明胃経、厥陰肝経の厥逆もある

患者さんの声 頚椎症性頚髄症

長年苦しんでいたしびれや痛みから解放された

患者さんの声を許可を得て掲載させていただく

頸椎症性頸髄症                 デサキ ムツモリ 41才

H25年8月から肩が挙がらなくなり、左手のしびれが出てきて、

左の握力は5㎏程度になりました。

右の手も可動しにくくなるという状態に悩み、いくつもの大きな病院にかかり、

通院、入院、リハビリを続けていました。(診断は頸椎症性頸髄症)

右の手はリハビリで少しは回復したものの、

しびれは続き固まった感が強く、指の動きも悪いままでした。

そこで鍼治療に望みを託してみようと思い、

他の鍼治療院に通っておりましたが、あまり効果は見られませんでした。

あきらめかけていた所に、長岡治療院の先生のお話を伺い、

とても症状のひどい日に左手に鍼を打っていただきました。それも1本の鍼だけです。

鍼を抜いてもらったところ、1年半動かなかった指が動き、

しびれが緩和され驚くほど楽になりました。

1年以上悩んでいたしびれが、たった1本の鍼で良好な結果を得られたことに

感動と魔法にかかったようでした。

今後も治療を続けて完治するという希望が見えました。

今後ともよろしくお願いいたします。

※病名は頚椎症性頚髄症であったが、弁証は陽明大腸経の経気不利と診たて

左合谷に3番鍼で15分置鍼しただけで著効を示した一症例

魂に効いた肝兪

毎日続く頭痛に悩まされていた40代の患者さん

2~3週間鎮痛剤を3回/日内服しても治らない

頭痛の原因は残業カットによる過密スケジュール

仕事中は常にイライラしているという

入念な体表観察により右肝兪に25分置鍼

治療後はベッドで10分休んでいただいた

その後ほぼ1週間頭痛はなくなり鎮痛剤もいらなくなった

しかも過密スケジュールは変わらずとも”イライラしなくなった”という

一本の鍼が心~魂に効いたといえる

邪気と発汗

≪黄帝内経・素問≫評熱病論篇

今、邪気が体表の骨肉において精気と戦って

汗が出たということは

これは精気が勝って邪気が退去したのである

精気が勝った場合は食欲が出てきて

熱も発せないはずである

再び発熱するのは邪気の為である

汗は精気から作られるものであった

故に汗が出るということは

邪気が汗とともに体外に排泄されたことを意味する

ところが今、汗が出たのにもかかわらず

またすぐ熱が再発したのは邪気の力が強くて

汗によってこれを前面的に排除できなかったからである

今朝から本格的な寒波の襲来で風邪が多くなるだろう

こういった邪気(風邪)と発汗の関係性は

風邪の治療とともに予後を予測するために重要な記述である